断線通知機能を損なわないウインカーのLED化
| 目的 |
チューニング・カスタム |
| 作業 |
DIY |
| 難易度 |
 初級 |
| 作業時間 |
12時間以内 |
1
通常の白熱電球の場合,電気的なエネルギーがフィラメントで一旦全て熱エネルギー(ジュール熱)に変換され,その熱エネルギーの5%くらいが光に変換されることで発光します.ですから,電球に流れる電流を遮断しても,フィラメントが冷めるまで暫くの間は強度を減少しつつも発光が持続します.一方,電気的エネルギーを直接,光に変換するLEDの場合,電流が遮断されると瞬時に発光が停止します.これが,「LEDウインカーは点滅にキレがある」と評される所以です.
http://www.youtube.com/watch?v=QBaMrG37tnU&feature=related
ウインカーは非常に重要な保安部品であるため,電球が玉切れを起こし回路に流れる電流値が減少すると,ウインカー及びインパネの表示灯が通常よりも短い周期で点滅することでドライバーに異常を知らせます.ウインカーのバルブをノーマルな白熱電球から低消費電力なLEDに換装すると電流値が減少するため,玉切れで無いのにも関わらず,高速点滅になります.これを回避するため,通常次の3通りの方法がとられています.(1) 正常と異常の線引きをする電流の敷居値をノーマルよりも引き下げたウインカーリレーに換装する. (2) マイコン制御の特殊な電源(LEDレギュレーター)をウインカー回路の中途に介在させる. (3) ノーマルバルブと同程度の抵抗値を持つダミー抵抗をLEDバルブと並列につなげる.
現行RVRの場合,ポン付けリレーではなく車載コンピュータがウインカーの点滅を制御しているため,(1)の方法は適用できません.RVRとプラットフォームが共通のアウトランダーに (2) の方法を適用すると,不具合の生じることが報告されています.
http://minkara.carview.co.jp/userid/303679/car/203090/1121476/note.aspx リレーを用いた場合と異なり,車載コンピュータ制御のウインカー点滅は点滅パターンが単一ではなく,そのことにLEDレギュレータのマイコンが対処し切れていないことが原因ではないかと思います.(3) の方法を用いれば,ウインカー点滅がリレーと車載コンピュータの何れで制御されていようとも,LEDバルブへの換装に伴う高速点滅を解消できます.但し,LEDバルブが玉切れを起こしても,そのことをドライバーが高速点滅によって知ることは出来なくなります.整備不良であることを知らずに運転し続け,そのことが原因で事故を起こしてしまったら,と考えると恐ろしくて,私は(3)の方法を自分のRVRに施すことは出来ません.
今回の整備手帳では,LEDバルブ換装に伴う高速点滅は回避し,且つ,バルブ玉切れの際にはその異常を通知する機能は損なわない方法について報告します.使用した主な機材は以下の通りです. (1) T20ウェッジ3チップSMD18灯LED オレンジ (LED Factory) [2個 \3,200] (2) T-20ウェッジベース (LED PARADISE) [@50] (3) T20ウェッジ用ソケット シングル (LED PARADISE) [@150] (4) メタルクラッド抵抗 39Ω10W (LED PARADISE) [@340] (5) シリコンゴムテープ (エーモン・1773) [@1,344] (6) 結束テープ (エーモン・1775) [@357]
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リアとフロントの何れでも構いませんが,ウインカーバルブをソケットから外し,代わりに抵抗を差し込んだ状態でウインカーを点滅させ,高速点滅とはならない抵抗の敷居値を探りました.結果,47Ωでは通常点滅,56Ωでは高速点滅でした (@12.3V).ですから50Ωあたりがボーダーのようです.但し,実際の線引きは抵抗値ではなく,電流値のはずですから,抵抗を電流に換算する必要があります.
