2023年01月28日
1999年の市民劇時代からの演劇仲間である
ひとつ歳上の友達が亡くなった
彼は3年前心筋梗塞になった
今回は2回目だった
22日日曜日の夜に自宅で
「胸が痛い。救急車呼んで。
また(心筋梗塞が)きた!」
と言い胸を押さえていたので、
奥さんが救急車を呼んだ。
その日の当番病院はA病院だったが、
かかりつけはB病院なので
B病院に運んでほしいと頼んだ
奥さんがB病院に電話したところ
「3ヵ月毎の定期検査に半年も通わない人は、
うちの患者じゃありません」
と、断られてしまった
しかしカルテや症状もわかっている
病院が良いので、
何とか主治医に連絡して
B病院でお願いしたいと頼み、
主治医の許可のもとB病院に搬送された
緊急手術を受け、なんとか一命をとりとめた
集中治療室のまま3日後に意識が回復し
なんとかメモでのやりとりができた
しかし4日目の朝に容態が急変し、
午前4時に奥さんのところへ病院から
昏睡状態との連絡を受け
午前5時頃奥さんとお子さんが病室に行った途端、心臓が止まる
果てしなく続く電子音
医者は応急処置、電気ショックなどしなかった
奥さん
「もう(心臓が)動かないんですか?」
先生
「もう動きません」
前回心筋梗塞となった部分の
さらに奥の部分で一番太い血管部分が詰まり
手の施しようがない状態だった
奥さんは自分の仕事を片付けたり、
彼が持っていた仕事関係者への連絡などで
忙しくなり、私ら演劇関係者に連絡が来たのは
土曜日の朝だった
彼が所属している劇団の公演日は明日の日曜日
今回は出演していないが観劇に行く予定だった
劇団員に連絡してしまうと
劇団員が動揺し公演どころではなくなってしまう
ため、公演後に知らせる事にした
コロナの事もあり葬儀は家族葬にした
それまでは市内葬儀場に安置されているから
私たち演劇仲間はいつでも顔を見に来てほしい
とのことだったので、土曜日午前中葬儀に行った
およそ40畳たたみ敷きの部屋の中央で
寝ている彼がいた
彼の顔は日焼けもしていて血色も良く
ただただ眠っている顔
昨年の演劇ワークショップで一緒だった
「また今度一緒に舞台やろうな」
彼はその約束を果たさずに逝ってしまった
奥さん
「この人、一回目の心筋梗塞のあと
3か月おきに定期検査行ってたんだけど
医者に聞いたら、この半年間サボって
行かなかったんだって。。」
それを聞いた私は
「何やってんだよ!お前!何やって。。」
泣きながら叱ったが
当然彼から返事はない
ほんの1年前に話したばかり
顔を見ても信じられない
彼は行きつけのバーのスペースを利用して
「心夜劇情」という芝居イベントをしていた
4年前に始まり昨年第4夜(第4回公演)を終えた
客層は彼の飲み友達や遊び友達
つまり演劇に関わった人はいない
それなのに30名定員で
夜8時、11時、深夜2時の3公演を満杯にした
これは異例であり、我が町の一つの文化として
若者に認知されつつあるイベントだった
彼の功績を、今更ながらに思い知らされる
県内でも希な客層、時間帯で
演劇公演を成し遂げた彼は、
本当に希で貴重な演劇人だった
「ポンコツ!また公演やろうな
お前、演出ばかりじゃなくてもっと役者やれよ
お前の演技、なんつーか、味があるからさ」
そう言われたのを思い出した
49日が終わり少し落ち着いたら
関係者集めてお別れ会のようなイベントをしよう
しんみりした会は好きじゃないだろうな
20年前私が演出し、彼が主役の公演ビデオがある
身体も細く、演技もキレキレだった
笑える芝居だが、彼にはちょうど良いだろう
関係者でそれを観ながら
泣き笑いしながら偲ぶとしよう
Posted at 2023/02/01 12:38:54 | |
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