
前回に続き後輩のR31を作ります。
サージタンクが付いた所で終わりましたがこれから塗装を行います。
黒色にベタ塗りが結局1番楽なのです。
1番好きなのはガンメタのエンジンルームに黒のエンジンでヘッドカバーは赤色です。補機類は黒かガンメタで目立ちすぎないようにします。
今回はそれに近いので足りないシリコンホースをいつもの海外メーカーで黒色に揃えようしました。オーナーに説明するとそこで待ったの声が掛かりました。
インタークーラー前後とサージタンクはグレッディにしたいとの事で任せると…

グレッディ!
グレッディ!?
グレッディ!!!

グレッディ…!グレレッディ!

グ、グレレッ…グレッディ!
トラストのデモカーかこれは!!
あまりにも節操のないグレッディの嵐に今度はこちらが待ったの声を掛けました。
Oh…オーケーブラザー、一旦ハンズアップだ。これ以上グレッディを増やす前に少しおしゃべりをしよう。俺たちはまだ話し合える、オーライ?よし、いい返事だ。何も難しいことは無い、スクールを卒業した兄弟には簡単な事さ。オーケー3つだ。1つ、TCFをバカみたいに増やすな。2つ、違うグレードのエンブレムを付けるな。3つ、同じロゴを並べるな。そう、これ以上グレッディを増やさなくてもいい、平和に行こうぜ兄弟。そんな事をしなくてもこのベイビィはカッコイイ、クールに行こうぜ!
グレッディを貼りすぎてグレてしまった後輩を正しい暴走族へ導くのも先輩の役目なのです。
話し方がおかしいのはビバリーヒルズ・コップを見たせいです。
無事JDMの心、ワビサビを理解して頂けたので作業を再開します。
サージタンクに付いているスロットルワイヤーブラケットがR31だとストラットタワーに直撃するので使えません。
そこで角度を変えたものを作ります。
これで逃げましたが今度はスロットルワイヤーが余りまくります。
R32のRB20とR31のRB20でその辺も違うのか明らかに長すぎるワイヤーが付いていました。
そこでワイヤーの長さを変えてしまいます。
ヘイコウピンやノックピン、位置決めピンなどと呼ばれる俵型のピンにワイヤーの太さ分穴を開けます。
あとはワイヤーを通して溶接すれば新しいタイコが付きました。
15Aくらいで点付けするイメージでやれば簡単です。
26のスロットルセンサーを外して付いていたR32のスロットルセンサーを移植します。
これはボルトオンで交換出来ます。センサーのカプラーが形違うので移植しました。
エアレギュレーター、スロットル、AACバルブのカプラーは切って伸ばさないと全く別の場所になるので届きません。
AACバルブはR32のRB20のがそのまま付きます。しかし配管の方向が違うのでホースは伸ばして角度を変えます。
色々流用したり弄っているとRB20とRB26は兄弟でRB25は従兄弟って感じですね。
お次はいよいよタービンです。
右が付いていたGT2510タービンで左がAX53B70です。
私がタービンを選ぶともれなくIHIになります。お次に三菱って感じです。
このAXタービンはSR用でそもそもRB20用タービンなんて滅多に出てきません。
本来ならエキマニのT3フランジを切り飛ばしてT25に変えるのですが…
このGTS-Rのエキマニは中古でも数十万で取引されているらしいです。
加工する訳にはいかなくなったのですが下置きタービンなのであまり下げることも出来ません。オイルリターンがエンジン側の戻りより下がってしまうので市販の変換は使えません。
そこでまずスタッドを抜きます。
これはスタッドボルトリムーバーというスタッドを抜くためだけの工具です。Wナットに家族を殺されたのでWナットをサボるためだけに買いました。
デメリットはこの工具で抜いたスタッドボルトはネジ山が潰れるので再利用出来ません。
そこにこんなのを作りました。
片側はT25で反対側はT3の変換プレートです。
手元にT25とT3のガスケットがあれば重ねて見てください。ネジ穴被るんですよ…だから変換プレートが売ってないんです。あってもT25→パイプ→T3みたいな厚みが50mmくらいあるものです。
これT25でねじ切ってからスタッド立てて裏側の貫通したスタッドを切り飛ばして溶接止め。
溶接の膨らみを削って平面を出したら今度はT3でねじ切ってフランジ厚みに切ったM8スタッドを立てています。
クソほど手間がかかりました。その上溶接止めしているのでネジ山死んだら交換出来ずに作り直しです。
本来T3はM10ですがM8にするとネジ穴の被りが1mmで済みます。細くなった分高強度スタッドを用意して締め付けトルクは10T相当になっています。
M8にしたのはもう1つ理由があり先ほど抜いたスタッドボルトです。
エキマニのM10スタッドを抜いてM8を通せば上からナットで固定が出来てエキマニを加工しなくて済みます。
当然タービンアウトも違います。
6本止めから5本どめになるのでご理解頂きます。
