[止まっていた時計が今動き出した] ORIENT GRAND PRIX 100
投稿日 : 2012年02月01日
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[OH 前、K 時計サービスで裏蓋を開けたところ]
父の形見の1964年発売の
「オリエント・グランプリ100」です。
ネーミングの100とは石の数を表していて、
写真のように、89個のルビーと11個のサファイヤがムーブメントのいたる所にはめ込まれています。
この時代「石戦争」なるものがあり、「石が多いほど偉い」と言う風潮が
あったようですが、この時計が発売され、一気にその流れは終息したそうです。
という訳で「一つの時代を象った時計」という事になってるみたいです。
2
[交換したパーツ]
6年ほど前に K 時計師と出会い、20年以上、止まっていたこの時計を直してもらいました。
写真は、その時交換した部品です。
風防、秒針、巻真?かんぬき押さえ?などの傷んだパーツを交換しました。
それ以来、機械式特有のチッ、チッ、チッと美しい秒針の動きと共に、ビックリするほど正確に、再び時を刻み始めました。
3
[ベルト&尾錠]
オリジナルの「背こぶワニ革ベルト」と「オリエント名入り尾錠」はボロボロだったので、譲り受けた二十数年前に、捨ててしまっていました。
今時、昭和のベルトと尾錠を探し出すのは一苦労で、オークションのアラート機能などを使っても6年間でこのデッドストックのベルト1本と、オリエント尾錠2個を入手するのがやっとでした。
4
[入手時のベルトの状態]
ベルトは40年以上経過しているので、デッドストックと言えど状態は酷く、とても実用に耐えられる物ではありませんでした。
表面のワニ革は、とりあえず良さそうでしたが、裏面の裏打ちが、ひび割れ、剥がれていました。
そこでK 時計師に相談し、ベルト修理できる東京の職人さんに預ける事になりました。
「成功するか保障出来ない」との事でしたが、他に手立ては無く、お願いする事にしました。
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[ベルト完成]
そして二ヶ月後、見事に復活して戻って来ました。
ビシッと裏が張り替えてあります。
その出来栄えに、K 時計師と共に喜び、職人さんの確かな技術と意地を見せてもらいました。
6
[尾錠 before after]
そして次の問題が尾錠です。
入手した2個の内、剣先がすんなりと入るのは1つだけです。
しかし、こちらはメッキが剥がれボロボロ。金色じゃなくなってます。
何とか再メッキしてくれる所を探し出し、直接頼みに行ったのですが、「材質がハッキリしないと危ない」との事。
材質を読み間違えると、本体そのものが溶けてしまうらしいです ^^;
事情を説明したところ、
「耐久性が落ちても良ければ、プラスチックでも大丈夫なメッキ方法が有る」と教えてくれました。
早速その方法で再メッキしてもらう事にしました。
左の写真がメッキ前の状態。右が再メッキ後です。
あらま~、なんて事でしょう~
新品になっちぃました^^
7
[完成]
48年前に父が買った時計が、
26年前に動かなくなり、
6年前に、動くようにしてもらい、
昨年末にベルトと尾錠がやっと揃い、
それを修理して、今完成しました。
父の形見であるこの時計には、いろんな思い出があります。
もちろん、父がはめている姿も思い出しますし、私の高校受験の時も、この時計を借りました。
そんな思い出深いこの時計を、
「いつの日か、完全な形で蘇らせたい」とずっと考えていたのです。
それが今、大勢の人の協力で、48年前の姿に、かなり近い形で蘇りました。
本当に感慨深いものがあります。
8
[感謝]
デッドストックのベルトをオクに出品してくれた人。
オリエントの尾錠をオクに出品してくれた人。
ベルトを修理してくれた職人さん。
尾錠をメッキしてくれた職人さん。
ありがとうございました。
そして本当にありがとうございました、
小長谷さん。
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