
ブログに複数枚の画像が登録できる事を知り、ようやくup
職場の同僚が以前所有していたセドリック
当時で車齢15年、走行距離17万キロという結構年季の入った車両
他にもup出来そうな整備ネタは残念ながら画像が無く、例えば
ステアリングラックのパワステオイル漏れ(他年式の中古部品流用交換)
ターボハウジング用冷却水配管の水漏れ(配管交換)
etc.
既に廃車車両で、このセドリックに関しては新たにネタが提供できないので
単発メンテネタでこれ以上車種を登録するのは如何なモノかと
upするべき場所を迷っているうちにほったらかしていたモノ
(下書きだけは済ませていた)
画像の撮影日時を見ると既に3年半以上経過していました
月日の流れというモノは何ともはや…
通常の整備手帳とは違って
まずはズラッと書き連ねて(以前の下書きを少し手直ししただけで推敲もロクに出来ていませんが…)
最後に画像と簡単?なコメントを付け足します。
【症状発生と原因探求】
異常の症状はベルト近くの異音で、あたかもベルトの滑りのような「キューーーッ」とかん高い音。
ベルトのテンション調整で直るかにも思えたのですが、各ベルトの張りの感じはいたって普通。
他に確認した事項として、エアコンOFFの状態で極端な負荷もなく、エンジン及びベルトが暖まっていて
ベルトの硬化が考えられないにもかかわらずエンジン始動直後から10秒程だけ異音が発生するというもので
アクセルをあおっても音の調子に変化も無し。
トラブルと聞くと好奇心で原因探求をしたい気持ちと
修理を頼まれると嫌とは言えない性格(というか、頼まれなくてもお節介出しまくりですが)
なので私が修理する事になった。
ベルトの張り以外の原因があるのか確かめるとラジエターファンと軸を共通にするプーリーにガタを発見
軽く触っただけではベルトのテンションで動かずに気付かなかったが回転中はかなり偏芯していた。
ベアリングが終わってしまったようである、その奥には冷却水ポンプがあるような形状と位置関係に思えた。
という事で、部品商に確認と見積もりを依頼
私の思惑としてはベアリング単品交換出来ればとも思ったがASSY交換のみで
交換作業は大変だというアドバイスまで頂いた。
(直ぐ近くの別パーツでないか確認もあり親切な部品商だった、これは発注ミスを防ぐ為のプロ意識?)
その後、注文までの間にポンプの症状は悪化し、ついにはシールパッキンが損傷してしまい
冷却水漏れ&オーバーヒートでセドリックはしばらく不動状態となった。
【作業は確かに大変】
ラジエターシュラウドを始めとして各Vベルトを外すまでは特に問題なし。
だが独立して外せそうにも見えたポンプ本体は一般的なエンジンと同様
タイミングベルトカバーを外さないとポンプを固定するボルトにアクセスできないことが判明
しかも右バンク側はラジエターに伸びる冷却水パイプがカバーの固定ボルトを塞いでいて邪魔をする。
パイプを固定している6mmサイズの6角レンチは力に耐えかねてシャフトが歪んでしまい
手持ち工具で外せない事がわかったので右バンクのカバーを外す事は諦めたが
少し重なるように付いている下側カバーだけは必ず外さなくてはならず、その為にわずかながらの力業も披露した・・・。
そういえばステアリングラック交換も力業だった・・・
(少し遠い目)
外したポンプはかなりグラグラで、内側のペラと干渉して削れている箇所もあった。(5図参照)
【ポンプ取付】
付属のガスケットは液状パッキンをボンドのようにして貼り付けなければ取付作業中に損傷してしまう可能性がある。
しかし、用意していなかったのでボルト2本を利用し脱落や位置ズレ損傷を防ぐ。(8図参照)
マニュアルは無いものの対角線状に均等に分けて締め付ける基本は厳守
でも当時、トルクレンチが無く締め付け自体はこれまでの経験で勝負、この時は締め付け過ぎに要注意。
その他、補器類の組み付けは取り外し作業の逆手順だが
右バンクのタイミングベルトカバーの下に潜らせるようにロアカバーを取り付ける作業で少し手間取った
でも外す時と違って、形が判っていて干渉する部分がハッキリ分かっているので
曲げたり破損するといった不安感は無く問題なく作業を続ける事が出来た。
クランクプーリー締め付けは交換が決まった古いベルトを巻き付けて固定すると
SSTやインパクトレンチを使わなくとも何とか可能。
(実は外す時は車のオーナーに手伝ってもらい『セルクランキング』の荒業を実施※この時は事故や部品破壊に充分注意)
【完成検査】
マニュアルが準備(確認)できず
液体パッキンを使うかどうか(バラす時には使用された痕跡が無い事を確認はしていたが…)と
締め付けトルクも判らなかったので組み付け後の水漏れが心配だったが
実はそれ以外にもオーバーヒートの影響も心配していた。
祈るような気持ちでエンジン始動
…残念な事に「カタカタ」とバルブクリアランスが大きい時に起こる、叩くような異音が目立つ・・・。
温まるまでしばらくアイドリングを続けても変化がなくOHになってしまうのかと思ったが
アクセルをあおると途端におとなしくなってしまい改善されてしまった。
オーバーヒートでオイルが沸騰しエアを噛み混んだラッシュアジャスターにオイルが行き渡ったのだろう。
ちなみにオーバーヒートの原因は今回で2回目、前回はターボにつながる冷却パイプ繋ぎ目の腐蝕で穴あき交換。
タービン側ボルトは熱で表面が荒れている状態までなっていたが以外と熱被害に強いエンジンなのかなと丈夫さに驚いた。これも私が部品交換したがやはり画像無しなのが惜しまれる。
もっとも大変だったのはエンジンルームの狭さだけで
一つのボルトを外すのに3種類の工具を持ち替えて四苦八苦しただけの事なのだが・・・
後日、ネジの緩み止め剤塗布と増し締め、交換したVベルトの初期伸び分の調整と冷却水の液量を確認して作業を終了した。
2図

