2012年01月03日
ファイナルギア変更その①~ギア比計算編~
久しぶりの連載ものです。
写真はhttp://www.nismo.co.jp/より参照させて頂きました。
ファイナル変更って、ニスモ6速等のクロスミッション化よりはお手軽であるものの、一般ユーザからすればそうそうお手軽に交換できるものではないと思います。
これからファイナル変更を検討される方の少しでもお役に立てればと思います。m(_ _)m
私のS15は2年ほど前にスペックRのMT純正ファイナルの3.692から
スペックRのAT純正ファイナル3.916に変更しました。
ブーストアップもしてないノーマルパワー、純正ミッション、純正ファイナルでがんばってきたわけですが、
エビスでロデックス師匠のレッスンを受けたとき、
「ファイナル換えたいな~」
という師匠のお言葉。。。ファイナル変更とか特に何も考えていなかったので、
「ファイナル換えるとどうなるの??」
全くわかりませんでした。
私が経験したファイナル変更は、グランツーリスモだけで。。。(^-^;
ファイナルを換えると最高速が変わるってのは知っていたんですが、
「2速、3速しか使わないミニサーキットで何が変わるの??」
おいそれと変更できないだけに、いろいろと検討しました。
まず、勘違いしがちなことですが、
「ファイナル変更は、クロスミッション化とは似て非なるもの」
です。
よく、
「ファイナル換えると、クロス化する」
と言っている人がいますが、違います。クロス化はしません。
この違いを説明するのが難しいですが、後述する計算を一度やってみてください。
「ファイナル変更しても、変速時の回転数ドロップは1rpmたりとも変わらない。」
例えば、S15の場合、2速7000rpmから3速にシフトすると、3速になったときの回転数は4904rpmです。
これは例えファイナルを 4.1 や 4.9 に変更しても4904rpmのままです。
「じゃぁ、なんでファイナル変更するの??意味あるの??」
私もそう思いました。
理解を深めて頂くために、減速比の計算方法を紹介します。
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車両はS15で考えます。
他の車種でもそうですが、エンジン回転数は、マニュアルトランスミッションで減速され、
プロペラシャフトを介した後、ファイナルギアで減速されてリアの車軸(ドライブシャフト)の回転数となります。
S15の純正6速の減速比(正確には6速は増速してますので、変速比が適切かな。)は、
1速: 3.6264
2速: 2.2000
3速: 1.5412
4速: 1.2312
5速: 1.0000
6速: 0.7674
です。
ファイナルギアでの減速比は3.692です。
ギア比は、
「入力軸が何回転したときに、出力軸が1回転するか」
という意味の数字です。
例えば、1速(3.6264)のときは、
エンジン(入力軸)が3.6264回転したときに、プロペラシャフト(出力軸)が1回転する。
ということになります。
ファイナル減速比(3.692)は、
プロペラシャフト(入力軸)が3.692回転したときに、ドライブシャフト(出力軸)が1回転する。
ということです。
以上より、エンジン回転数とドライブシャフトの回転数の関係は"掛け算"になり、
これを便宜上、「トータル減速比」と呼ぶことにします。
トータル減速比=トランスミッションでの減速比×ファイナル減速比
このトータル減速比を利用すれば、
エンジン回転数[rpm]×トータル減速比=ドライブシャフト回転数[rpm]
が求まります。
あとは、タイヤの外周長さを出せば、ドライブシャフト1回転あたりに進む距離が出ますから、
車速を求めることができます。
タイヤ外周は、タイヤ直径×3.14です。
タイヤ直径はタイヤメーカのカタログにも載っていますが、計算で簡単に求められます。
例えば205/55R16であれば、16インチのホイルに、205mm幅の55%の厚さのタイヤが
はまっているわけですから、
タイヤ外径=(16インチ×25.4mm)+(205×0.55×2)=632mm=0.632m
タイヤ外周=0.632mm×3.14=1.98m
205/55R16サイズなら、ドライブシャフトが1回転すれば、1.98m進むということになります。
エンジン回転数と、ドライブシャフトの回転数は比例関係にありますから、
全回転数について計算する必要はなく、例えば、1000rpmと7000rpmだけ求めて、直線で結べばよいです。
細かい計算はエクセルとか使ったほうがいいですね。
S15の純正6速のファイナル3.692と3.916の計算結果を載せておきます。

グラフにするとこうなります。

グラフから読むのは大変かもしれませんが、
変速した際の回転数の落ち込みは3.692と3.916で全く変わりません。
6速での最高速は、3.692で294km/h, 3.916で277km/hと、17km/h下がります。
また、私にとっては気になる高速道路での巡航時(もちろん6速)の回転数は、
巡航速度を120km/h(例えばですよ。(笑))として、
MTファイナル(3.692):2856rpm
ATファイナル(3.916):3029rpm
173rpmアップします。
というようなことが、減速比の単純な計算からとりあえずわかります。
「で、結局ファイナル変更は意味あるの?ないの?(▼▼メ」
という疑問については、次回以降書きます。。。(^-^;
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ファイナルギア変更 | 日記
Posted at
2012/01/03 12:25:06
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