フロントキャリパーのピストン摘出（part2）

フロントキャリパーのピストン摘出方法のその2です。
10年以上前にオーバーホールした時はこの方法で摘出しました。

その時に書いた整備手帳にも同じ方法が記されていますが、自分の復習を兼ねてまた書いておきます。

まずはブレーキホースの固定ボルトを緩めて外します。

写真の部分ですね。
外したら…

…裏に回り込んでスライドピンへの締結ボルトを緩めて外します。
写真の2箇所ですね。
キャリパー（シリンダー部分）が取り外せると思うので…

…キャリパーをオイルパック等の受けにぶっ込みます。
後はこのままピストンが抜けるまでブレーキペダルをポンピングするだけ。

運転席に乗り込みペダルをポンピング…

…出てきましたね。
再び戻ってポンピング…

…もう少しですね。
って事でラスト…

…完全に抜けました。

後は写真の左側に写っているコネクターボルトを外せばキャリパーが分離できるので、そのままオーバーホール手順に従って作業していくだけです。
ただ、この状態でコネクターボルトを緩めようとしても、銅パッキンと固着している事が多いので少し苦戦するケースもあります。
苦戦と言ってもキャリパーが固定されていない事で力が逃げてしまい、結果的に緩め辛いというだけなので、車両に固定されている時点で一旦固着を解いてやる（少し緩めて再締付する）と楽になります。

ボルトを外したら、すぐに漏れ防止の措置。
フロントのように回り止め（位置決め）のあるタイプのホースにも、ラインストッパーは干渉する事なく有効でした。

って事でキャリパー単体。

18年以上使い込んでいるのピストンですが、常に露出している部分に錆が見受けられる程度で、メッキの剥がれもなく問題なく再利用可能な状態でした。

水分を取り込む性質のあるブレーキフルードなので、ここを劣化させない為にも定期交換は大事だなぁと実感。
結局、フロントに関しても今回は中古キャリパーは使用せず、自分のキャリパーをオーバーホールして再利用しました。

って事でフロントもOH済キャリパーASSYの完成。

圧縮エアーが使えない環境で自分の車両から取り外してオーバーホールする場合なんかだと、この方法が一番確実で安全かもしれません。
ピストンが勢いよく飛び出す事も無ければ、傷める事もない。
デメリットは多くのブレーキフルードを消費してしまうという事くらいなので、個人的にはこの方法が一番おすすめです。

多くのフルードを消費するという事で…

…今回はいつものフルードは使わず、近所のホームセンターで買ってきた物を使用しました。
安心のホンダ純正。

サーキット走行前にまた入念エア抜きを兼ねて全量交換するつもりなので、それまでのツナギとして使用させて頂きますm(_ _)m