あーる5のブログ一覧

同じみんカラ（みんカラ＋登録）の中の記事なので，悪くのも書くのもなんですが，相手は業者で専門家なので，あえて書かせてもらいます。
最近見た，この記事↓ですが，疑問が。
・工具選びのポイントの1つ！？　「工具の長さ」について・・・！
https://minkara.carview.co.jp/userid/494847/blog/21612104/
> 理由は簡単！車載用の袋に収めるためです。
これって，ホント？
それとも，お笑いネタとして書いているのを当方がわかっていないだけ？
コストダウン目的うんぬんと補足しているぐらいだから，書いている人は，大マジなんだよね？違うの？
車載工具と言っても，クルマとは限らず，バイクかもしれません。ただ，みんカラだったら，クルマのことを書くのがふつーだよね。

この文脈からいくと，自動車会社は，まず工具袋のサイズを決めて（場合によっては工具袋の収納スペースを含む），工具袋に合わせた工具を作っている（作らせている）と読み取るのが自然だと思います。
だから，わざわざコンパクトなものにしている，と。
これは，大嘘でしょうに。

車載工具の例と思われる写真あるうち，六角レンチ，両口スパナに話を限れば，JISの規格に準じたものを車載工具にしているだけだと思います。アタシは。
JISの規格番号↓
六角レンチ：B4648
両口スパナ：B4630
JISの規格票は権利の関係上，直リンが出来ないので，ここ↓の入口ページで規格番号を検索すれば見ることが出来ます。
http://www.jisc.go.jp/app/JPS/JPSO0020.html

JISの書き方（読み方）でいうと義務になっておらず，推奨レベルの項目もありますが，各部の形状・寸法，機械的性質（硬さや保証トルク）までJISでは定めており，それを外れるとJISを名乗ることが出来ないのですよ。
確かに，スパナ等の工具類は，長い方がゆるめに有利なことが多いです。それは認めます。
ですが，しめる時のトルク量は，ふつーの人間が作業をして十分な適正トルクになるようにJISはなっているわけで，必要以上に長いと過剰トルクになってしまいかえってよくないこともあります。
JIS表示工場の制度は，近年変わりました。また品質保証体系は，旧JISのようなハード主体ものからISO9000のようなソフト重視の考え方に変化してきました。そうは言っても規格は規格としての意味があります。
別の見方としては，車載工具として自動車メーカーが付ける工具にJIS規格外のものを採用するでしょうか？

だいたい自動車メーカーが考えている整備というのはメーカー指定工場で行うものです。車載工具は緊急的な作業に使うものとして考えているのだと思います。従って，いわゆるクルマいじりのための工具じゃないと考えます。指定工場じゃ，用途にフィットした工具を全部揃えていますよ。

車載工具より別売品の工具の方が，使い勝手がよいのは認めます。ただ，それも用途・目的次第でしょう。
KTCなどの国産工具メーカーが出している（標準的な）両口スパナの寸法は，車載工具の両口スパナと同じですよ。そこにメガネレンチを出してきてしまうと，ボルト頭をおさえる箇所の違い，トルク量の違いがあるわけで，同じ比較になりません。
プロフェッショナル工具店と名乗る人が，こういう形で，車載工具を誤解していたり，JIS規格を否定するような言い回しをするのは，どんなものかなぁ，と思ったります。