ここ最近は愛車にナビを取り付け、エアコンフィルターを取り付け、多少は今風な快適仕様になって気分良くしていました。
…が、実は以前から気になっている事がもう1つ。
会社の若手君達が唱える魔法の呪文
「どうしてリモコンでドアロックを解錠しないんですか?」
いつも私が、愛車のドアの鍵穴にキーを差し込んでガチャガチャと施錠したり解錠していると言われる言葉。
20歳ぐらいの若い子達なのですが
リモコンドアロックが付いていない車なんて知らないと言ってます。
それどころかプッシュボタン式エンジンスタート以外の車も見た事が無いとか言ってますし…
もう今の若い子は「AT車しか運転できません!」レベルではないようです。
しかしR32の時代は、まだまだリモコンドアロックなんてなかったんです。
いや…正しくは、まだ世の中には広がっていない時代でした。
だから私の愛車にリモコンドアロックがなくて当たり前。
…と言いたいところですが、
実は私のスカイラインには当時の純正オプションパーツ「リモコンドアロック」が付いているんです。
とはいっても現在主流の無線式ではなく「赤外線式ドアロック」ですが。
あれです。テレビのリモコンと同じ。
少し離れちゃったり、受信部とリモコンの間に障害物があったり、受信部と違う方向に向けてリモコンのスイッチを押しても反応いたしません。

これは、私の愛車に取り付けてある赤外線式リモコンドアロックの取扱説明書です。
ほぼ運転席のドアにピッタリくっ付き、受光部分にリモコンを向けて反応するまで何度かスイッチ押さなければなりませんでした。

早い話がそんなことをやっているより、鍵穴に鍵を差し込んでドアロックを解除した方が早いという何とも言えない仕様でしたが(汗
そんな赤外線式リモコンドアロックも新車購入してから2年ぐらいで作動しなくなりました。
そして現在に至る…です。
20年以上故障したまま放置していたのですが、若手君たちの度重なる暴言のおかげで愛車の赤外線式ドアロックはどうなっちゃっているんだろう?
と思い始めた私です。
とりあえず、運転席ドアの内張りを外してみる。

ぱっと見れば、すぐに赤外線式ドアロックのシステムだと思われる配線やパーツ。
メインとなるのはここですね。

メインユニットや作動音を知らせるブザーー、そして防犯用のブザーもあります。
(一応防犯アラーム付のリモコンドアロックなんです)

そしてこんなところにモーター付きのアクチュエーターが。
なんともまぁ、改めてみると簡単にシステムですね。
確認の意味でちょっとディーラーに行ってどこが壊れているのか調べてもらいました。
結果。メインユニット自体の故障。そしてアクチュエーターのモーター故障。
配線もところどころボロボロになっており、簡単にちぎれそうな状態。
全体的にご臨終でした。
そんなわけで壊れたシステムを車両から取り外してみました。

しかし、今回マジマジとワイヤレスロックの仕組みを見れたおかげで、なんとかなるんじゃないか?と思った私です。
防犯ブザーや作動音の配線やスピーカーを取り除いてみると構造的にはこうなる訳で…

同じ形のドアロックアクチュエーターを手に入れて、ロックとアンロックの配線を制御するメインユニットに繋ぎ、あとは常時電源と車体アースに繋ぐだけ。

要するに、これらに該当するパーツを入手すればよく、違いは赤外線式ではなく無線式リモコンというだけで仕組みも配線も同じでOKなはず。
さて、電動でロック、アンロック操作をするはずのアクチュエーターが故障している以上、どうにかして電動でロック、アンロックをするパーツを入手しなければなりません。
この時代の車に社外品のキーレスシステムを取り付ける場合、一般的にはどんなアクチュエーターを使うのかと言いますと

