前編の続きです。
前日の全便欠航から想定はしていても、いざ現実となるとショックです。
冷静になって整理をしてみます。
最も行きたかった礼文島のスコトン岬・ゴロタ岬は、もはや臨時便を使っても不可能。
ハイドラ的には3箇所のCPのうち、2箇所の空港の優先度は低く、利尻島の
甘露泉水(名水)さえ獲れればOK。
6日目 … 6月17日(月)
大荒れの海。
こんな状況で運航するハートランドフェリーって凄い。

結局、車は駐車場でお留守番です。
フェリーターミナルの方にレンタカー会社を紹介してもらったのが決め手で、臨時便に単身での乗船を決意しました。
出費は 54,730円 → 15,680円(レンタカー代含む)に削減。
1等ラウンジ席(指定席)を確保。

2等自由席なら稚内~利尻島は5,000円で往復出来ますが、前日の全便欠航、この日の1便2便欠航のため物凄い混雑でした。
ちなみに船は大揺れです。
スタビライザーで横揺れは減らせても、縦揺れはどうしようもありません。
近くの席に座っていた人は本当に辛そうで、席を離れたと思ったら二度と戻ってくることはありませんでした…。
利尻島に近付くと、外の様子に変化が現れます。
海の駅 おしどまり [
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鴛泊フェリーターミナルは「海の駅」に登録の新しい施設でした。
お土産や食事も充実しており、待ち時間も楽しく過ごせそうです。
って、それよりも青空ですよ。
稚内から約50kmあるとはいえ、ここまで違うものなのか。
俄然テンションが上がってきました。
売店にレンタカー会社が並んでいます。

お借りした
まごころレンタカーは5,500円/3時間で、保険とガソリン代込み(給油不要)でした。
注意点として念を押されるのは、ドアの破損=30,000円の請求。
常に強風の利尻島では、気を付けないと簡単にドアが壊れるそうです。
前日の宗谷岬を体験しているので、大袈裟でもなんでもないのが分かります。
それはそうと2時間しかありません。
サクッとCPを回収して、少しでも多くのスポットを回ります。

名水、空港ともに電波は問題なし。
写真は利尻空港ですが、残念ながら利尻富士の山頂は確認できず。
夕日ヶ丘展望台 [
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名前通り夕日の名所のようですが、青空のおかげで吹き抜ける風が爽快。
真っ青な海に浮かぶこの島は、ポンモシリ島というそうです。

強風で波が高い。
でも強風のおかげで、利尻富士を隠していた雲が流れています。

これは次の場所も期待出来るかもしれない。
姫沼 [
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利尻島の代表的な景勝地の一つ、姫沼から眺める利尻富士(国土地理院の表記は利尻山)
上の写真だと小さく感じるかもしれませんが、現地での距離感はこれぐらい。

利尻富士の名前は知っていても、こんなにも美しい山だとは思わなかったです。
しかし2時間は本当にあっという間。
最後は港からすぐの
ペシ岬を訪れることにしました。

現地で目にすると、殆どの人が頂部に立ちたくなるのではないかと思います。
この時点で時間の猶予は約30分。
片道が約20分らしく、厳しいのは承知の上で限界まで登るつもりでした。
ところが駐車場が見つからず、捜している間にタイムオーバー。
帰宅後に調べると
駐車場は無いそうです…なんてこったい。
帰りのフェリーが到着しました。

思わぬ青空のおかげで楽しめたものの、青空だからこそ滞在時間が残念です。
稚内港に戻ると、こちらの天候も回復。

最大の不安要素は去りました。
台風一過ではないけど、明日からの天候は大いに期待できそうです。
7日目 … 6月18日(火)
曇天で強風のサロベツ原野。

期待させて突き落とす。
まるで人生の縮図のようだ。
幌延ビジターセンター展望台 [
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上の写真は最上部からの撮影でしたが、風が強くて怖いのなんの。
北海道道106号稚内天塩線は、永遠に続くかのような直線道路。