こちらは加工の制限がないのでフランジを切り飛ばしてSR形状のフランジを作りくっ付けます。
この時になぜか逆向きに溶接してしまい上置きタービンの方向になってしまいました。おそらく本能です。
泣きながら切って溶接し直しました。
これで付くと思ったら今度はインテークの出口がボディーと40mmほどしかありません。
パイプが60mmなのでもうどうやってもボディーにめり込みます。
そこでインテークハウジングを30度回転させて逃がしました。シリコンホースなんて付けるスペースがないので泣く泣く溶接止めをします。
タービンハウジングにパイプ溶接するの嫌いなんですよね…
アクチュエーターの位置がズレるのでロッドを切って角度を変えました。
アクチュエーター作動圧を0.8キロに調整すればようやくタービンが付きました。
もう形がわけわからん…!
Wナットに家族を殺されたのでスタッドを立てるだけの工具を使います。
どんだけWナット嫌いなんだよと思うでしょう。1度直6のスタッドを交換してみて下さい。私は12本Wナットしてたら4本目くらいから飽きてスタッドボルトに恫喝を始めました。
ようやくタービンが付きました。
ここから配管を作っていきますがいきなりブレイキングダウンが始まりました。
エアクリーナーと被りまくりです。
やっとの思いでタービンが付いたのにこの仕打ち、思わず藤〇竜也くらい濁点付きながらおがりました。
純正パイピングだと付かないけど逃げる場所はある。つまり作ればいいのです。
しかし今作るには心が壊れかけなので先に排気を終わらせることにしました。現実逃避も時には大事です。
排気も作らないと合いませんでした。
クソが代!
一旦この先の作業を考えてみました。本当にびっくりしたのが全て作らないといけない作業でした。
わずか5分ほどで現実逃避に現実が追いついてしまいましたが鉄系を作るのはフロントパイプが最後です。残りはアルミ系なのでTigのタングステンを交換したりの手間を考えて先に鉄を終わらせることにしました。
鉄を終わらせに来た。声に出して読みたい日本語です。
そのまま合わせるのは芸がないので最低地上高を30mm上げた仕様にします。パンダで上げて仮付けをします。
取り外してサクサク巻きます。
垂れ下がってたフロントパイプが上がって擦ることは減りそうですね。
あとはアルミをシバいていきます。
ボディーの穴ですが、ここにアルミパイプなどを通すとエンジンの振動でボディーに当たって穴が空く事があります。
シリコンホースに切込みを入れてホットボンドを流しながら巻けばクッションになります。
エアクリーナーのRに合わせてパイプを曲げてインタークーラーまで繋げていきます。
黒のシリコンホースが足りず青の所もあるのでのちのち黒に交換していきましょう。
タービンからインタークーラー入口まで繋がりました。
お次は吸気側を作ります。
まず5mm厚のアルミを切り出します。
タービン側はガスケットが55mmなので55mmのホールソーで穴を開けます。
もう1つはパイプ側なのでパイプ経の60mnで穴を開けます。重ねればこのように段付きとなります。
溶接すれば10mmのフランジになりました。
厚みとしては十分です。
先ほどの段差を使ってパイプを差し込んで溶接します。
裏側を見るとこんな感じです。パイプを差し込むと段差がなくなります。
この先で60から80のエアフロ経へ拡大しないといけません。
今回はスペースの問題もあり角度を付けたテーパーを作ってみました。
テーパーに拡大してからハンマーで叩いてご理解頂きました。あとはそれを溶接してエアフロからの絞りになるので段差や隙間を減らしたく裏側も溶接して慣らしました。
前回のブログで紹介した前のチューナーさんが作ったホースバンド共締めの遮熱板です。
これをサビ落としして耐熱黒で塗装して綺麗にしました。技術へのリスペクトを込めてエキマニに近いところで再利用しました。
ようやく排気側の配管が完成です。
拘りポイントはエアクリーナーのRに合わせて曲げたパイプです。前から見ると隙間が均等なのが上手く作れたかなと…
もうここまでくれば楽勝です。
インタークーラーは事前にサイドタンクを作り直して位置も決めてあります。
あとはサクサクとサージまで繋げていきます。
サージが80なのでまた変換を作って拡大します。
サージまで繋がったらこれでようやくエンジンがかけれます。
前置きインタークーラーが映えますね。
ビフォー
アフター
もう別物やん…笑
バンパーの形状を変えずに前置きインタークーラー付けてというオーナーの要望に応えれました。
よく見ると前置きってのがいいですね。
水を入れてエンジンを掛けてみるとしばらくしてどこからか漏れ始めました。
1発で上手くいくとは思っていませんでしたが疲れたので明日にします。
まだエア抜きがてらの暖機しかしてないので6スロの恩恵は受けれていません…
まだ掛かりそうですが一旦形になったので完成したらまた更新します。