私、この本と出会うまでは犬と猫を比べたら9.5:0.5で圧倒的に犬派だったんですが、この本1/3位読んで7:3位になってきました。作者は吉本隆明の長女、よしもとばななさんのおねーちゃんで、猫の似顔絵師です(笑)←これは凄い、圧巻です!
それでも猫は出かけていく ハルノ宵子
↓コレ読んで、気になり本屋でパラパラ。
↓50匹の猫の似顔絵見たらグラっときて→即購入です(^ ^
それでも猫は出かけていく ハルノ 宵子 著
【2014年6月22日 東京新聞】
著者は、父が詩人で思想家の吉本隆明、妹が作家のよしもとばなな。まず本書に
登場する猫たちを図解した「吉本家の猫相関図」に呆然(ぼうぜん)としてしまう。
キャラクターの描き分け描写も見事だが、五十匹を超える猫の絵を眺めていると、
彼らに費やされた膨大な人間力のすごさに頭が下がる。どれも半端な猫じゃないの
だ。障害のある猫がいるかと思えば、エイズを抱えた猫も少なくない。思想家の愛
猫のフランシス子はカラスにずたずたにされて大手術をうけ、生き延びた強者。
みんな満身創痍(まんしんそうい)の超個性的猫ばかりだ。
そもそも本書の執筆は、アクアマリンのようなブルーアイ、目頭に朱のラインの
入った美猫中の美猫、シロミを拾ったことがきっかけだったという。たぶん事故だ
ろう。尾の付け根の脊髄を損傷、おしっこもウンチも垂れ流しのまま捨てられてい
たのを拾い、以後は壮絶な介護生活。本書はこのシロミとの日々を主軸とした吉本
家の八年間の記録だ。短命のまま死んでいく猫たちを保護し、看取(みと)ろうと
する著者は、さながら野戦病院の看護師のよう。切迫感は隅々に漂っているが、死
の間際まで自由であろうとする猫たちの姿は、崇高としかいいようがない。
読後、野にある無数の命に対する畏怖がこみあげてきた。生き延びることの尊さ。
それを助けることの難しさ。本書の猫たちよ、どうか生き延びてほしい!
(幻冬舎・1620円)
はるの・よいこ 1957年生まれ。漫画家。著書『虹の王国』『開店休業』など。

Posted at 2014/06/24 05:35:00 | |
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