室戸岬で保護した犬のお話です。
長いので、おヒマな方どうぞ~(^^)
1/4~5、高知県室戸岬の
「星野リゾート ウトコ オーベルジュ&スパ」に行った ときのこと。
チェックインを終え、館内をひと廻りしたあと、日暮れも早いことだし観光ドライブに出かけることにしました。
ホテルの方によれば、近くに「室戸スカイライン」があり、山の上から岬の素晴らしい眺望が見られるというので、行ってみます。
急こう配をぐんぐん登っていくと、山の上にお約束の「展望台」看板と、開けた駐車スペースがありました。
「無責任なエサやりをしないでください」の看板があちこちに下げてあり。
降りてみると、駐車場の片隅に猫がいっぱい!

こうした風景、各地の展望台で時々見かけます。
捨て猫が繁殖したのでしょう。
みんな似た顔、似た体形。

ウチの3にゃんずと同じ色の3匹ショット(^^)

エサやりさんがいるのかもしれません。みんな毛艶もよく、元気そうです。
近寄って触ろうとすると、スッと逃げる。人間とちゃんと距離を取ります。
するといきなり
ドン!

体当たりしてきた、1匹のわんこ。
めちゃくちゃ人懐こい。
しっぽをぶんぶん振って喜び、私とダーリンにじゃれついてきます。
「おまえ、どこのコ?」
てっきり誰かが連れて来てノーリードで放しているんだと思いました。
回りをきょろきょろするも、他県ナンバーの車が数台駐車しているのみ。
飼い主とおぼしき人も見当たらない。
とまどっている間に、観光客の車が駐車場に入ってきて停車しました。
するとその人たちに向かって、また愛想振りまきに行くわんこ。
気付けば、首輪もしていない。
両前足が外側に湾曲し、ガニ股状態。
歩くのには支障なさそうですが。
どうもラブラドールレトリバーの血が入ってるようです。
大きさも、ラブラドールくらい。けっこう大きいです。
もしかしたら、地元の方が連れて来てちょっと離れているのかもしれない。
怯えてないし、極端に痩せているとか飢えている感じもしないし。
と思って展望台を離れたのですが。
室戸岬は国定公園。
周囲に民家はなく、この場所に来るのは観光客だけ。
頭をよぎるのは
捨てられた?
置き去り?
あわよくば観光客が連れていってくれる、と思って?
お正月だし(-"-;)
とりあえず明日も来てみよう、ということになりました。
誰か連れて帰るなら、明日はいないハズです。
翌日、チェックアウトを済ませ、室戸ジオパークも散策し、さぁ室戸岬を後にしようという段になって、展望台に車を走らせます。
やっぱり、というか。
いました。わんこ。
喜んで突進してきます。
バイクのライダーたちにも寄って行ってます。
とにかく人懐こくて温和。
可愛らしいわけでもなく、大きいし、どちらかといえばブチャイクだけど(^^;
このコが捨てられたのだとしたら。
この日は1月5日(日)。翌日は仕事始めで役所もスタートします。
保健所に通報されたら、捕獲されておそらく殺処分。
通報されなくても、このまま餓死。
「どうしよう?」
「連れて帰る?」
「どっちでもいいよ」
「また様子を見に来るには、遠すぎるしね・・・」
「どうしようかー」
「どうしよ?」
「どっちでもいいよ」
駐車場にダーリンと座り込むこと30分。
命を預かるのは簡単なことじゃない。
ましてウチには猫が3匹もいる。
でもやっぱり。
ほっとけない。
「連れて帰るか」のダーリンのひとことで。
犬の首にスカーフを巻き付け、ひっぱって車に乗せます。
暴れない。たいして抵抗もせず、車の後部座席に乗せることができました。
いざ出発。
車には乗り慣れないと見えて、立っていようとするのですが、足の湾曲のせいかふんばれないらしくよろける、ぶつかる、倒れる。
仕方なく私が後部座席に移ると、甘えてもたれて来て、やや体勢が落ち着きました。
それにしても。
このコ、鳴きません。
ウンともスンとも、ワンともキュンとも言わない。
道の駅で休憩するのに車に残しても。
・・・鳴けないの?何か異常がある??
そのうち乗り慣れてきたのか横たわるようになり、やがて
途中の道の駅で、車の中のこのコを見て隣の車の方が
「かわいーっ♪ ラブラドールですか?」
「いえ、違います」としれっと答えたダーリン。
さっき拾って来ました、とは言えないよねぇ(爆)
昼の12時半に室戸を出て、倉敷に着いたのは夜7時半。
鳴きもせず、逃げようともせず、触ってやればしっぽをぶんぶん振って喜び。
よく頑張りました。
お腹もすいているでしょう。
水を与え、ドッグフードを与え(あまり食べない)
予想どおり家のにゃんこ達は大パニック!長男猫は威嚇しまくるので、ウッドデッキに連れていって

