1ZZ-FEエンジンの持病による修理
1
先月の車検で一緒に行った1ZZ-FEエンジンの修理について、レポートしたいと思います。
まず車検前に行ったエンジンオイル交換で、エンジンルームのエンジン本体の裏(バルクヘッド)側からオイルが漏れているのを発見しました。
オイルが滲み出ている箇所は、タイミングチェーンを覆っているチェーンカバーとエンジンヘッドとブロックが組み合わされている辺りの境目からで、最も漏れ出す事が多いと言われる位置です。
これは、走行距離に関係なく1ZZ-FEエンジンの代表的な持病で、メーカー工場で組み付ける時にパッキン(ガスケット)を使用せず、ボルトとシールボンドのみでカバーを貼り付ける工程のため、ボンドの量が少ないと漏れ出してしまうと言うものです。
自分も数年前から知ってから、オイル交換のたびに目視点検していましたが、とうとうこの時がやってきたと言う感じですね。
画像にある流れ出たオイルの筋は、タイミングチェーンテンショナーを外した事によって、チェーンカバー内のエンジンオイルが出てきただけですので、お間違い無く‥
愛車は漏れと言うより滲みに近い初期症状で、酷い状態では地面に垂れ落ちるくらい漏れる事もあるそうです。
2
再度、タイミングチェーンカバーを貼り付けるため、まずはヘッドカバーを外さなくてはなりません。
初めて愛車のエンジンのカムシャフトを見ましたが、5万km超えているとは思えないほど素晴らしく奇麗でした。
定期的にエンジンオイルを交換した結果ですね。
当然ヘッドカバーを外したわけですから、必ずヘッドカバーパッキンは新しい物と交換して組み付ける事になります。
その他に、作業の邪魔になるVリブドベルトテンショナーとクランクプーリーとウォーターポンプ、そしてオルタネーターも外されます。
今回は作業を確実なものとするため、付近のエンジンマウントも取り除きました。
3
そうすると、このようにタイミングチェーンカバーを外す事ができ、タイミングチェーンと二つのカムプーリーが姿を現します。
ちなみに右側に赤い液体が付着している穴がありますが、ここにウォーターポンプのスクリューが差し込まれる形となります。
実は、このウォーターポンププーリーにも持病があり、異音やクーラント液漏れが発症する(カローラよりセリカに多い)ようです。
愛車にはクーラント液漏れの症状は出ていませんが、アイドリングから低回転域の間で小さな異音が出ているので、外したついでに新品に交換する運びとなりました。
もちろんOリング(ゴムパッキン)も同様です。
次に古いボンドを取り除くため、清掃作業に取り掛かります。
整備士さんが言うには、この作業が最も大変らしいです‥
4
本来、タイミングチェーンカバーはそのまま使用するのですが、こちらの希望も伝えディーラーと話し合った結果、接着を確実なものとするため、チェーンカバーも新品交換する事になりました。
画像は、新旧タイミングチェーンカバーの比較です。
新しいカバーが対策品となっているかどうかは確認できませんでしたが、新品なら清掃の手間が省けるので、作業の短縮が図れますね。
5
新品のタイミングチェーンカバー周囲に、大盛りにシールボンドを塗り、エンジン本体に組み付けます。
次々と、新品のウォーターポンプを含めた各補機類を組み付け、クランク角センサーも新品になりました。
なぜ、センサーを新しくするかは謎でしたが、タイミングチェーンカバーの修理に、リストとして付いてくるそうです。
6
磨耗により、ザクザクに割れた古いVリブドベルトを新品にする前に、このベルトテンショナーも一緒に新しい物へ替えました。
1ZZ-FEエンジンの持病はここにもあり、この油圧式のオートテンショナーが油圧不足によってベルトの張力が低下し、ベルトまたはプーリーから異音が発する症状ですが、今回の愛車の異音による症状は、ウォーターポンププーリーかテンショナーにあるプーリーかは不明でしたので、両方とも交換する形となりました。
ちなみに異音による不具合が多いためか、このベルトテンショナーは2回ほど対策品が出ており、現在は油圧式ではなく、ヘタリの少ないバネ式になっているそうです。
(新型エスティマの2AZ-FEエンジンもバネ式になったと聞きました。)
残念ながら、バネを見れる構造ではありませんでしたが、画像の黒いカバー部分が一回り大きい事は確認できました。
7
ついでに、タイミングチェーンテンショナーも新品にしてもらいました。
組み付ける時は、テンショナーのピンを押し込んでロックさせてから取り付けます。
その後に、手作業でクランクプーリーを逆回転させ、カチッとロックが外れたら、チェーン張りは完了です。
これを忘れると、最悪タイミングチェーンがカムプーリーから外れて、エンジンに致命的なダメージを与えてしまいます‥
8
最後に、チェーンカバーのシールボンドが乾燥するまで、1日くらい放置します。
翌日、作業のために抜かれたエンジンオイルとクーラント液を補充し、修理作業の一切は終了です。
現在、走行距離は5万km超えていますが、タイミングチェーンカバー・ウォーターポンプ・チェーンテンショナー・ベルトテンショナー・クランク角センサー・ヘッドカバーパッキンをまとめて新品交換したので、走行距離15万kmまでは、これらのパーツはノーメンテで行けそうです☆
[PR]Yahoo!ショッピング
入札多数の人気商品!
[PR]Yahoo!オークション
関連コンテンツ
関連整備ピックアップ
関連リンク