こんな曇天下にあっても、やはり別格とすらいえる快走路でした。
萌える天北オロロンルートという謎の名称もあるようです。
サロベツ原野駐車公園 [
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3.1kmの区間に28基が並ぶ、オトンルイ風力発電所の風車群。
オトンルイはアイヌ語で「浜にある道」という意味だそうです。
ここから先は道の駅を3連発。
道の駅 富士見 [
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道の駅 ☆ロマン街道しょさんべつ [
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道の駅 ほっと・はぼろ [
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3箇所とも2014年にすぐ横を走っていながら、CP獲得に失敗した因縁の場所。
当時は「北海道の道の駅コンプ」なんて全く考えておらず、「獲れなかったけど、まあいいか」が失敗の真相と言えなくもない(自業自得)
次は深川留萌自動車道を走って、目的地のある旭川市までワープ。
神居古潭 [
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カムイコタンはアイヌ語で「神の住む場所」を意味する神聖な場所。
石狩川の流れは、上川盆地から石狩平野へと渓谷を経て繋がります。

急激に狭くなる渓谷が急流を生みため、水上交通を要としていたアイヌにとっての難所だっだそうです。
通過時に神に安全を祈ることが、後の地名になったとの説もあります。

現代においては、旭川八景に選定される美しい渓谷。
さあ、次に訪れるのは正真正銘の因縁の地。
ニコラスタワー [
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2014年に訪れていながら、門から先に進めずCP獲得に失敗。
しかしその後「CPの反応範囲が広がった」との噂が流れました。
今回は無事に獲得したのですが…これ、全然変わってないと思います。
前回との違いは単純に
門が開いていて先に進めたこと。

門の手前では全く反応しなかったので、訪れる方はパーク開園時間の確認をおすすめします。
珍しいロータリー交差点の
旭川常盤ロータリー。

一般的な環状交差点は「環道内の車両通行が優先」なのに対し、旭川は「侵入する車が優先」らしい?(真偽不明)
さらに国道40号からの出入りには信号があったり、歩行者が居なければ赤信号で出ても良い等、正直言って何が何やらわかりません(^^;
難所の交差点を抜けると、北海道三大名橋の一つ
旭橋を渡ります。

一部の溶接と32万本のリベットで強度を確保し、温度変化にも耐えうる構造になっているそうです。
この先は国道39号を西に進み、上川町まで大雪国道と呼ばれる区間を走行。

石狩川沿いの約24kmに渡る断崖絶壁の層雲峡。
爽快ドライブは、北海道有数の規模を誇る温泉街「層雲峡温泉」まで続きました。
大雪山層雲峡・黒岳ロープウェイ [
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軽めの食事に立ち寄ったのですが、折角なので5合目のレストハウスで食べることにしました。
約7分間で標高1,300m地点まで到着。

レストハウス黒岳の屋上展望台から、標高1,984mの黒岳を撮影。
7合目まではリフトが出ており、黒岳の頂上まで約2時間だそうです。
大雪山系といえば上級者向けのイメージがあります。
でも黒岳は初心者でも登れるらしく、機会があれば挑戦してみたいと強く思いました。
北海道のスケールに圧倒された時間。
次はモフモフの時間です。
北きつね牧場 [
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サブプランだったのですが、余り気味の時間調整で訪問。
「宮城蔵王キツネ村」以来のモフモフ天国。

冬毛から夏毛へ変わった時期なのでスリムに見えます。
君はずいぶんとモフモフだな!

タヌキに化けたキツネさん。
糠平館観光ホテル [
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「ぬかびら源泉郷」のホテルが本日の宿。
建物の老朽化は否めないものの、スタッフや食事のレベルは高かったです。
そして何より源泉掛け流しの温泉は最高でした。
8日目 … 6月19日(水)
北海道の夜明けは早く、この日の日の出は3時55分。
午前5時、フロントに鍵を預けての外出。

目的地である隣の建物に、徒歩2分で到着しました。
糠平温泉文化ホール [
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予約をしておいた
旧国鉄士幌線 アーチ橋見学ツアーの集合場所です。
参加するのは、午前5時30分~の
早朝タウシュベツ橋ツアー。
風の穏やかな早朝は、湖面に写る橋梁を撮影できる確率が高いそうです。

噂の黄色い長靴を履いて準備完了。
参加者8人の2台体制で出発すると、約15分で施錠されたゲートに到着。

2009年以降、許可された車輌のみ通行可能とのこと。
一般への許可と鍵の貸し出し(十勝西部森林管理署東大雪支所)もありますが、数に限りがあるため確実ではないそうです。
何よりの問題はヒグマの生息地であること。

