ponko2リーマンのブログ一覧

チコさんの告別式は
葬儀場のホームではなく
家族親族の控え室のような12畳ほどの
和室にて行われた

参列者は、マスターとマスターの兄
マスターの両親と常連さん２組ほど
あとマスターのバンド仲間2、3名
そしてオーナー夫妻と私たち家族の
15、6名ほどだった

まだ信じられない私は、マスターに会うと
チコさんのいる部屋に案内された
棺の中には、いつもと変わらない姿の
チコさんが眠っていた

私はマスターの顔を見た途端
堰を切ったように涙が止まらなくなった
マスターに何か言おうとしたが
嗚咽にしかならなかった

マスターは
「ありがとう、ありがとう来てくれて
　ポンちゃんも、ありがとうね
　チコさんはポンちゃんに会いたいと
　いつも携帯の写真見ていたよ
　ごめんね、内緒にしてて」

部屋にはチコさんの店内で流れていた
ボサノヴァが流れていた
葬儀場でボサノヴァは合わないと思うが
不思議とチコさんのいる部屋には
ボサノヴァの曲が心地よく感じられた

葬儀場前に立てられた札には
チコさんの年齢は記載されていなかった

多分、ボサノヴァの曲を流す事
看板や案内には年齢を記載しない事など
生前にマスターへ遺言として言い残していたのだと思った

出棺の時間となり、霊柩車が玄関前に来た
棺を運ぶ人手が足りるか心配していたところ
マスターが一番に私の名を呼び、呼んでくれた

私はすぐにチコさんの棺に行き
胸ポケットから予め用意した写真を出し
「マスター、この写真、チコさんの棺に
　一緒に入れていいかな。。」

写真は、ポンと一緒に撮ったチコさんの写真と、
ポンが口を大きく開けてカレーを頬張る写真、
閉店の日笑顔で見送るチコさんとマスターと私たち家族が写った写真だった

マスターは泣きながら写真を見て
「うん、喜ぶと思う、入れてあげて」
と、許可してくれた

参列者４、５人で棺を運び霊柩車へ入れた
チコさんはとても軽かった

プアーーーーー

マスターが参列者に挨拶し、
チコさんを載せた霊柩車が去って行った


それでもなお、まだ現実とも夢ともわからない

そんな気持ちで見送った