「横綱」のラーメンは、めったに食べない。

京都で「横綱」というラーメンチェーン店を知らない人は少ないだろう。
大変ポピュラーで人気店でもある。
タイトルからは、私が「横綱」のラーメンを嫌いなように聞こえるかもしれないが、そんなことはなく、店ごとの味のばらつきの大きいことを除いては「美味しいラーメンだ」と思っている。
ではなぜ「食べない」かというと、それより好きなメニューがこの店にはあるかである。
そのメニューが「焼豚つまみ」なのだ。
写真ではわかりにくいかもしれないが、茹でもやし・焼豚・キムチ・メンマ・九条ネギの盛り合わせに、横綱のラーメンスープをかけたものである。
逆に「麺なしラーメン、メンマ・キムチ入り」と表現した方がわかりやすいかもしれない。
辛いのが苦にならない人には、こたえられない美味しさだと思う。
私は「横綱」へ行くと、ラーメンをたのまず、「焼豚つまみと小ライス」という注文を繰り返している。
本当にしばらく、横綱でラーメンは食べたことがない。
少し辛過ぎるぐらいの味付けと、ホカホカの白ご飯との相性がすごく良いのだ。
最初に「無料の九条ネギ」を多めに乗せるのと、ご飯、おつまみの具が無くなって、残ったスープに酢（餃子用？）をたらして飲み干すのが私流である。
酢を加えると、辛さがマイルドになり最後の一滴まで、ご飯が無くなっていても美味しくいただけるのだ。
これで、「焼豚おつまみ」が４００円、小ライスが１２０円。合わせて５２０円で、ラーメン並よりも安いのに、ラーメンより私には満足感が残るのだ。

何年か前に、TAXIに乗った時にこんなことがあった。
後輩と二人で京都ラーメンの話をしていたら、運転手さんが話しに入ってきたのだ。
「横綱の“おかず”って知ってるか？」というのである。
「ああ、あの焼豚とキムチ、メンマなんかにスープがかかってるやつですか？」と答えると、運転者さんが言うには、あの「おかず」は私が店に定番メニューとさせたのだと。
「わしは、横綱の麺が嫌いや、スープは旨いと思うが、あの麺がどうにもならんかたんで、行く度に、ラーメンの麺抜き注文して出してもろてたんや、そのうちメニューになってた」というのである。
この話に真偽はわからない、確認しようもない。