このようなものだと思います。これはこれで500円ぐらいで入手できますので魅力的なのですが

このタイプのアクチュエーターはロッドに直接接続して、強引に押したり引いたりする仕組みのもの。
毎回、作動する度に強引にロッドを動かすため、私個人としては壊れやすいと思いますし、たぶん作動音もかなり大きい気がします。
500円程で購入できるので調子が悪くなったら何度でも買い換えれば良いのですが、その度にドアをバラして取替えなければならないのは手間です。
私としては最低10年は故障せずに静かに動いて欲しいです。
となると…
ドアロックアクチュエーターは今まで装着していたものと同じものが入手できれば…
純正ですし、正規の方法で作動させる訳ですので耐久性も問題なく、作動音も静かという訳ですね。
がしかし…R32時代のアクチュエーターが現在でも入手できるかが問題。
日産ディーラーに言って聞いてみますと
R32の赤外線式リモコンドアロックに使われていたドアロックアクチュエーターは既に入手不可能。
ただし、
「同じタイプのドアロックアクチュエーターがあります」
なんて事を教えてくれましたのでそれを注文。
一方、メインユニットですが
今までのものはメインユニットもドア内部に設置されていましたが、ドアロックアクチュエーターからの配線をドアから車内まで伸ばし、交換しやすい位置に設置すれば万が一故障してもドアをバラしたりせずに直ぐに交換できますので、お値打ちな社外品でも問題ないと判断して、手頃な値段のリモコン付きキーレスエントリーシステムを購入。

汎用 12V キーレスエントリーシステム リモコン2個付属
2800円
日産純正部品 ドアロックアクチユエーター 80552-61U11
13608円
少し話はズレますが
「キーレスシステム」と
「ワイヤレスキーシステム」と
「リモコンドアロックキー」
これ、何がどう違うのやら…
あれですかね?一昔前アンチロックシステム(ABS)の事を
トヨタが4-ESC
日産が4-WAS
ホンダがWSPとか4w-A.L.B
などと同じ機能の事をいろんな呼び方をしていたのですがそれと同じなのかな?
まぁ、ドアロックのみリモコンでエンジンスタートはキーを差し込んで…って場合は必ずキーが必要なのでキーレスシステムとかワイヤレスキーって言うのは間違いな様な気がしますが。
そんな訳で私は今回の作業に関しては「リモコンドアロック」と呼ぶことにします。
さて、話を戻しまして…

上が24年間愛車に取り付けてあったドアロックアクチュエーター(80552-91L10)
下が今回購入したドアアクチュエーター(80552-61U11)
確かに全く同じ形をしていますね。
(因みに今回、私がやろうとしている作業は元々赤外線式リモコンドアロックの付いていないR32でも勿論可能です)

購入したキーレスエントリーシステムの説明書を読んでみる…
うん。簡単。取り外したものと同じ感じの配線でOK。

唯一加工するのはここのカプラー配線。
ドアロックアクチュエーターに接続端子は4つありますが、必要なのはロックとアンロック用の2本のみ。この2本をキーレスユニットと接続すれば良いだけ。

配線はこんな感じになる訳です。
取り外したワイヤレスシステムと同じです。
ただし、ドア内部はアクチュエーターのみ、後々の事を考えメインユニットは車内、アクセルペダルの右側スペースに。

早速、新しいアクチュエーターをドアに取り付けます。
鏡を使用して位置を確認しながら取り付け。
手がつりそうになったのは内緒。

アクチュエーターからメインユニットまでの2本の配線は、他の配線と同じようにスピーカーの右上あたりからドアの内部にもぐりこませて

新たに穴を開けたり、別で配線を通したりせず、他の配線とまとめて車内に通す。
これで見た目も防水処理も問題なしです。

車内に通した配線は、運転席足元にあるボンネットオープナーの裏側に出てきます。

ドア内部の作業完了です。
今までよりすっきりしました。

内張りを元通り戻してドア部分は終わりです。

次は、純正キーレスと同じようにアンサーバックでハザードを点灯させるための配線処理をしていきます。
コラムカバーを外し左右のウインカー配線に割り込ませます。

さらに純正キーレスと同じようにアンサーバックブザーを取り付けます。
最近の日産車の純正アンサーバックブザーはGT-Rもキューブもリーフも同じものが使われています。
日産ディーラーに行って、「R32に取り付けやすい金具の形状をしたブザーを下さい」とお願いしたところ
25640-1FA7E 3445円
と教えてくれたので早速注文。
Z用のブザーですね。

しかし、ここに配線を接続するコネクタ部分は売ってません。
さてどうしよう?直接ハンダ付けしてシリコンパテかビニールテープで防水処理をするしかないのかな・・・
と悩んでいたのですが、

ホームセンターで似たような形の防水コネクタを発見。
勿論、そのままでは使えませんでしたが、少しずつ削って加工していくと…

ピッタリ接続できちゃいました。
配線問題クリアです。
ただこの製品を使う場合、1つだけ注意する事が。
赤配線と黒配線。普通ならば赤を電源、黒をアースに繋ぐものですが、逆です。
黒を電源、赤をアースに繋がないと鳴りません。専用品でなく汎用品を加工して取り付ける場合の良くある罠ですね。

車内からエンジンルームのブザーまで配線を持って行きます。
アクセルペダルの奥のここからタイヤハウスのカバー裏を通して

エンジンルームのここに出します。

ブザーを取り付けて、配線を接続して完了。
ドアアクチュエーターからの配線
アンサーバック用のウインカーからの配線
アンサーバック用のブザーからの配線
これらをアクセルペダルの右側まで持ってこれたら
次はメインユニット設置のための準備です。

メインユニットを設置するためにステーを用意します。
設置したい場所のサイズに合うように、切断したり、曲げたり。捻ったり…

一本出来上がりました。
同じ様に何本か加工していきます。

そして組み立て…

加工で傷ついたり、塗装が剥げてしまったりした箇所があるので綺麗に塗装します。

メインユニットを設置する予定であるアクセルの右側(カバーを取り外してます)に、作ったステーを設置します。
ピッタリなサイズです。サイズを測って作ったので当たり前ですが。

しっかりと固定されたステーにメインユニットを取り付けます。
そして各配線をメインユニットに接続します。
車体アースは、近くにアースとして使われていたネジに共締め。
残りはメインユニットへの電源。
キーレスシステムなので、エンジン停止時でも作動しなければならないため電源は常時電源。
通常、常時電源といえばバッテリー直接配線なのですが、安全にお手軽にできるということで車内のヒューズBOXから電源を引っ張ってくる事にしました。
キーレスシステムの配線には15Aのヒューズが付属してましたので15Aより大きく常時電源なところ…

ABSのヒューズが常時電源の20Aとなっています。
またABSが作動する可能性のある走行中にキーレスを使用する事はありませんので問題もありません。

そんなわけでここから電源を取ることに。

更に、ここにキーレスユニットに行く常時電源のON、OFFスイッチを取り付けてみました。
滅多に使わないと思いますが、何日も車を動かさずに車庫で駐車している時も時々ありますので、バッテリー保護のためです。
(過去にセキュリティシステムを作動させたまま1週間ほど車に乗らなかったらバッテリーがあがってしまった事が2度ありますので…)
また万が一、リモコンを失くした場合も他人がロック解除したりしないようにキーレスが作動しないようにOFFにしておきます。
そして我が家のチビが家の中からリモコンのボタンを押しまくって遊びそうな予感がしますのでその対策として(笑

ヒューズボックスのカバーとアクセル右側のカバーを元通り取り付ければ完了です。
ユニットや配線などは綺麗に隠れてしまいます。
作動チェックしてみると問題なくきちんと純正のようにアンサーバック(ハサード&ブザー)を伴ってロック&アンロックできました。
また純正アクチュエーターを使ったので作動音はほぼ無いです。
鍵穴にキーを差し込んで施錠や解錠する時と同じ小さな音がするのみです。
純正アクチュエーターは値が張りましたが、静かな作動音と耐久性、後々の事を考えればこれで良かったと思います。
無事、簡単にリモコンドアロックを取り付けることができました。
これでまた一歩、愛車が今風になりました。