
2008年 リーマンショックで世界中に広がった金融危機、そんな中での監督からのメッセージです。生きる勇気 私のオヤジも自営業なので心に染みました・・・
長文ですがヒマある方は見てください。
「不滅の玉」
ソニーを始めとして、日本を代表する世界的企業の大規模なリストラの嵐が吹きあれてございます。
彼等大企業の経営者たちは、いつだって冷静に判断を下せるのでございます。
超一流の経営者に人並はずれた胆力があるからではございません。
彼等大企業の経営者たちは「経営者」などといっても、ほとんどは創業者であらず「サラリーマン」でございます。
未曾有の大不況で会社が危ない、などと申しましても所詮「他人事」なのでございます。
たとえ会社が潰れようとも中小企業のオヤジと違って自分の財産がどうなるものでもなく、それまでの長い歳月、タップリと豊かな恩恵に預かってきたことを思えばイタくもカユくもないのでございます。
破産してもダンボールを両手に抱えてニコニコしてみせたあのリーマンの社員と、根ッ子は同じでございます。
大企業の経営者が、この不況下で動揺することなく静かに帳簿をニラんで「将来」を見通し、先手を打って「大胆なリストラ」を敢行できるのは「大企業の経営者としての明晰さ」があるからではなく、サラリーマンの成り上がりの「無責任根性」があるからなのでございます。
本年になって30社余りの一部上場企業が倒産しました。
そのなかの誰一人として責任を感じて首をくくった、などという者がおりましょうか。
中小企業のオヤジでは考えられぬ「身の処し方」でございます。
中小企業のオヤジの大多数は、もし倒産などという浮き目にあったら、技ぶりのいい樹にかけたロープに首をかけ、この世からオサラバするしか方策が見あたらないのに、でございます。
中小企業のオヤジは全財産を仕事にブチ込んでおります。
だから倒産すれば即日家族もろとも路頭に迷う身の上なのでございます。
中小企業のオヤジは真面目にコツコツと「良い商品を作り販売する」という、商売の基本に忠実に取り組み勤勉な労働の日々を積み重ねてきた、資本主義の申し子のような「英雄」といってもいい存在でございます。
今、その中小企業のオヤジたちが悲惨な目に会っております。
海の向こうのハーバード卒の「金融詐欺師」のおかげで、突然奈落の底に突き落とされてしまっているのでございます。
国家の危機的状況にあって国を率いるべきリーダーシップは失われております。
自民党やアホウ総理がどうなろうと知ったことではありませんが、国を救い民草を率いるべきリーダーの不在、が悲しいのでございます。
経済界は、ご案内の通り「サラリーマンの成り上がり」者たちばかりでございます。
この困難な状況にあってリーダーたるもの、その信念によるところの言葉で希望の灯をともし、ともすればうちしがれがちな心を鼓舞する役割が期待されますのに「不在」でございます。
前経団連会長でもあるトヨタの奥田某に至っては政府の無為無策を批判するテレビ局やTVキャスターに向かって広告出稿をタテに「復讐してやる」のボケをかますような状態でございます。
世界のトヨタがこうした世迷いごとを言い放つ「ボケ老人」をトップに抱いて恥としない体質であるならば、金融危機以前の「危機」でございましょう。
奥田某にみられるように、現下の危機にあっても日本を代表する企業の経営者たるものが、力強い言葉を発信することが出来ないのは、サラリーマンの無責任根性が抜けないからでございます。
無責任な性根だから「リストラ」の権利を主張しえても義務である「救済」に気配りが出来ないのでございます。
東大をはじめとする有名大学卒の学歴(そんなものはAV男優に限らず、実際の社会ではなんの役にも立たないものなのですが)で世渡りし、派閥の力と多少の運でのし上がったサラリーマン経営者に、リーダーシップを発揮せよ、と撃を飛ばすは「ウサギに飛びなさい」と言うようなことなのでございましょう。
不安が増大し、暴発しそうな今日的状況下にあっては、今こそ中小企業のオヤジの出番でございます。
リストラだ、倒産だ、などといっても中小企業のオヤジはそんなモノは何程のことでもないことを知っています。
中小企業のオヤジはもとより裸一貫、ナイナイづくし、からのスタートでございました。
働けど働けど楽にならず、ジッと手を見る日々を生きて年商一億円の企業を育て上げてきたのでございます。
リストラがなんだ、倒産がなんだ、でございます。
オヤジは働いても働いても借金が増える一方の毎月を、今日只今も耐えしのんで生きているのでございます。
大企業の名経者然として偉ぶっているドチラ様が、裸一貫から始めて年商一億円の企業を作り上げる能力をお持ちでしょうか。
三菱だ三井だと吠えてみても虎の威を借りてのことだけ、彼等のうち何人が独立して企業を起こし年商一億の企業を成立させえるというのでしょうか。
今日の風潮は「金がなければお仕舞いだ」の大合唱でございます。本当に倒産したり、職を失ったりしたらすべてが駄目なのか、中小企業のオヤジに聞こうではありませんか。
オヤジはこう言う筈です。「金じゃなく、勇気がなくなった時すべてを失うのだ」と。
オヤジは挑戦と失敗の物語り、の人生を生きてきたのであります。
やり直すにもやり直す金がない、八方塞がりのなかからの再スタートでした。
知恵がつきました、工夫も出来るようになりました。
くじけず何回もやり直す勇気があったからです。
オヤジは、たとえこれまで使っていた井戸が壊れたり涸れたりすることがあっても、もう駄目だ、と自暴自棄になることはありませんでした。
他で井戸を掘ればいい、と他の場所で井戸を掘る挑戦を止めることはなかったのであります。野球が9回、ゴルフが18ホールある意味をオヤジはよく知っています。
リストラや倒産で、職も無く金も無くなった諸君。中小企業のオヤジに学びましょう。
働いても働いても、いくら働いても増えるのは借金ばかり、それでも明日を信じて勇気を失わず頑張り続けるオヤジの姿に学習するのです。
人生には「今に見てろ」が結実する瞬間が訪れることを信じて。
61歳で紅白歌合戦に初出場する秋元順子さん、彼女のデビューは58歳のときでした。
ケンタッキーフライドチキンのカーネル・サンダースは65歳のとき、無一文となっての再出発で栄光を握んだ男でございます。
今般のノーベル賞を受賞した科学者をご覧なさい。
人類の歴史は「井戸を掘り続ける勇気を失うことがなかった人達」の成功の物語で色採られています。
リストラで途方にくれるあなたさま、「勇気を失わなければ、職や金などいくらでも得られる」ことをよくよく承知して元気をだそうではありませんか。
総理大臣や大金持ちになったからといっても人間、尊敬されるものではないことを最近の日本人は学びました。
人として誇るべきもの、それは金や地位を失なおうともなお敗れることなく、戦い続ける人間の「勇気」であります。
処女や童貞を失なった頃と比べて、格段の進歩をとげている自からの「性歴」に思いを至せば、これまでどれほどの失敗を重ねてきたかと、どちらさまも自分を誉めてやりたい気分ではないでしょうか。
「性」においてかくのごとしであれば「生」においてもかくのごとく、くじけることを知らず生きれる筈でございます。
「金」がなくても「玉」があるさ、でございます。
勇気という「不滅の玉」がどちらさまにも備わっているのでございます。