目的 |
チューニング・カスタム |
作業 |
DIY |
難易度 |
  中級 |
作業時間 |
12時間以上 |
1
準備編の続きです。
今回はリアラジエーター用のダクトを作ります。
まずは型を用意しますが発泡ウレタンから削り出したり方法はたくさんあります。
これは2個作る必要があるので絶対耐えれるように鉄板を溶接して金型を作りました。ボンネットなど見える所はここから雌型を作り1番表に来るカーボンクロスから貼り込んでいきます。
トランクの下で見える所ではないので今回はこのまま型に使います。雌型で作る時は貼り込む順番を逆にします。
2
下の板はアルミ複合板で動かないように両面テープで型をくっつけます。
更にアルミテープを段差を無くすように貼ってから養生テープを全体に貼ります。離型ワックスがありますが綺麗に何度も塗りこまないとなかなか外れません。
テープを貼れるような単純な形だと養生テープでフルマスキングした方が早くて確実です。養生テープは樹脂がくっつかないので貼った上から離型ワックスは塗らなくていいです。
3
ビニールなどを被せてマーキングして型紙を作ります。重なると浮いてきたり樹脂が入り込まなかったりするので注意です。
クロスはロータリーカッターや高いハサミを使って切ります。切れ味が悪いと繊維がほつれて絡まったりします。
4
仮合わせして問題なければ型にスプレーのりを塗布してガラスクロスを貼り込みます。
5
ガラスクロスはほつれにくいので貼り直しても大丈夫です。ここが浮くとこのあとに貼り込むクロス達も浮くのでスプレーのりでしっかりと固定します。
このあとの別のクロスも同じように切って貼ります。
6
厚みが欲しかったのでロービングクロスを貼ります。
手順は同じですが固いので曲げにくいです。無理に曲げると浮く原因となるので切って貼り合わせるなど剥がれないように工夫してください。
7
最後にカーボンを貼ります。
ほつれやすくズレやすいのでマスキングテープを貼ってその上を切るとほつれにくいです。
8
クロスが貼り終わったら今度は防草シートを貼り込みます。
これもスプレーのりを使って貼りますが、多少重なっても大丈夫です。試しに3枚重ねてみてもしっかり樹脂が浸透していました。
9
スプレーのりでくっつかない場合は布養生テープで固定します。
養生テープよりも粘着力が強いのでなかなか剥がれません。これも樹脂はくっつかないので貼る場所に注意して下さい。
10
最後に防虫ネットを重ねます。
これはなかなかくっつかないので布養生テープで固定します。
防虫ネットの上にスパイラルチューブを固定して樹脂を入れるところと抜くところを決めます。スパイラルチューブは樹脂を早く行き渡らせる高速道路みたいな物です。
11
ヒートシーラーでポリシートを溶着してバキュームバッグにしていきます。保険を掛けて溶着した更に少し内側をもう1周溶着して二重にすると漏れは一気に減りました。
この作業の時にエアホースを通す場所を決めて10mmくらい開けて溶着します。
12
ホースにブチルゴムを巻き付けて内側から外へ引っ張ります。するとブチルゴムが隙間に入り込むのでシールがし易いです。
色々試してみましたが今のところこれが1番漏れませんでした。
13
スパイラルチューブはエアホースに巻き付けて確実に吸えるようにします。
樹脂注入側のエアホースはピンチプライヤーなどで塞いでおきます。
14
いよいよ真空引きをして漏れがないか確認します。
今回は手前側のホースから樹脂を入れて奥の2本から吸うようにしました。
バキュームタンクと真空計を付けて漏れがなければそのまま樹脂を入れれる状態にしてからチェックします。
真空ポンプを動かすと徐々に空気が抜けていきます。この時になるべく引っ張られないようにバキュームバッグを調整します。
ダクトとダクト間の谷みたいなところが引っ張られてストレスが掛かるので、この時にたわみを作っておきます。
このたわみがないと引っ張られてバキュームバッグが破けてしまいます。ギリギリのサイズでパツパツより大きく作って余るくらいがいいです。
そのまま真空引きをしていると徐々に真空計の針が上がっていき真空ポンプの音が変わります。
乾いた音になり針がそれ以上上がらなくなったらそのまま5分ほど放置します。
放置してから真空ポンプを止めて真空計の目盛りを確認します。15分ほど放置して針が下がっていないか確認しますが、時間があるのであれば半日ほど放置した方がいいです。
放置して針が下がってなければ漏れていないので、いよいよ樹脂を入れていきましょう。
再び真空ポンプを動かしておき樹脂を作っていきます。
15
樹脂は分量をちゃんと測って硬化剤はしっかり混ぜて下さい。特にエポキシ樹脂は混ざりが悪いと硬化不良を起こすので注意して下さい。
しっかりと混ぜたら樹脂注入側のエアホースを樹脂に漬けてピンチプライヤーを外します。
樹脂が吸われてスパイラルチューブ内を移動し、防草シートに浸透すると色が変わっていきます。
樹脂の残量を確認しながら足りなければ追加で作って補充し全体に行き渡るまで見守ります。
樹脂が全体に行き渡ったら樹脂注入用のエアホースを折り曲げてタイラップで固定します。簡単に外れなくて確実にシール出来ればよいです。
注入側を塞いでもよく見れば小さな空気の粒が吸われて流れています。クロス内に残っている空気が吸われているので注入を止めてから15分ほどは真空ポンプを動かしておきます。
空気の粒が無いことを確認したらポンプ吸引側も注入側同様にシールをして真空ポンプを止めます。
あとは樹脂の説明書に書いてある時間と温度で放置します。FRP樹脂はそのまま放置しエポキシ樹脂はバキュームバッグごと炉に入れてポストキュアをします。これは溶剤により温度が変わるので注意して下さい。
16
固まったらいよいよ離型していきます。
バキュームバッグを剥がして防虫シートと防草シートを剥がします。この時に粒状の樹脂が飛び散るので保護メガネを掛けた方がいいです。
結構力が要りますが樹脂とくっつかない素材なので剥がれない事はないです。
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剥がれたら型から外してトリミングすれば完成です。
見栄えをよくしたい場合は600番くらいで水研ぎしてクリアを吹くと見違えます。しかし雌型で作ってないので表面は防草シートの平織り段差が付いています。
それを気にするのであれば雌型から作りましょう。
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完成した物を取り付けました。
トランクの底を切ってラジエーターを付けているので走行風を入れるためのダクトです。
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