所ジョージが辿り着いた<格差社会の原因>。
「今やお歳暮やお中元も宅配便。私は目上の方に物を持って行くときには自分で行くし、持って行けない時には手紙を添えるとかしてますよ」
2025年で70歳を迎えた、タレント・所ジョージさん。長寿レギュラー番組の司会者やシンガーソングライターとして活躍し続ける所さんの<頭の中>は、どうなっているのでしょうか?そこで今回は、著書『所ジョージの世田谷ベース VOL.59 新解釈 スーパートコロ辞典』からワードを抜粋し、国語辞典には載っていない<所さん的・言葉の解釈>をお届けします。
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便利な物には飛びつかない
かくさ‐しゃかい【格差社会】[名]
成員が、特定の基準から見て隔絶された階層に分断された社会。特に、所得・資産面での富裕層と貧困層の両極化と、世代を超えた階層の固定化が進んだ社会。
[補説]バブル経済崩壊後の不況で、中高年の雇用を守ることが若年層の雇用条件の悪化をまねき、世代間の生涯所得格差を広げた。また、産業界への規制緩和により、リスクを取って成功した者と、失敗した者やリスクを取らなかった者との格差も広がった。さらに、親の経済状態が子の教育機会に影響し、高い教育が好条件な就業機会につながるため、格差は世代を超えて継承されつつある。
所:もうずいぶん昔の事になるんだけどさ、宅配便とコンビニが始まった時に、私はそんな商売がうまくいくわけ無い! そもそもそんなに使わないよな~って思ったんだよね。ところがどうでしょう、今やすっかり暮らしに定着して、宅配便とかコンビニをやってる会社は大企業になっちゃった。
便利な時に使うのは良いよ、でもさ、自分の物くらい他人任せにしないで、持って行くもんでしょ。便利だからって、なんでもかんでもお構いなしに使うのは違うし、わきまえてない事にもなる。例えば、昔はお歳暮やお中元は、先輩や上司、お世話になってる人の都合を確かめて、相手先の家まで自分で持って行くのが礼儀だったんだよ。
編集部:昔はそうだったんですよね。だから、わざと石鹸とか油とか重いものを持って行くなんていう話しも聞いたことあります。
所:そうすると、相手も気を遣って、わざわざありがとうね、ちょっと上がっていって、お茶とかご飯でも食べていきなよ! っていう感じになって、お付き合いが深まるものだったの。それが今や、お歳暮やお中元も宅配便で送ってお終いでしょ?
私はいまだに目上の方に何か物を持って行くときには、自分で行くし、持って行けない時には、手紙を添えるとかしてますよ。それが礼儀ってもんです。だから、考えなしに便利なものに飛びつかない。そういう人が多いのが、今言われている『格差社会』を作っている原因です。
格差社会はその人次第
所:俺はお金持ちの人みたいにうまくいってない、って思っている人たちが大勢いるから『格差社会』だって言うじゃん。その大半が、誰かが作った何かで楽しい事したい、面白いもの体験したい、見たい、動かずに楽したい、と言う暮らしをしているから、『格差社会』ってできてるんです。
だって、自分は動かずに他人に便乗してるわけでしょ? そりゃネットの動画なんかや、コンビニとか、宅配とか通販とかデリバリーとか代わりにやってくれる会社に、どうやったってお金が偏りますよ。
編集部:そう言われてみると、楽するためのお金が積み重なって、毎月結構な負担になっている気が……。
所:自分が楽するためにお金使ってるんだから、格差とか言って嘆きなさんな、って話。だから、みんなが、ネット使わないで自分で楽しい事を作り出す、コンビニ行かないで、自炊する。荷物は自分で運ぶ、そうすれば、『格差』はずいぶん無くなると思いますよ。
格差社会は義務を押し付ける
所:『格差社会』には、お金だけじゃなくて、みんなに『差』が無くて、同じように暮らさなきゃいけないんだ! っていう意味もあると思うんだよ。
編集部:“格差がある”社会というのと、“格差があってはいけない”社会っていう2つの意味での格差社会って言うことですよね。一個のルールを決めたら、何が何でもそうしなきゃいけないって言うのも、格差を作らない仕組みでもありますよね。
所:日本でバイクのヘルメットの着用義務って、今から50年以上前に決まったんだけど、その当時、全世界的にヘルメットの着用義務なんて無くて、すべて自己責任だったんだよ。当時誰かが、ヘルメットを被らせたほうが安全だから! って言い出して義務化されちゃったんだよ。日本ってさ、みんな同じにしようとする時、必ずこういう変な『義務』を作り出すんだよね。あのさ、ヘルメットは言われなくても被りますよ、大人なんだから。
アメリカなんか、今でもノーヘルOKの州がある。18歳位以下の子供はヘルメットを被らなきゃいけない、っていう決まりにはなってたりもするけどね。ヨーロッパじゃ、今でも原付きみたいな小排気量のバイクはノーヘルでOKとなってる国もあるんだよ。つまり、一律で義務化しちゃって、バイクで風を切る喜びは全面的に駄目! ちょこっと買い物でもノーヘルは駄目! っていう風にはしてないんだよね。
所さんが考える義務は……
編集部:自分の判断で決定できる余地が無くなってしまうと、窮屈な感じになってしまいますよね。
所:だから、そのうちまた変な義務を言い出すんじゃないかと冷や冷やしてるよ。私だったら、『一日一回甘いものを食べなきゃいけない義務』を作るけどね。
バナナは甘いものに入るのか? 砂糖付きのお煎餅はアリか? とか毎日考えないとイケナイという楽しい義務(笑)。
トコロ辞典的『格差社会』の解釈
便利だからって、なんでもかんでもお構いなしに使ってしまう事が無いように注意が必要。自分は動かずに他人に便乗することにより、結果として格差が生まれてしまう。自分でできることは自分でやるように心がけましょう。
※本稿は、『所ジョージの世田谷ベース VOL.59 新解釈 スーパートコロ辞典』(ネコ・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
所ジョージ
映画の主人公がつけるような高級腕時計やモデルが持つブランド系のバッグや服。家で見ている分にはいいけど、それをつけて外に出たら…
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Posted at 2025/08/23 14:37:58 | |
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世田谷空軍基地 | 日記