お父さんは『アジアの鉄人』
息子は『アジアの達人』。
な〜んか『鉄人』のほうが
いいなぁって思ってしまうのは
…私だけでしょうか 笑。
室伏「鉄人」から「達人へ」
【日刊スポーツ 2011年8月31日】
36歳325日という大会男子最年長記録で金メダルを獲得した
ハンマー投げの室伏広治が、父重信氏(65)から世界の鉄人
ならぬ「世界の達人」のお墨付きをもらった。
優勝から一夜明け、大邱市内での祝勝会に参加。師匠の父から
「ハンマーの神髄に近づいた」と、投てき技術は神業の領域と
ばかりの絶賛を受けた。
室伏の32歳325日での世界一は、「アジアの鉄人」に衝撃
を与えた。決勝では6本中5本が80メートル超えという圧倒
的な力を見せつけた。41歳まで競技を続け、物理学の観点から
ハンマー投げの研究にいそしんだ父にとっても、室伏の投てき
は別次元に映った。
重信氏:体の使い方が変わってきた。腕に力が入らず、自然な
回転運動。私が目指しているのは慣性(遠心力)の中での加速
です。それは力が入るとなくなってしまう。私が現役時代、ソ
ビエトの選手は力が抜けた投げ方だった。
「こんな動きでそんなに飛んじゃうの?」という感じ。そんな
高いレベルの動きが今の広治にある。
ハンマーの神髄、そこに近づいてきた。
自らハンマーを回して投げるのではなく、回転させたハンマーと
体を自然な流れで一体化させ、その遠心力で宙へと放つ感覚。
選手による外的な力でなく、慣性の力で距離を伸ばす。
競技を極めた男の神業だ。今回の優勝で、室伏は追われる立場と
なった。ライバルたちは躍起になって来年の五輪で巻き返しにく
るはず。そんな状況を踏まえ、重信氏はこう予見した。
重信氏:広治の優勝で周囲のレベルは上がる。82メートルは出し
てくる。ただ、今のものをベースにより確実にしていく。
83メートルまでいけばほかの選手も及ばない。この年齢で優勝す
れば、すごい。我々とレベルが違う。世界の鉄人でしょう。
父の言葉を伝えると、室伏は「また~っ」と表情を崩した。
誰よりも理解ある師匠の賛辞に、喜びもひとしおだ。
世界の鉄人ならぬ「世界の達人」襲名へ。ロンドン五輪へ、
その進化はとどまりそうにない。
Posted at 2011/09/02 22:38:39 | |
トラックバック(0) |
スポーツ | 日記