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イイね!
2017年09月20日

M16AエンジンO/H(その2)

M16AエンジンO/H(その2) (その1)に書いた作業ごとの画像記録です。
既にエンジンを降ろし、エンジンスタンドに乗っている状態。オイルパンを外して下のクランク側から見てる様子。
コンロッドの固定を外してピストンを押すことで、反対側からピストンが出てきます。


出てきたピストンを見てビックリ、黒い!、カーボンびっしり、スカート部分の汚れも酷い。


これは経年劣化もあるけど、恐らくEGRの影響だろうとのこと。排気再循環です。外部EGR装置はECUによって開閉を制御しており、酸素を含まない排ガスを再燃焼させることで寒い日の始動性や燃費に貢献します。反面、燃えカスをまた燃焼室に送るのだから汚れるし、パワー的にはマイナスになります。

工場長から遮閉板作ろうか?と提案がありましたが、この再循環の仕組みはバルブを両方開いて内部で循環させる方式(内部EGR)としてECUが制御するケースもあり完全には止められないし、外部EGR装置の状態はECUが監視していて流量が少なかったりバルブが動作してなかったりすれば、エラーコードを吐いて警告灯が点灯するはずです(コードの存在を確認しました)。EGR殺せば汚れずメリットありそうですがやめておくことにしました。アクセル全開時にEGRのバルブを開くような制御はしないだろうからパワーアップするとは限りませんし。

シリンダー上部にもカーボンが積層されています。


でもプロの手にかかればしっかり除去されています。


ピストンだってすべすべになりました。ちなみにこのピストンは鍛造製品で、32のピストンは鋳造とのこと。すでに31のピストンは部品として廃番になっており、純正品手配の折には32用が使われるようです。


鍛造品の方が強いでしょうが、32用は重量が軽量化されており、その分慣性的に有利です。
何せピストンの動きって上死点と下死点では速度ゼロになるのに、その中間では高回転時に時速60キロ位で上下移動しているのです。それを何千回/分も繰り返すのだから、ほんの僅かな重量の違いでも影響は出てくるでしょう。

ピストン交換した方がメリットありそうでしたが、純正部品と言えど結構な出費となるため、この綺麗にしてもらったピストンにリングだけ新品交換して使うことにしました。


上の画像、一番手前のコンロッドに比べ中央の2本は縦方向に光ってるのが判ると思いますが、重量合わせのために削っています。依頼もしていないのに別の整備士の方がやってくれたようで、この辺りに技術者魂を感じます♪

ヘッド側です。燃焼室が黒い丸に見えます。


洗浄するとヘッド側燃焼室は円形じゃなかったことが判ります。


各バルブに番号振っていますが、これはバルブシートカットを行った後なので、それぞれのバルブが入れ替わらないようにしています。シートカットって別工場に依頼し専用の機械でシート部分を削るのだそうです。昔はコンパウンドつけてバルブの擦り合わせをやったことありますが、今はそんなことしないんだそうです。ちなみにヘッドの面研加工はやっていません。

右が1型のバルブスプリング、左が2型以降の強化品です。


エキゾーストバルブですが、ちまたで言われているような径が小さくなるような削れ方はしていなかったものの、軸が曲がっていました。転がすと一目瞭然、曲がっていないのは1~2本だけ。


原因は恐らくこれ。洗浄後も残るピストン表面の傷。エキゾースト側バルブとピストンがぶつかった証拠です。

自分では認識がないんですが、恐らくサーキット走行時(減速時)にオーバーレブとなり、サージングを起こし開くはずのないタイミングで開いてしまったバルブにピストンがゴンと当たったようです。バルブスプリングが弱いとこういうことが起こります。

一本一本バルブにスプリングをかまして組み込み。


バルタイを標準調整(万が一ズレた時のためにマーカー入れて貰っています)。


シムを入れ替えタペット調整。


シリンダーブロックとヘッドの間に入れたガスケットの張り出し部分にメーカーロゴが見えます。エンジン乗せた後はまず見えない位置です(゚∀゚)。


ヘッドカバーを取り付け。


インジェクションやハーネスを復元、クーラントを通すパイプなどは脱着でクラックが入ったりするので必要に応じ新品交換です。


以上、O/Hの全容でした。LSDオーバーホールやクラッチ交換は割愛しました。
で、この間にECUデータの書き換えを依頼し、車両に乗せたエンジンで初期化→学習をさせますが、アイドリングが安定せず信号待ちでH&Tが必要な状態になりました。

この状態でインパクト走行会を走ったのでスタート時には、エンストしないことに集中していたのです。
結果としてエンジンは体感できるような変化はないものの、本来の圧縮を取り戻したことは間違いありません。32に対しても直線で負けてはいなかったし、レブリミットも8000とし1型のハンディはこれで解消されたと思います。


その後、ECUのアイドリングデータを再度書き直し、非常に長時間にわたる学習によって、何とかエンストせず乗れる車になりました。



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Posted at 2017/09/20 02:41:53

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この記事へのコメント

2017年9月20日 20:55
インパクトの時点でエンジンOHしてたんですか!!
全然知らなかった…

結構変わりました?
コメントへの返答
2017年9月20日 22:49
フフ、だから一本目(早得)でりゅうじ君にホームで抜き去られた時は愕然としたんです。
遅くなっとるんかい、って思ったらエアコン・・・(笑)
ファイナルやフライホイール効果で加速がいいはずのりゅうじ君と決勝のホームで全く同等だったので、(以前だったら引き離されていた筈)効果はあったかなと、逆に言えばその程度なので体感できません。
2017年9月21日 10:38
やはり! ギヤ交換だけでは無かった(^_-)

エンジン 駆動系 リフレッシュ おめでとうございます♫ 凄く🚙愛してますね〜( ͡° ͜ʖ ͡°)

EGRの関係でどの位カーボン溜まりやすいかは、解りませんが、先般 10年 450000キロ ノントラブル(エンジン本体は)の営業フィットのエンジン内バラした部品を手に取りみましたが、メチャメチャ綺麗でした! 傷みやすいベアリングも生きてましたヨ!

エンジンオイルの種類 ノミで、内部を保つモノも有りますね!


コメントへの返答
2017年9月21日 11:58
ギアの件は整備手帳に別途あげます。
そーですか、自分のエンジンまだ10万キロにも届いていないのに汚れすぎかな。
EGRの影響か排気バルブの曲がりが原因だと思うけど、メーカーの綿密な設計を無視して勝手な改造を施し、規程回転数も超えて回したりしているんだから、EGR制御プログラムにとっても想定外なのでしょう。
お行儀良く走っているスイフトは距離延びてもノントラブルってケースが多いですもんねー。

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「[整備] #RS3 エアフィルター&プラグ交換 https://minkara.carview.co.jp/userid/858803/car/2988341/6626606/note.aspx
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