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フロントとリアのウインカーバルブは消費電力が21W,サイドは5Wですから,抵抗値はそれぞれ,6.86Ωと28.8Ωになります.50Ωと6.86Ωと28.8Ωを並列につないだ場合の合成抵抗は5.0Ωです.RVRの場合,ウインカー回路に流れる電流値が 12.3÷5.0 ≒ 2.5 A 以下となると異常だと判定する設定になっているようです.
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グラフには,今回購入したLEDバルブの電圧-電流特性(実測値)を示しています.シガーソケットに接続した電圧計をチラチラと眺めてみると,電圧値はエンジンスタート直後の最も低い時でも11.5V以上,その後に発電機が働き始めると約14.5V,安定すると12~13V台でした.電圧が12Vの時,LEDバルブ1本,W21Wバルブ1本,W5Wバルブ1本の合計3本のバルブに流れる電流は,0.22 + 12/6.86 + 12/28.8 = 2.39 A です.① 従って,3本のバルブと並列につないだ抵抗に2.5-2.39 = 0.11 A 以上の電流をバイパスしてやれば,高速点滅の発動を回避できます.ですから,その抵抗の値は 12÷0.11 = 110Ω 以下であると求まります.② 但し,50Ω よりも抵抗値を小さくすると,今度はLEDバルブが玉切れを起こしても,そのことを高速点滅で通知してもらえなくなります.つまり,50Ωより大きく110Ωより小さい範囲がフロントのみLED化する場合のダミー抵抗のストライクゾーンです.
次いで,リアとフロントの両方のウインカーバルブをLED化し,尚且つ玉切れ通知機能は保持できないか検討してみました.(Ⅰ) LEDバルブ2本が健在のときには,電圧が12Vまで下がっても高速点滅せず,(Ⅱ) 2本のうちの1本が切れた時には,電圧12.5V以下であれば高速点滅する. 以上(Ⅰ),(Ⅱ)の両方を満たす抵抗値のストライクゾーンは,残念ながら,存在しないことが分かりました.結局私はフロントウインカーのみLED化することに決め, 78Ωのダミー抵抗を選択しました.
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39Ωのメタルクラッド抵抗を直列につなげ,それを肉厚2mmのアルミ板を折り曲げて自作したステーに固定しました.圧着端子のすき間はホットボンドで埋めて防水処理を施しました.エンジンルームのアッパーカバーを取り外します.このとき,「内張り剥がしDX」が重宝します.写真に示す箇所に運転席側ウインカー用の抵抗を固定しました.これとは左右対称な位置に,助手席側の抵抗は固定しました.
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プラットフォームが共通のアウトランダーと比較して全長を35cm寸詰めしたRVRは,フロントウインカー周りが非常に狭く,バルブソケットの根元近くでエレクトロタップを用いて上手く分流できるか自信が持てませんでした.そのため,写真に示すような延長ケーブルを自作しました.エレクトロタップによる分流ではなく,プラス線を中途で分断してその両端にそれぞれオスとメスのギボシ端子を取り付けたのは,次のいじり(ウインカーのポジションライト化)のための布石です.写真2と写真6に写っているソケットを見比べるとわかると思いますが,RVRのT20ソケットはちょっと特殊な形状をしているため,ライトASSYに汎用ソケットを取り付けるには,これを少し加工する必要がありました.
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純正ソケットの側面から電極が一部露わになっていたので(写真の黄色い楕円の箇所),これをホットボンドで塞ぎました.写真6に示す自作ハーネスのT-20ウェッジベース部分を純正ソケットに差し込み,接合箇所をビニールテープと自己融着シリコンゴムテープでぐるぐる巻きにして防水処理を施しました.
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ハザード点滅中の様子を,フラッシュなし・露光時間1.5秒の条件で撮影した写真です.運転席側ウインカーはノーマルバルブを,助手席側はLEDバルブをそれぞれ装着しています.上記条件で撮影した場合,電流遮断中の残光のため,ノーマルバルブの方が随分と明るく写ってしまいます.実際には点灯時の明るさは,LEDバルブはノーマルバルブの7割程度はあり,実用上の問題はありません.
点滅にキレのあるウインカーに(フロントのみですが)様変わり出来ました.
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