遅ればせながら私も文藝春秋9月号を買って又吉直樹の『火花』をボチボチ読んでますが、思った以上に純文学していて、あまり期待してない芥川賞作品を今回は結構楽しんでいます。本が売れない昨今で本体が200万部超え、文藝春秋が100万部超え、相方にも執筆オファー、まさに文芸バブルとは上手いこと言いました(^^
ピース・又吉の芥川賞受賞で、相方・綾部にも執筆オファー「企画書にはゴーストライターの候補者名も」
【2015年8月11日 おたぽる】
『火花』(文藝春秋)で芥川賞を受賞したピースの又吉直樹には、吉本興業に仕事
の依頼が急増し、まさに“文芸バブル”状態だというが、相方の綾部祐二にもその恩
恵がありそうだ。綾部にも執筆のオファーが届いているという話で、実際にその企
画書を入手した。
タイトルは「仮題」としながらも、綾部の視点で又吉のことを分析するというニ
ュアンスのものが付いており、その内容の構成案には、コンビ結成からブレークま
でのエピソードや、絆を深めた2人の関係、さらに『火花』の物語にも通じる、又
吉の芸人としての苦悩などが項目として挙げられている。
企画書には、実際に執筆するゴーストライターの候補者名や、報酬条件の提案な
ども掲載されている。実際に、これがそのままオファーに使われたかは「詳細を聞
かない条件」で入手したためわからないが、企画書自体は本物だ。
綾部は又吉の受賞時、「これで又吉のアシスタントとして生きていく決心がつき
ました」と自虐的なコメントをして笑いをとっていたが、それも冗談にならないほ
ど『火花』のセールスは群を抜く。
出版不況を吹き飛ばす異例の200万部超えでメガヒットとなっており、全文掲載
した「文藝春秋」(文藝春秋)の特別号も、通常の約2倍以上となる105万3000部
を発行。又吉は、もはやお笑い芸人をやる必要がないほどの大物作家となっており、
本人がどうあれ、周囲が作家としての顔を放っておかないため、しばらくは作家関
連の仕事でいっぱいになる。
「一説には、2年先まで作家としてのスケジュールが埋まったともいわれるほど」
とは、ある出版関係者。
「又吉への新作オファーはハードルが高いとしても、関連書籍を狙っての争奪戦は
すでに始められていて、『火花』の解説本をやりたがっている編集者もいた」(同)
その中で浮上してきたのが綾部の著作というわけだが、これについて、よしもと
クリエイティブ・エージェンシーに問い合わせたところ、意外にもあっさり「そう
した企画がいくつか来たことは確か」と認めており、又吉の文芸バブルに乗っかる
可能性は十分ある。
編集者からは「アンチが口を挟めないところが、便乗商売をするのに好都合」と
いう声もある。
というのも、先日、タレントの和田アキ子が自身のレギュラー番組で「みなさん、
純文学を感じたと言うけど、私は何も感じなかった」と批判したところ、ネット中
から「引っ込んでいろ!」などの猛反発があり、これは『報道ステーション』(テ
レビ朝日)のキャスター古舘伊知郎にも同様の反応があった。
「話題作り先行の出来レース受賞の疑惑があったのも確か。でも、下手なタレント
の深みのない批判コメントが、又吉批判としてはむしろ逆効果だった」と編集者。
これで又吉の作家フィーバーは全面支持の空気となっており、この機に関連書籍
を狙っても批判的に見られないという目論見が成り立った。PR会社の人間に聞いて
も「この盛り上がりは年内は続く」と断言しており、綾部も又吉に続いて本を出せ
ばヒットは確実。柳の下の二匹目のドジョウを狙う争いは、まさに“火花”を散らす。
(文/鈴木雅久)
Posted at 2015/08/12 06:48:23 | |
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