ホームランを2試合にほぼ1本、6.86打数に1本の計算でいくと…、65本!うぁ~こりゃ凄い♪
バレンティン56&57号 王超えプロ新記録
【2013年9月16日 日刊スポーツ】
新たな歴史の扉が開いた。ヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手(29)が、
シーズン56本塁打のプロ野球新記録を樹立した。阪神20回戦の1回1死二塁で榎田から左
中間席に56号。3回の第2打席でも左翼ポール際に57号を放ち、記録を更新。来日3年目。
1964年に王貞治(巨人)が「55」に初めて到達してから、49年ぶりに「聖域」と呼ばれ
た記録を塗り替えた。
ついに、歴史が動いた。バレンティンが聖域を超えた。1回1死二塁、相手は阪神榎田。
2ボール1ストライクからの直球を振り抜いた。「どの球種を打ったのか分からない」ぐら
い興奮していたが、手に残る感触で新記録を確信した。バットを放り投げ、両手を広げた。
打球は一直線で左中間へ。大きくバンザイをしながら、56号を見届けた。
花束を受け取り、仲間の1人1人と抱き合った。「チョーキモチイイ!」。日本プロ野球
界で誰も味わったことのない喜びが、体中を貫いた。「神宮で、スワローズファンが見守
る中で歴史を作れて本当にうれしい」と笑顔で言った。
12歳の時、リトルリーグで初めて「ホームラン」の快感を味わった。それから17年後の
今まで、何百、ひょっとすれば何千という本塁打を放ってきた。「何本打ったかは分から
ないよ」と苦笑いしつつも、変わらない信念がある。「勝利につながること。打って喜ばせ
たいんだ」。
生まれ故郷キュラソー島で始まった本塁打物語の「第1号」は、左翼への満塁弾だった。
母アストリットさん(64)は帰りの車中でも大喜びしていた。バレンティンが本塁打を打
ちたい原点が、そこにある。この日、母はバックネット裏で、息子のアーチに再び跳び上
がって喜んだ。ヤクルトファンも、阪神ファンも、バレンティンの偉業に歓喜し、拍手で
たたえた。「今まで打ってきた中で、自分の最高の打席、感覚だった。大好きなお母さん
の前で打ててうれしい」と、思い切り目尻を下げた。
打てる予感はあった。台風が接近し、試合を行えるか不安視されていた。だが、実際は
晴れ間が広がった。中止になれば、本拠地での試合は24日までお預けだった。「今日やれ
るのはお告げ?」と聞かれ「アイ・ホープ・ソー」とニヤリ。右から左と絶好の風に揺ら
れる旗を見て「パーフェクト」とつぶやいた。今日決める。新しい歴史の扉に手を掛けて
4試合目で決めると、心に誓っていた。
重圧から解放されると、もう止まらない。2打席目には「56号を打ってすっきりした気持
ちで打席に入れた」と、2打席連続となる57号を放った。あと何本打てるのか。「何本って
目標はない。今まで通り勝利のためにと念頭に置いて、1打席1打席、最後の打席だと思って
積み重ねていく。そうすれば、おのずと数字は出てくると思う」。まだまだ、新しい歴史の
ページをめくっていく。【浜本卓也】
Posted at 2013/09/17 05:12:25 | |
トラックバック(0) |
スポーツ | 日記