1000キロちょい走り、全開、峠走り込みなど、一通りメニューをこなしたので、皆さんのリクエストも多いインプレを書きます。
前提として、まだ1000キロちょいしか走ってないこと、全開走行もほんの少しという但し書きがあります。
比較対象としては、所有していた987ケイマンS(前期、MT、スポクロ、PASM、スポエギ)、試乗した981ケイマンS、GTS(PDK、非スポーツシャーシ)、991カレラS(PDK、非スポーツシャーシ)など・・・
まず、街乗りでの印象・・・・乗り心地はやはり硬く、981Sとは比較にならないほどで、最近のポルシェとしては硬い987S前期のPASMの2つのモードの中間的な印象。GT4の硬いモードは、パーマネントサーキット専用として、公道では出番が無い雰囲気です。
先日千葉に行ったときの、京葉道、東金、九十九里有料の高速にしては速度の遅く路面が荒れたステージでは、正直この硬さは少々苦痛でした(^_^;)
フロントのアゴの低さは気になりますが、今まで一度も擦ってません。フェラーリF430のが擦りやすいと思います。気を使うのは間違いありませんが、私には問題なし。
シフトフィールは短いストロークで、節度感があり、987までの少し粘りけのあるフィールではなくなり、相変わらずリターンスプリングを硬くし剛性感を演出している雰囲気がありますが、これまで乗ったMTで最高の部類のフィールと感じてます。
一部で言われているギヤ比ですが、下記のエンジン特性のせいか今のところそれ程不満は感じられないものの、まだ峠をレブリミットまで使って攻めてないので、今後印象が変わるかも・・
エンジンは基本カレラSと共通ですが、若干フィールが違う様に感じます。おそらく、理由はミッドマウントと、車重、軽量フライホイール、抜けの良い排気系、絞られた吸排気系などが全般に効いてる雰囲気で、ブリッピングなどはカレラSよりキレが良く、パワー感はカレラSよりトルキー、若干伸びの欠ける高回転域という雰囲気で、981GTSよりパワフルなのはもちろんですが、車重が軽いので、991Sよりトルクフルに感じられ、そのトルク感がトップエンドまで続くという感じ
ブレーキ・・・私のは標準の370mm6ポッドのスチールローター。強力なのは間違い無いと思いますが、峠を攻める時、私はブレーキには余裕を持たせて攻めるので、それほど恩恵に預かれません。サーキットでは987(981も)では容量不足でしたが、GT4は富士だと標準のDOT4フールドでも問題ないかもしれません。
ブレーキで関心するのは、ジャダーが今のところ全くないこと・・・。殆どの370mm超のローターはジュラルミンのベルハウジングにフローティングマウントをするのが普通ですが、このローターは高額な構造にしてないのに、今のところ少なからず大径ローターについてまわるジャダーの雰囲気は感じられません。今後サーキット走行などでどうなるか見ていきます。
高速を走ると、ステアリングフィールでダウンフォースを感じます。速度を増すと操舵感が重くなるのです。もしかしたら、パワステの味付けかもしれませんが、これはヨーを掛けた状況にも当てはまり、ステアした時のヨーモーメントの大きさがステアリングインフォメーションで帰ってくる様な印象。個人的は疲れるので、もう少し軽い方が好み(^_^;)
987で感じた、高速域のボディリフトによる腰高感、不安定感は完全に払拭されてると思われます。
GT直系のサスとステアリングギアボックスの恩恵は、ハンドリングに明確に現れ、正にこのケイマンGT4の最大のハイライト。
981の柔いサスペンションとは一線を画すこのサスペンションは、相当高められたダンピングと低められたライドハイト、そして金属ジョイント化されたことによるフィールが、GT系のステアリングギアボックス相まってダイレクト感を演出します。
ターンインのキレはノーマルのロール感を伴ったスローな印象よりクイックに感じられます。全体に遊びの無さとロール感の無さなどで、よりダイレクトにクイックになってるような印象・・
この印象は攻め込んで行くと徐々に変わり、スタビリティ系の粘りのあるハンドリングに変わりますが、攻めていってもそのライントレース能力は精度が高いまま・・・。限界はすこぶる高く、公道でこのクルマの挙動を乱すのは困難では?と感じる程も、攻め込んで行くとタイトコーナーでは弱アンダーであることが判りますが、それい以上の速度域は公道で試すのは私には無理ですw
基本的に狙ったラインを外すことは無く、読みや予測や操作のミスが無ければ、限界に近い速度域でもターンインで一度ステアしたら、微修正などの必要が無いまま立ち上がっていく感じ・・・
このダイレクト感溢れる正確無比なハンドリングが、ケイマンGT4の最大の特徴と私は感じています。
このスタビリティ系のハンドリングは芦ノ湖スカイラインなどのステージでは、もっとキビキビ感が欲しいと感じます。キビキビ感は987のが有りますが、逆に987に有った不安定感は完全に払拭されてます。
こうして見るとケイマンGT4の本領はこういった速度域で発揮されるもの・・・流していてもそのシャープさが楽しいとは感じられます。しかし、そういったステージではタイヤ含めた全てのスペックがもったいない。
贅沢な注文をするすれば、もっとエンジンの高回転域にキレを・・、ターインをもっとクイックに・・・、という感じでしょか・・
この様に、エンジンや一部に妥協の仕様はありますが、価格を考えると、サーキットや峠を本気で走る人には最高のポルシェと言えるかもしれません。
今後、サーキット等、違ったステージを走ったら、またインプレしたいと思います。
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ポルシェ | 日記
Posted at
2015/11/23 21:26:22