症状としてはパワステやエアコン駆動ベルト等の張りが弱くなって滑っている時のような
エンジン稼働中の『キューーーッ』と言う異音。
ベルト自体とテンション共に異常なく、調べていくと
ウォーターポンプのシャフトのガタ付きと判明。
3図

一見、独立して外せそうにも見えたポンプ本体は
一般的なエンジンと同様にタイミングベルトカバーを外さないと
ポンプを固定するボルトにアクセスできないことが判明。
ラジエターシュラウド
ラジエターファン
ラジエター
パワステポンプVベルト
オルタネーターVベルト
エアコンコンプレッサーVベルト
(ここまでは、通常メンテに近く比較的楽な作業)
クランクプーリー
タイミングベルトカバー左バンク側(ボルト固着で右バンクは断念)
タイミングベルトカバー下側
の順(確かそうだったはず?)で外すと
ウォーターポンプの取付ボルトの全てが顔を出し、ようやくポンプを外せます。
4図

ガタ付きの比較、同じアングルから撮影したモノ
手前と奥のボルトの突き出し量の変化に注目
(ピントが奥のプーリーに合ってしまったのは借り物デジカメの操作に不慣れな為です)
5図

芯振れでペラが接触した跡(向こう側の削れて光っている所)
と冷却水の管理不足で発生した錆び。
他にもホース内等あらゆる所に錆が見られた
(これがベアリング、シールパッキン損傷の原因のひとつかも?)
6図

ピントがあっていませんでしたが参考までに・・・
冷却水の管理が悪くホース内の錆の堆積はホースを揉むとパリパリと
音を立てて剥がれる程でした。
氷点下にならない南方地域での使用は『凍らせない』よりも
『腐食させない』為にクーラント液を入れましょう。
7図

取り外したボルト類は次の取付まで時間があるので
装着位置を間違えないように、そしてドロ蜂が巣を作らないように
穴を塞ぎます。
冷却水が流れるパイプ類もこの後ウエスで塞ぎます。
8図

新しいポンプ到着で取り付け作業。
パッキン装着は、位置決めにボルトをガイド役にすると容易に付くし
パッキンの損傷も防ぐ事が出来る。
ボルトの突き出しが少なくて外れるようであれば、図の様に工具で代用可
9図

クランクプーリー取付時の回り止めは古いベルトを使用。
取り外す時はインパクトがラクですが、この位置だと
エクステンション使ってバンパー前からになるでしょう・・・
しかし、そもそもインパクトがないので(-_-;)
ブレーカーバー保持のセル・クランキングというワザを使いました。
この時は危険が伴うので充分に注意しましょう。