一番星号の変遷(1~8作)
投稿日 : 2011年11月23日
1
1975年8月公開の映画「トラック野郎・御意見無用」に登場した初代一番星号は…
単発映画を作るということから予算に制限があり、1973年2月~12月に製造されたT型最終モデル(フロントガラスが一枚化された)の中古車(青森の運送会社が持っていたオンボロを使い潰すつもりで東映が買い取った)をベースに作られていました。
他の一番星号にはない特徴として、箱絵にも(星の部分に)電飾が施されていることです。
それと…ナンバーが営業用の緑ナンバーになっております(^-^)
ちなみに、箱絵はヒグマがモチーフになっているそうです(^^;)
2
映画「トラック野郎」の予想外のヒットにより、急遽続編が製作されることとなり、東映が北海道の室蘭で探してきたFシリーズの(初度登録から5ヶ月あまりで比較的状態のいい)中古車をベースに作られたのが「爆走一番星」の一番星号です。
※2作目以降最終作まで、このFU113Sをベースに一番星号はリリースされることとなります
デコレーションにかかった費用は当時の金額でおよそ350万円也とのこと(^^;)
電飾はまだ24V球を使用していた為、ナイトシーンでは少しおとなしい感じになっております。
本作の一番星号までは…
「自家用」表記ではなく、「一般」表記になっています。
3
鯉のペイントが特徴の、シリーズ第3作「望郷一番星」に登場した一番星号です。
前作までは塚本屋が担当していた電飾も、東映の美術スタッフが担うようになって100V球が使われるようになり、ナイトシーンが一気に華やかになりました(^-^)
荷台に電飾用の発電機を搭載していて、発電機を起動させたまま箱を密閉させると排気ガスが溜まって危険なので、電飾がついているシーンでは換気の為、画面に映らない部分の扉を開けて撮影が行われたそうです。
リアに龍のレリーフが追加された他、バックカメラが搭載されたのも本作からです。
ホイールマーカーも付けられました。
あと…サイドミラーに電飾が施されているのも本作品の一番星号にのみ見られる特徴です。
それから…サイドウィンカーがサイドバンパー上に取り付けられたのも珍しいです(^^;)
箱の天井に文字(今作品では「天下御免」)が入れられるようになりました。
今作品~第6作までの一番星号の影武者ドライバーがプロのA氏に替わり、おかげでより魅力的な走行シーンが撮影出来るようになり、映画の見応えが更にアップしました~!
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映画シリーズも好調な中リリースされた第4作「天下御免」に登場した一番星号です。
映画のキャンペーン中に車検切れの一番星号を走らせてしまったり、主演の菅原文太氏の大型無免許が発覚したりと警察当局との対立(いざこざ)が激しさを増し、移動時に飾りを外す他、撮影の為に飾りを付けて公道を走行出来るのは一度に400mなどの条件がつけられました(^^;)
※本編中に撮影を監視中の警察官(本物)が映り込んでしまっているのはご愛嬌です(^-^;
その為、キャブのフロントパネルが2重構造になって簡単に取り外しが出来るようになっている他、荷台にカバーを掛けて移動する時用にマーカーランプ損傷防止の為のパイピングが施されております。
獅子舞のペイントが特徴で、絢爛豪華な飾りの完成度(バランス)も非常に良くまとまっている一番星号です。
リアバンパーにアローテールが付き、ナンバー「・・・1」が採用され、箱の天井の文字が「男ひとり旅」となり、その後の一番星号の基礎を築いたシリーズ初期の完成型です(^-^)
※ナンバー「・・・1」は、本作品のみ練馬ナンバーと横浜ナンバーの2種類が登場します!
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一番星号の飾りは…
当局の規制に屈することなく、シリーズ第5作「度胸一番星」でそれまで以上に過激化します!
キャブのカラーリングをシルバーからグリーンにしてイメージを大きく変えただけでなく、巨大な星型ランプの投入や金色のステンレスの使用等で華やかさも格段に向上しました。
前後のバンパーがウロコステンレスに変わり、ミラーは高速バス仕様に変更。ハシゴが絞りパイプのものに交換されました。
テールランプがノーマルの丸型からスカGテールに変更されたのも本作からです。
速度表示灯のカバーがメインアンドンに干渉する為に外されています。
白頭鷲のペイントは人気が高く、9作目のトビウオと共に多くの車両に模倣されました。
※本作品からフロントナンバーにバイザーが取り付けられました。
歴代一番星号の中で唯一「水」が描かれないのも本作の一番星号の特徴です。
下廻りが黄色く塗装されているのは、波打ち際を走行するシーンを撮ることを想定した防錆塗装なのかなぁ?
6
第6作「男一匹桃次郎」の一番星号は…
歴代一番星号の中でも最も手の込んだ仕様になっております。
シートキャリアのスパンコール部に電飾が施されたのは本作のみ!
ミラーにもペイントが施されております。
室内のパーティションがカーテンから襖に変わりました。
箱絵のペイントは青年期の桃太郎で、全体の統一感・充実度は他を圧倒する仕上がりです!
ちなみに、私が(子供の頃に)デコトラなるモノに初めて出会ったのが…今作品の一番星号なんですねぇ(^^;)
ですので、この一番星号には個人的にかなり思い入れがあります!
※劇中後半で…一番星号のナンバープレートが正規モノ(実車が正式に登録したナンバー)で登場します!
4作目以降では警察との申し合わせで撮影の為に飾りをつけての公道走行は一度に400m以下のはずなのに…
本作では高速道路の走行シーンが…
これって明らかに協定違反だよなぁ(^^;;
7
風神・雷神のペイントが特徴の第7作「突撃一番星」は全体的にコミカルな作品に仕上げられ、登場する一番星号も内容に合わせてUFO探索車などの変わり種仕様となり、これまでの男気溢れる(?)一番星号とは若干趣(おもむき)が異なります。
本作品中、アンドンも3回に渡って仕様変更され、シリーズ中最も変化に富むモデルとなっています。
フロントパネルのマーカーランプがなくなったり、サイドバンパーのペイントもなくなったせいで全体の印象は地味に感じらせるものの…
フロント周りのアンドンに初めて手摺りが追加された他、キャブのカラーリングは単なる白ではなく、粒子の大きなラメが輝く凝った塗装になっています。
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第8作「一番星北へ帰る」に登場した一番星号です。
今作品の一番星号の特徴で大きなものは…
箱絵のイメージが左右で全く異なることです。
これには理由があり、文太氏と桑名氏(美術監督)の意見が割れたことにより、白虎は文太氏のイメージで描かれ、浮世絵風のペイントは桑名氏のイメージで描かれました。
その他左側は水をモチーフに、右側は炎をモチーフに仕上げられています。
※この作品中にも正規モノナンバーを装着したシーンが存在します!
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