とりあえず雨風防げるテントを張ってやり

中には保温マット、段ボール、ラグマット、毛布を敷いて、寒さ対策。
やれやれ。
子犬でもないし。
カワイイ顔でもないし。
足は湾曲してるし。

でもまぁ、仕方ないやね。
ここまで人懐こい犬を放置したのは、全て人間の責任だから。
たとえ捨てられても、野良猫はけっこうたくましく生きていけます。
山ならネズミ、虫、鳥など狩りもします。
でも犬は違う。
このコの命の責任は、すべて人間にあるんです。
室戸市の保健所、警察、市役所に「犬を保護しました」と連絡を入れました。
犬を探している、という届け出は、今のところないそうです。
昨日、獣医さんに連れて行きました。
にゃんずかかりつけの病院。
受付で「室戸で犬を保護しました。健康診断やノミダニ駆除など、必要なことをお願いします」と言って待合で待っていたところ。
美人の女医先生が診察室の扉をあけ
「あき156サン・・・
犬を見て
「わっ!でかっ!!」Σ(・ω・ノ)ノ
犬を保護して連れて帰って来たというので、てっきり子犬かと思った、と(^^;
男の子。未去勢。体重20キロ。
成犬ですがまだ若そう、3~4歳未満くらいじゃないかと。
ラブラドールレトリバーが入ってそうだけど、あとは何が入っているかわからない雑種(笑)
血液検査の結果・・・
残念ながらこのコ、フィラリア症に感染してました。
フィラリアというのは寄生虫で、犬の心臓や肺に住み着いて増殖します。
いずれは心肺機能低下、血液循環不足による多臓器不全などを引き起こし、死に至る怖い病気(寄生虫)。
やっかいなことに、投薬で予防はできるのですが、
感染してしまったら、決定打となる駆虫薬がありません。
正確に言えば駆虫薬はあるのですが、全滅させるほどの投薬は犬にも負担が大きく、さらには虫の死骸が血管に詰まってしまうなど命にかかわってしまうそうです。
先生が提案してくださった対策は、心臓の負担を和らげる薬を毎日飲みながら、定期的に低用量の駆虫薬を飲ませ、増殖する子虫を殺していき、親虫の寿命を待つ(数年かかる)という方法。

現状、血液検査による臓器の機能障害や心雑音はないそうですが、突然の体調不良や臓器不全が起きる可能性はありますので注意して飼育してください、とのこと。
このコを連れて帰る時、ダーリンと話をしました。
どんな経緯で捨てられたかわからないけど、仮に足が悪くて将来歩けなくなるとしても、持病があって短い命なんだとしても、それはそれで仕方ないね、と。
だから心配するな!わんこ
名前は
「ウトコ」にしました。
ウトコ オーベルジュ&スパに行って拾ったからウトコ。
(゜゜)☆\(_ _;)バキ!
ちなみにウトコの意味は
ホテルをプロデュースしたシュウ・ウエムラの「ウ」
室戸の「ト」
高知の「コ」
だそうです(^-^)
大パニックしていたウチの猫たちも

窓の外に犬がいる、という状況には慣れた模様。
そして今日。雨。
ウトコはテントで雨宿り。
遊びに行ってやると・・・
あれ?右前足がおかしい??
地面につくことができず、よろけて、人間でいえばケンケンのような状態になります。
雨なので、外に招いて歩かせて様子を見ることができません。
というより、歩けないかも?
今朝まで何でもなかったのに。。。
あちゃー・・・(- -;)
獣医さんに電話したところ、足の湾曲で痺れや痛みが出るコなのかもしれません、様子を見て下さい、とのこと。
あ、それから警察に拾得物の届け出をしなければいけません。
最寄の警察でいいので、と言われ総社警察に行ったら「拾得物の写真を撮りますので、その犬を連れて来てください」だって(笑)
届け出から2週間ほどで、私の所有物に権利が移るそうです。
さて。前途多難な犬との共同生活が始まりました!
かわいいっす。(〃ω〃)