
先日とても素敵なことがありました。
「好茶点」にはギャラリースペースの下部には、一枚板の透明ガラスが固定された床からの低い窓があります。
それは、ギャラリー特有の壁で創られた閉鎖的な空間にしたくないとの思いで、上部の展示スペースに対し、その下の部分は外部と内部が一体的に繋がっているかのような開放感と、その部分の床面を緑のじゅうたんを敷き詰めたような土手を作り出したかったからです。
窓の高さは、ギャラリーの展示高さ、車道の自動車からの視線と椅子に座ったお客様との視線が合うのを遮る高さ等を考慮してベストな高さを設定しました。
もちろんその高さは、すぐ脇の歩道を通行する歩行者の視線とお客様との視線も遮るようになります。
しかし、この歩行者というのはあくまでも大人であり、子ども(小学生以下)は、お互いに丸見えとなります。
私は子どもたちを、あえて「自然」と同じとして捉え、子どもは見ても見られても良いものとしました。
「好茶点」がOPENした頃は、よく子どもたちが窓に顔をくっつけて店内を覗いていました。
その姿がとても可愛らしく、お客様も子ども達の行動を楽しまれておられるようでした。
私はこの窓をの意味をお客様に説明するとき、『大人になると見えなくなる、子どもの「刻の窓」』と説明しています。
子どもだけが見ることの出来るこの窓から見える店内は、洒落た大人の世界として子どもたちの記憶の中に残ってくれるものと信じています。
そんなある日の午後のこと、いつものように下校途中の二人の小学生が、その窓の外の緑のじゅうたんの上に寝そべって休んでいるんです。
実は、この緑のじゅうたんには少しだけ仕掛けがありまして、斜めに土を盛り上げて緑(龍の髭)が植えてあるので、緑の「小さな土手」のようなのです。
私はこの「小さな土手」で寝転がるのが好きで、春の気持ちの良い風に吹かれながら何度かうたた寝しました。
これは、あくまでも私だけの秘密の楽しみだと思っていましたので、この小学生の行動には驚きと共に、子どもたちには説明は無用なんだなと教えられました。
もっと、子どもたちが自由に遊べる空間を日常生活の中に作らなければと、思いを巡らせた午後の素敵なひと時でした。
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Posted at
2010/10/31 04:07:46