ツアーでの訪問が安心安全で確実だと思います。
糠平湖の湖底で鹿が草を食べていました。

今年は極端に水が少なく、湖底に草が生えること自体が異例なのだそうです。
タウシュベツ川橋梁 [
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ガイドの方の説明を受けながら湖底を歩くと、やがて橋が姿を現しました。
1939年、日本国有鉄道がタウシュベツ川に士幌線を架橋。

1955年、糠平ダム建設により湖を避けるルートに変更したが、橋梁はそのままに取り残される。
1987年、士幌線全線が廃止。

2003年、十勝沖地震により大きなダメージを受け、中央部を中心に崩落。
数年前からは毎年「今年が最後の繋がった状態」と言われているそうです。

補修や補強は考えられておらず、いつか朽ち果てるその時を待つのみ。
水の少ない時期にのみ現れるため、
幻の橋とも称されるタウシュベツ川橋梁。

本当の意味での幻になる前に、興味のある方は早めの訪問をおすすめします。
今回の北海道の旅は、この日が現地での最終日でした。
最終日に最高の場所を訪れられたこと。
上手くいかないこともありましたが、全体的に見れば「満足な旅だった」と自信を持って言えます。
夜には舞鶴行きの船に乗船です。
この日だけは詳細な計画を用意せず、北の大地を思うがままに走る予定でした。
でも最後に一箇所だけ、予め決めていたスポットに立ち寄ります。
ナイタイ高原牧場 [
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1972年に国営事業として完成した日本一広い公共牧場。
総面積は約1,700ha(東京ドーム358個分)
でも、そんな数字はどうでも良いです。

もはや現実味のない光景。
北海道に来ると、あらゆるスケール感が麻痺します。

そして心配になります。
またこれから暫く、どんな景色を見ても感動できなくなる。
ふと現実に戻ると、お土産を買っていないことを思い出しました。
白い恋人パーク [
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定番ですが、美味しさを信頼できるのは利点ですね。
空港では買えないという「i・ガトー」を大量購入。
あとは小樽に戻るだけですが、出港までの時間が余り過ぎて悩みます。
自分の場合、きっちり計画を立てた方が上手く行くと実感しました。
島武意海岸 [
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せっかく天気が良いので、積丹ブルーの積丹岬を訪問。
写真だと色が飛んで見えますが、現地で目にしたのは2014年の驚きを再現する碧い海。
天狗山 [
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最後のスポットは、小樽の市街地を一望できる天狗山。
夜景を見ようと訪れたのですが、乗船前に温泉に入ることにしたため、これが最後の写真です。
新日本海フェリー 小樽フェリーターミナル [
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海の玄関をイメージしているという、巨大な門構えのターミナル。
これから乗船する「あかしあ」を撮影。

明朝に目を覚ます場所は、既に北海道から遥か離れていると思うと寂しい。
復路の部屋は「ステートB」に変更しました。

エアコンと洗面台が付いており、ドアを施錠できるので荷物の心配が不要。
「ツーリストS」と比べると、3,000円の差額とは思えないほど快適です。(期間によっては1人での利用時に貸切料金が必要)
9日目 … 6月20日(木)
船内スペシャルイベントは The Nature Voices による生演奏。

フルート・サックス奏者とキーボードのユニットでした。
往路では気付かなかったフォワードサロン。

物凄く個人的な話ですが、仕事目線で配置や構造を見てしまうので、イマイチ寛げないという罠。
日常と異なる時間は、何故こんなにも早く進むのだろう。

オープンデッキではなく、敢えて部屋の窓から撮影してみました。
最後に今回の成果です。

神様バッジ8個は上々の成果ですが、本来の計画は神様10個でした。
去年の8月に
肋骨の折れた状態で強行したのも、北海道での完結に繋がる道筋だったからなんです。
しかし続く1月「オートサロン便乗旅」と、4月「隠岐諸島の旅」の両方が流れたため、準備が整わないまま出発の日を迎えてしまいました。
考えていた集大成にならず、利尻・礼文に関してはほぼ失敗。
そういうわけで、まだ最終回じゃないぞよ。
もうちっとだけ続くんじゃ。