今度は名門マンチェスター・ユナイテッド〜！
ファーガソン監督からも「私を信じてほしい。ビッグチャレンジになる」とラヴコール。とっても楽しみな23歳。
私も含めて、サッカーファン増えてます♪
「我々はまだ彼の実力の一部しか見ていません。この先もこれまでのようなキャリアを
積むことができれば、彼は偉大な選手の１人になるでしょう」
－ラファエル・ホニグスタイン
【マンチェスター・ユナイテッド 2012年6月12日】
香川、ユナイテッド単独希望だった。
世界中のユナイテッドサポーターが香川真司の移籍が完了する日を待ち望んでいるが、
ブンデスリーガに詳しいラファエル・ホニグスタインが、ユナイテッド初となる日本
人選手を解説する。
ユナイテッドにとって香川選手は良い補強だったでしょうか？
素晴らしい補強だったと思います。数多くのクラブが彼の獲得を目指していたと報じ
られていましたが、今回は選手自身が特定のクラブでプレーしたい気持ちを持ってい
るという稀なケースだったため、ユナイテッドにとっては嬉しい移籍だったと思いま
す。
勿論お金も重要ですが、彼にとってはユナイテッドに移籍することが夢でしたので、
他のクラブには獲得のチャンスがありませんでした。条件的にはユナイテッドに近い
オファーだったと思いますが、香川選手はユナイテッドへの移籍が自分の夢だという
こと、そしてこのチャンスを逃さないぞと心に決めていたのです。あらゆるクラブが
欲しがっていた選手ですので、彼を獲得できたことは、ユナイテッドにとって非常に
良かったと思います。
実際にはどのクラブが興味を持っていたのでしょう？
他のクラブがどれだけ用意していたのかは分かりません。というのは、香川選手と彼
のエージェントはユナイテッドなら移籍するという意志を最初から明確に示していた
からです。ですから、他のクラブはそこまで用意しませんでした。アーセナルとチェ
ルシーは間違いなくチェックしていたと思いますし、レアル・マドリーも随分遅く
なってから彼の実力を見出して接触してきましたが、本人は希望通りにユナイテッド
へ移籍しました。
穿った見方をするのは簡単ですし、一番高い金額をオファーしたクラブへ移籍する選
手も確かにいます。しかし今回は違います。私の知る限り、香川選手は本当にユナイ
テッドへ移籍したいと願っていましたので、他のクラブからのオファーは断っていた
でしょう。
彼の特徴は何でしょうか？
香川はアルイェン・ロッベンやフランク・リベリーのようにボールを持って相手を
脅かすタイプではありません。忍び寄ってくるようなタイプです。スペースを見つ
けて、気付いた時にはもう既にボールを触っているという選手です。
SB の背後にスペースを見つけたり、ダイレクトパスで味方を裏に飛び出させたり
します。相手が香川選手をケアしようと思った時は既に出し抜かれているのです。
これが彼の特徴と言えるでしょう。相手に向かって突っかけていくタイプではあり
ません。純粋なウイングタイプではありませんね。日本代表ではサイドでプレー
していますが、常に中へ切り込む準備が出来ています。また、ドルトムントで彼に
最適だったポジションは、自由で攻撃的なセカンドストライカーでした。左サイド
にスペースを見つけることが多かったですが、右サイドにも出現しましたし、非常
に器用な選手です。
彼がこの先鍛えなければいけない部分はあるでしょうか？
特にありません。必ずしもプレミアリーグの方がブンデスリーガよりもフィジカル
の強さが求められるということはないと思います。走力は求められると思いますが、
ドルトムントもかなり走るチームでしたから、あれ以上走るということは中々ない
と思います。
また、プレーのテンポを合わせやすい選手ですね。空中戦に強いとは言えませんが、
それは今更変えようがありませんし、彼には必要ないでしょう。これ位でしょう。
あとは選手として成長を続けて、安定性が増せば良いと思います。彼が今までプレー
してきたチームは彼にとって理想に近いものでしたし、自分にとって最適のポジ
ションでプレーしてきましたから、ミスを連発するようなことはまずないと思い
ます。ただし、もしこの先ずっとサイドでプレーするというのであれば、相手の
SBを止めなければならないので、少しフィジカルを鍛えなければいけないでしょうね。
ドルトムントの近年の成功において、彼はどの程度重要な存在だったのでしょうか？
1 年目は非常に良い状態でしたが、2011年の1月に怪我をしてしまい、シーズン
終盤に向けて調子を上げてきたチームと一緒にプレーすることができませんでし
た。
ドルトムントが強さを発揮したのは、彼が負傷してからでしたが、それでもリーグ
優勝には不可欠な存在でした。２年目の2011-12シーズンは、間違いなくロベルト・
レヴァンドフスキの次に重要な選手だったと思います。
2011-12 シーズンで、マリオ・ゲッツェは4カ月間プレーできませんでしたが、
香川選手が非常に素晴らしかったので、その抜けた穴は殆どの人が気になりませ
んでした。また、レヴァンドフスキとの相性が最高だったので、上手く彼を引き
立てることができたと思います。先月のDFBカップ決勝、対バイエルン・ミュン
ヘン戦での2点目を是非ご覧いただきたいと思います。全てワンタッチでプレー
していますから、お互いどこにいるのかを直感で理解しているのが分かると思い
ます。
ドイツの生活への順応は、オン・オフ問わず、速やかなものでしたか？
ドルトムントはドイツ国内においてあまり国際的な都市とは言えません。彼が
通っていたお寿司屋さんは１軒だけだったと思います。これだけでも彼がいか
に速やかにオン・オフ問わず順応したかがお分かりかと思います。そしてドル
トムントで２年過ごした後ですから、マンチェスターでの生活に慣れるのは簡
単だと思いますし、それ故にユナイテッドも彼の獲得に乗り気だったのでしょ
う。アジアから直接獲得する時のような不安がないですから。パク・チソンと
同じですね。彼もオランダでプレーしてから移籍したので、簡単だったと思い
ます。
彼のどの特徴がプレミアリーグに順応できることを示していますか？
全ての能力です。彼の人間性はオン・オフ問わず素晴らしいので、誰にでも
好かれますし、誰も彼の悪口を言いません。多少シャイな部分はありますが、
素晴らしいプロ選手ですし、チームメイトとしても素晴らしい選手です。
彼の人間性は最高ですよ。
それに彼の持っているユニークなテクニックが加えれば、まさにプレミア
リーグ向きと言えるでしょう。彼の持ち味であるスピード、ストレートな
プレー、ワンタッチでのプレーはトップレベルのフットボールにおいて役
立つでしょう。更に言えば、まだ若い選手ですので伸びる一方ですし、J2
からブンデスリーガ連覇、そしてユナイテッドへの移籍を短時間で実現さ
せたことを考えると、我々はまだ彼の実力の一部しか見ていないというこ
とになります。
この先もこれまでのようなキャリアを積むことができれば、彼は偉大な選手
の１人になるでしょう。
何も言うことはありません（＾＾/
