• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

松本真由美のブログ一覧

2010年06月15日 イイね!

太陽光発電低コスト化へのシナリオ

太陽光発電低コスト化へのシナリオこんにちは。 サッカーW杯の日本―カメルーン戦は見事勝利をおさめましたね!TVを前に興奮の夜でした。岡田ジャパン、夢をどうもありがとう!

さて、きょうは太陽光発電の低コスト化を進める3つのシナリオについて書きますね。 太陽光発電をこれから導入拡大していくために独立行政法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)が、2009年6月に技術研究開発の新ロードマップ「PV2030+」を出しています。

このロードマップには、太陽光発電の導入拡大には低価格化を進めるための3つのシナリオがあります。ひとつは、「高性能で低コスト化」すること。セルの値段が高くても、セルの数を減らせばコストは安くなります。また耐久性が高ければ長期間の発電でコストを回収できます。そのためには、長寿命化、高効率、集光システムの利用などの高性能太陽電池の開発が必要です。

上の写真は、先日見学した山梨県の北杜市にあるメガソーラー(北杜サイト)で実証実験されている集光2軸追尾型(3kW)の太陽光パネルです。追尾型なので、太陽の動きにあわせて動き、レンズを使って太陽光を集め、なんと700倍に高めてから太陽電池で発電します。変換効率は37%と一般の結晶シリコン系の太陽電池の約2倍の効率です。集光システムは、セルの数を大幅に減らすことができるので、モジュールコストに占める原料費の割合もかなり削減されることが期待されています。ただ実用化への道のりは長く、相当時間がかかるようです。

この北杜サイトでは、国内外の9カ国から27種類の太陽電池を導入していて、ひとつのサイトでこれだけの種類がそろっているのは世界でもここだけだそうですから、機会あればぜひ見学してみてくださいね。ちなみに北杜サイトはこんな感じです。



2つめのシナリオは、「新概念で低コスト化」。太陽電池セルそのものの革新的な低価格化を図るというもの。まったく新しい太陽電池の材料の開発や製造プロセスの革新などで低コスト化を進めます。「塗って作れる太陽電池」の「色素増感太陽電池」もここに入ります!

そして3つめは、「システム全体の革新で低コスト化」。スマートグリッドや直流送電、蓄電などとシステム化により低コスト化を図るというシナリオです。将来の太陽光発電のイメージの中での車は、この3つめのシナリオには不可欠な存在です。太陽光発電システムを搭載した家から電気をチャージし蓄電池としての機能も果たすEVやプラグインハイブリッド車、太陽電池を搭載した車など、今もすでに市場には出てはいますが、そうした車の導入を広げていくことが期待されています。

てぃあももさんがコメントしてくれたように、新型プリウスにソーラーベンチレーションシステムがオプション装備されていて、私も注目しています!もしソーラーベンチレーションシステムを搭載されている方がいましたら、使い勝手について率直な感想をぜひ教えてくださいね。

梅雨入りして晴れた青空を逃すのはもったいないねーという話になり、これから研究室の女子メンバーとキャンパスの中庭でランチに行ってきま~す。 皆さんもよい一日を!

追記:中庭にビニールシートを敷いて、プルコギ弁当を食べました。いつもより会話も弾んで楽しい昼休みでした♪
Posted at 2010/06/15 11:55:43 | コメント(11) | トラックバック(0) | 太陽電池 | 日記
2010年06月13日 イイね!

進化する太陽電池

進化する太陽電池おはようございます。 厚い雲が空を覆っていて、きょうはお天気くだり坂になりそう。 さて、先週10日(木)にエコイノベーションとエコビジネスに関する研究会(SPEED研究会)で、太陽光発電に関する講演をさせていただく機会がありました。

テーマは、『進化する太陽光発電~大学での研究開発と利用拡大をめざして』。 対象は企業の環境部の方々でしたが、講演後の質疑応答からも 太陽光発電への関心がかなり高まっていることを感じました。

新聞やTV、雑誌などメディアでも、太陽光発電や太陽電池に話題はずいぶん増えましたよね。 カービューのキーワード検索でも、たくさんの記事がヒットしました。 編集部による記事もさることながら、多くのブロガーの方も関心を持っているんですね!

車においても、ソーラーカーや、これからの分散型電源社会に向けたスマートグリッド構築での 蓄電池の役割としてのEVやプラグインハイブリッドなど、 太陽電池との関わりがこれから増えてくるのはまちがいありません。

CO2の排出を減らした低炭素社会の実現、 またエネルギー自給率わずか4%という日本におけるエネルギーセキュリティの意味からも 再生可能エネルギー(太陽光、風力、地熱、水力など)を用いた発電の導入を拡大していくことは 不可欠だといわれています。

ただ、日本においては、風力、地熱、水力など立地条件にさまざまな課題があるのが現状です。 そうした中、太陽光発電導入へのポテンシャルは大きく、 日本における政府の導入目標は、2020年までに現状の約10~20倍、 2030年には40倍(80GWp)を掲げています。

太陽光発電は裾野の広い産業なので、ベンチャーなど新たな産業が生まれ、雇用が拡大して、新たなビジネスチャンスが広がる可能性は無限大ともいえますね。

急速に拡大している太陽電池市場では、原料のシリコン不足の解消が課題とされています。
ソーラーカーにも搭載されている化合物半導体系太陽電池など、シリコンを使わない太陽電池の研究開発が進められ、導入シェアを加速度的に広げています。

前置きが長くなりましたが、東京大学先端科学技術研究センターは、 政府が2008年から7年間の予定で、産業技術総合研究所つくばセンターとともに革新的太陽電池国際研究拠点として選ばれ、 目標変換効率40%の高効率で低コストのセルの研究開発をしています。

私が所属する瀬川研究室は、今年3月総合科学技術会議による 「最先端研究支援プログラム」にも選定された「色素増感太陽電池」の研究開発をしています。 (私は技術開発にはタッチしていませんが、情報はフォローするようにしています。)

上の写真は、その色素増感太陽電池です。
(※出典:東京大学先端科学技術研究センター瀬川研究室)

シリコンタイプや化合物とは異なり、pn接合(半導体)を使用しないのが大きな特徴です。代わりに酸化チタンの粒子を色素で着色し、電解液の中にセット。色素に光が届くと、この色素から電子とホールが誕生し、電子は酸化チタンへと吸収されて電極から外の回路に出ます。電化製品を経て戻ってきた電子は電解質の溶液を経て色素へ入ります。光を照射された際に半導体ではなく、色素が光を吸収して発電するわけです。

光があれば蓄電しながら発電できるという特性が次世代低コスト太陽電池として注目されています。また、軽量でフレキシブル、着色できるので色のバリエーションも楽しむことができます。屋根置きタイプのモジュールだけではなく、太陽電池の用途がぐっと広がるので、瀬川研では、現在11の企業と19の研究機関とともに研究開発しています。

きょうはプロローグということで、このへんで。太陽電池はさまざまな種類があり、とってもおもしろいテーマなので、これからこのブログでもいろいろな角度から書いていきたいと思っていま~す。
Posted at 2010/06/13 08:53:44 | コメント(8) | トラックバック(0) | 太陽電池 | 日記
スペシャルブログ 自動車評論家&著名人の本音

プロフィール

こんにちは。松本真由美です。 エコやエネルギー問題についてのさまざまなこと、大学での雑感、プライベートの出来事、ご紹介したい人、講演やイベントについてなど...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/9 >>

 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930    

過去のブログ

ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation