鵺（ぬえ）の住む池

私の父方の田舎は旧柳谷村（現久万高原町）でR３３を通って帰省するのですが、子供の頃からいつも気になっていたのがこの標識。
ぬえ伝説の池、赤蔵ヶ池（あぞがいけ）って・・・どんなとこだ？
いつか行ってみようとず～～～っと思ってましたが、
この度ドライブがてら探検に出発。
実は数年前、バイクで向かったのですが、酷い道に雨が降り出して途中で断念した事があります。
もちろん、「ぬえ」が出たら捕獲して見世物に・・・
なんて捕まえる前に喰われるか(-_-;)







絵で見る「ぬえ」ってこんな感じ。
頭がサル、胴体はタヌキ、手足はトラ、尻尾はヘビ。
昔の人は何を思ってこの動物を想像したのか・・・。
胴体のタヌキって・・・もっと他に怖そうなのいるだろ、とも思いましたが
確かにこんなのが山道歩いてて突然飛び出してきたら・・・
かなりビビリます(-_-;)

有名なぬえ伝説は「平家物語」のもので、ざっくり説明すると
平安時代末期、近衛天皇の住む御所・清涼殿に毎夜出没し、気味の悪い鳴き声で天皇を精神疾患に陥らせた「ぬえ」を、妖怪退治の第一人者で弓の達人だった源三位頼政が射殺したという伝説です。
その「ぬえ」が住んでいたのが赤蔵ヶ池で、雲に乗って京の空へ往来していたそうです。



ちなみにこちらの地方では、この地に源頼政の母が住んでいて、京に昇った頼政の武運と源氏再興を赤蔵ヶ池の龍神に祈願したところ、母親は平家への憎悪から「ぬえ」の姿になってしまい、その姿で京に行ったが頼政に射殺されてしまう。しかし、ぬえを見事討った頼政は出世していく・・・と言うような伝説になっているそうです。







 

国道３３号から県道２１０号へ。
最初は民家もあり、ちょっと細めの道なのですが、
奥へ進むと・・・

①所々砂利道で、溝に落ちると腹擦りそう。
②たまにある池への案内標識。見逃すと・・・迷子確実。
③長い間車は通ってない感じで落ち葉に轍無し。
と、伝説の池に向かうのにふさわしい酷道。
なんかワクワクします(^o^)
が、しかし
④最終看板は意外と立派で綺麗(^-^;







池のそばには意外と広い駐車場があり、
「赤蔵ヶ池農村公園」という案内看板が。
一応、公園になってるみたいです。

途中の道が酷くて、秘境への探検隊気分でしたが・・・
現地がここまで整備されてると、ちょっとがっかりかも(^^;
どうせなら古い木の板なんかに毛筆書きで
「ぬえがでる！キケン！」位のほうが楽しいかも(^o^)

とりあえず、駐車場から池まで少し歩きます。










池の畔にはステージのようなものが・・・。
何するとこだ？
黒板があるので、林間学校？
他には東屋やログハウス風のトイレも有り。
ますます秘境から遠ざかって行くような。











赤蔵ヶ池です
周囲は森に囲まれ、水面は水草に覆われ不気味な事この上ない雰囲気です。
たしかにぬえが住んでそう・・・。
夜なんかは絶対近寄れない感じです(-_-)




実は今回、ハンディ魚探と釣竿持って行ってました。
この黄色いのがワイヤレスセンサーフロートで、糸に付けて投げると電波を出して、手元の画面に水深や地形、魚の有無が分るんです。
池にコレを投げて調査してやろうと思ってたんですが・・・
水草に覆われていて断念。
めちゃくちゃ深かったり、生き物の反応が出たら面白かったのに(-_-)
あ、でもぬえって水中に住んでるんじゃなかったような・・・。



今回、残念（当然）ながら「ぬえ」の捕獲はなりませんでした。
が、子供の頃から気になってたけど、わざわざ行くことのなかった「謎の場所」に行くことができ、
ちょっとすっきりしたのでした。