2023年11月29日
私が大学生の頃
実家に帰省すると乗っていた車
母親が所有していて
母親が週に何度かある総菜屋さんパートへの
通勤用に使用していた車だった
マニュアルで軽快なエンジン音
息子が隣町の友人宅や
海にドライブなどで使用するには
ちょうどよい乗り物だった
冬休み
まだ路面に雪がシャーベット状に残っていた頃
隣町の友人の家に遊びに行くため
ミラを借りた
ラジオしか聞けないため
ラジオを切り、アカペラで歌いながら
田んぼ道を運転していた
中学時代から大好きな尾崎豊の
曲を口ずさみながら
アクセルにも力が入り
まあまあのスピードだった
ゆるいカーブに差し掛かり
私は速度を緩めるため、アクセルを離した
カーブの途中で軽トラックとすれ違ったのだが
その軽トラックが後輪を滑らせながら
車線オーバーしてきた
あわててハンドルを切る私
対向車を寸前で交わしたのは良かったが
そのまま後輪がスリップし、車が真横になった
途端、道の端に山になっていた雪がジャンプ台となり
軽い軽自動車は田んぼの中に
ゴロゴロと転がった
2回転、いや3回転しただろうか
私は運転席で両腕を使い体制を維持した
やがて真横に倒れたまま車が止まった
ドアは助手席側のドアが上だった
やたらと重い助手席のドアを開け
潜水艦から出てくるように横倒しの車の上に出た
車はたんぼの真ん中まで転がっていた
ブウーーン
スリップしながら突っ込んできた軽トラックは
そのまま気づきもせず行ってしまった
これはとにかく通りがかりの車の人から
連絡してもらうしかないか・・・
やがて遠くからダンプカーの音が聞こえ
近くまでやってきた
「どうした、にいちゃん。スリップしたか?」
いかにもという感じの50代半ばのトラック野郎に
助けられ、実家まで運んでもらった
重機の会社に勤めていた親父に連絡すると
すぐに親父の会社仲間が重機と一緒にやってきた
クレーンで吊るし、トラックの背中に乗るミラ
前輪が真横になっており、ステアリングはボロボロだった
「あらら。こんなになっちゃって・・・」
一緒に見ていた母親の目に涙が
対向車のせいとはいえ、対応できるスピードではなかった
私の運転も悪いといえる
大学を出て就職し、まず最初に母親に車を買ってやった
ローンを組んでかってやった中古車
日産セフィーロだった
Posted at 2024/02/26 15:00:25 | |
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