![ロマン通信2013(368)「“フルタイム4WD”と、“ATTESA(アテーサ)”」 ロマン通信2013(368)「“フルタイム4WD”と、“ATTESA(アテーサ)”」](https://cdn.snsimg.carview.co.jp/minkara/blog/000/031/450/282/31450282/p1m.jpg?ct=026cf7bb1a1c)
※ココでは、実際に市販されたシステムについて書いております。
【生活4WDの誕生・・・フルタイムの一般化】
◆1986年、日産初のフルタイム4WDシステムとしてビスカス(粘性)カップリング方式の「フルオート・フルタイム4WD」を発表しました。
(初めはパルサーに搭載)
まだ、この当時のフルタイム4WD(国産車)は日産の他に
1985年 マツダ(センターデファレンシャル[以後デフ]・メカニカルデフロック方式。ファミリアに搭載)
1986年 富士重工業(同様。レオーネクーペRX/Ⅱに搭載)
の2社しかなく、システムは一般的なセンターデフ方式でした。
この後に、トヨタが「セリカGT-FOUR(ST165)」を発表しますが…185psの3S-GTEを搭載する関係でセンターデフ方式でした。
(翌年のMCでビスカスカップリングを追加)
次いで、ホンダがビスカスカップリング方式の「リアルタイム4WD」をシビックシャトルに。
富士重工が第2弾として、ワンボックス用の…ワンウェイクラッチを使った「フリーランニング方式」をドミンゴに搭載しております。
それ以降も三菱(ランサーワゴン)、スズキ(アルトワークスRS/R)、富士重工(レックス/レックスコンビ・ツインビスコ4WD)、ダイハツ(ミラターボ)が参入し。。。
これまでの、悪路走破性に重点を置いた「パートタイム」 プラス
日常のオンロードでも安定した走行が可能となる「フルタイム(常時)」が選択出来るようになったのです。
パートタイムの直結とは違って、駆動トルクは低くなりましたが…切り替えの煩わしさが無くなったのが最大のメリットですよね!?
パートタイムの「タイトコーナーブレーキング現象」と同じように、フルタイム(センターデフ)にも弱点があります。
機構の特性上、雪道や悪路等の摩擦係数の低い路面で、1輪が空転した場合、他の車輪の駆動力も減少してしまうのです。
(つまり、駆動力がゼロに陥るのです)
それを補うために、一時的に直結状態にするデフロックが必要となります。
(初期のタイプにはデフロックスイッチが付いていました)
その煩わしさも無くしたのが、ビスカスカップリング!
センターデフを持たないので構造がシンプルに出来、アンダーパワーな小型車用の4WDにはもってこいでした。
おまけに自動的にビスカスカップリングが駆動力も制御してくれるので、前述のデメリットも皆無です。
それを、日産は「フルオート・フルタイム4WD」と命名したのです♪
同時に2WD車へのビスカスカップリング採用にも積極的であり…
その特性を利用してLSD機能を持たせました。
そんな「技術の日産」ですから。。。
「フルオート・フルタイム」も、従来のセンターに加え前後デフもビスカスカップリング(LSD)にした
「トリプルビスカス・フルオート・フルタイム4WD」を1987年に発表し、それに4輪アンチスキッドブレーキシステムを組み合わせた高度なシステムも実現化しました。
(1988年には、ホンダも同様に「イントラック(リアルタイム4WD&A.L.B)」を発表します)
◆時代の流れと共に、フルタイム4WDも電子制御化され、AT専用システムとして
富士重工が「アクティブ・トルクスプリット4WD」をフラット6のアルシオーネVXに初搭載、
(これまでの、レオーネ用は「MP-T(マルチプレート・トランスファ)」で、AUTOモードではフルタイムに近い状態となりますが、基本はパートタイムでした)
トヨタも90系カローラ/スプリンターに追加で「ハイマチック4WD(AT用。MT用はセンターデフ)」を発表しています。
(以降中略)
最近は。。。
高性能車が「電子制御センターデフ式」、軽自動車は「ビスカスカップリング式」、ハイブリッド車は「電気モーター」、小型車やミニバン系は「電子制御スタンバイ式」となっています。
【4輪駆動力最適制御システム「アテーサ(ATTESA)」】
◎「ATTESA(アテーサ)」:イタリア語で“予期・期待”を意味する言葉です。
ATTESA=「Advanced・Total・Traction・Engineering・System・for・All」
◆1987年10月。
「フルオート・フルタイム」で自信をつけた?日産は、次いで高性能化を追求し、それをU12型ブルーバードに搭載しました。
「ビスカスカップリング付きセンターデフ式フルタイム4WD」
従来のセンターデフ方式のデメリットは前述の通りですが、ビスカスカップリングのノウハウも十分持っているメーカーはそれを利用しない手はありません!
つまり「フルオート・フルタイム4WD第3弾」
現在では一般化してしまったセンターデフ&ビスカスカップリングですが…
当時はメカニカルデフロックが当たり前でした。
それを日産がビスカスカップリングで解消し、そのうえリヤにもビスカスLSDを組み合わせてツインカムパワー(175psのCA18DET、135psのCA18DE)でも安定した走行が出来るスポーツ4WDが誕生したのです。
(↑これ(リヤビスカスLSD付き)はSSSシリーズで、標準のアーバンサルーンシリーズ(88psのCA18i)はリヤビスカスLSDを持たないタイプです)
【U12型ブルーバード“アテーサ”】
《CA18DET(175ps)》
SSSアテーサ・リミテッド(5MT/4AT)
《CA18DE(135ps)》
SSSアテーサ(同)
《CA18i(88ps)》
XEアテーサ(同)
SEアテーサ(同)
※《CA18DET-R(185ps)》
SSS-R(セダンのみ。5MT)
◎これは前期型のラインアップです。
◆中でも「SSSアテーサ系」は、セリカGT-FOUR・ギャランVR-4・レガシィRSらと共にスポーツ4WDの基礎となり。。。
国内外のラリーシーンで活躍する事となるのです
![ウッシッシ](/images/emoji/i13x12-F9F8.gif)
ブログ一覧 | 日記
![](/user/css/images/icon_keitai_1112.gif)
Posted at
2013/10/23 22:52:03