• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

hommaのブログ一覧

2013年08月17日 イイね!

ワークスチームにおけるカラースキーム考察その六 ~Gulf/伝説の復活

ワークスチームにおけるカラースキーム考察その六 ~Gulf/伝説の復活すっかりのご無沙汰でゴザイマス (^ ^;

先月は37℃オーバーの酷暑の中、ターボくんを本州最南端往復に引っ張り出してお腹いっぱい (xox
しばらく野外活動はダイジョウブな感じで籠もっておりました。

そろそろツクツクボウシでも鳴いてくれないかなと願いつつ...
宿題を片づけてしまいましょう (笑
四ヶ月も空いちゃいましたが、『カラースキーム考察/ガルフ編』の最終回、お届けします。

前回までのお話は↓コチラ↓から
カラースキーム考察その四 ~Gulf/フォードの時代
カラースキーム考察その五 ~Gulf/ポルシェの時代


(承前)

'75年のル・マン総合優勝を最後に、スポーツカー耐久レースの表舞台から姿を消していたガルフ。
二十年近くの歳月を経た'94年のサルト・サーキットに、突如そのビッグネームは復活しました。
ガルフ・オイル・レーシング。
ジョン・ワイヤーが率いた'70年代のガルフ・リサーチ・レーシングと直接繋がりはなく、チームの母体となったイギリスのプロジェクト100モータースポーツが「ル・マンにガルフ伝説の再来を」とガルフ・オイル社のマーケティング部門に掛け合い、メインスポンサーに担ぎ上げた、というのが真相のようです。
マシンは、エルヴィン・クレーマーの手による、ポルシェ962ベースのクレーマーK8*。
筆頭ドライバーには、かつてガルフ・ミラージュGR8でル・マン総合優勝を勝ち取り、その後ワークス・ポルシェでもル・マン四勝の大ベテラン、デレック・ベルを迎えました。

画像は'94年ル・マンのスタート直後の様子。
十九年ぶりの復活に際し、カラースキームは原点のネイビー/オレンジに戻されました。
紺メタのボディにシルバーとオレンジのストライプが映えますね。
'94年というと、ポルシェでいえば最後の空冷モデル993が発売された年。
紺メタの993にオレンジの差し色を入れて、ガルフ復活へのオマージュ...なんてモディファイはアリかも ? (あ、すでにやっていらっしゃる方が !?:笑)
本戦では、格下のGT1カテゴリーから出走したダウアー・ポルシェ** (画像右後方に写っているFATとSHELLの二台) に先行され六位フィニッシュに終わりましたが、伝説復活を予感させるには充分なインパクトのあるマシンでした。



ガルフ・オイル・レーシングの活動は'94年のシーズン限りで終了。
しかし、ガルフのマシンは翌シーズンからもサーキットを賑わします。
'95年からガルフ・オイル社のスポンサードを受けることになったのは、イギリスのGTCコンペティション・チーム。
この年GT1クラスに参入したマクラーレン陣営の一角として、二台のF1-GTRを走らせることになりました。
ガルフ社とマクラーレン社との関係は実はとても旧く、創始者のブルース・マクラーレンが活躍した'60年代まで遡ります。
当時のガルフ社は、ブルースのレーサー/コンストラクター活動を個人的に支援していました。
画像は'68年F1選手権のマクラーレンM7Aと、同じく'68年Can-AmシリーズのM8A。
ドライバーはいずれもブルース・マクラーレンその人です。



ドライバーが車体センターに位置する三人乗りスーパーカーとして、'93年発売当時話題をさらったマクラーレンF1。
いつか自分の名前を冠した究極の公道マシンを世に送り出したい、という生前のブルースの想いがついに現実となったモデルでもあります。
その性能はさすがに非凡なものがあり、デビューイヤーの'95年ル・マンでは、国際貿易UKチームの一台が格上LMP1クラスを押し退けて、いきなりの総合優勝を果たしました。
画像は同じく'95年ル・マンを、ガルフのスポンサードで走るGTCコンペティション (チーム名はガルフ・レーシング) のマシン。
カラースキームは、前年のクレーマーK8の紺メタ/シルバー/オレンジのパタンを踏襲しているようですね。
チームはこの後、毎年カラーリングを変えながら'98年までの四シーズンをF1-GTRで戦い、'97年のル・マンでは見事総合二位を勝ち取りました (この時のチーム名はガルフ・チーム・ダビドフ・マクラーレン)。



今世紀に入り、ガルフ・オイル社のモータースポーツに対するスポンサー活動は、益々盛んになってきています。
その中から主なものをピックアップすると...
まずは2001年、アウディ陣営からル・マンに参戦したヨハンソン・モータースポーツ (英) のアウディR8。
伝統の “ガルフブルー” カラースキームの復活です。



2008年からは、ワークス・アストンマーチンのメインスポンサーに。
こちらは'08年ル・マンを走る、アストンマーチン・レーシングチームのDBR9。
御大ジョン・ワイヤー指揮の下、ワークスの初代DBR1/300が総合優勝に輝いてから、実に四十九年目のこと。
映画007公開との連動企画だったという “007” のゼッケンナンバーが印象的でしたネ。



そして2012年、ガルフレーシング・ミドルイーストが活動を開始***。
現在は日産エンジン搭載のLMP2マシン、ローラB12/80で世界耐久選手権 (WEC) に参戦しています。
日本人女性ドライバーの井原慶子選手が所属することでも話題になりましたね。
今のところ'70年代の圧倒的な強さの再現とまではいかないようですが、ガルフのマシンはきっとこれからも、世界中のサーキットにその鮮烈なイメージを刻んでいくのでしょう。
連載最終回の〆はコチラ、2012年のル・マン挑戦を記録した超クールな映像で (^_-)-☆




Gulf編、おしまい。


*Kremer K8 Spyder
この年改定されたル・マンとIMSAのレギュレーションに合わせ、LMP1/C90クラスの車両として製作。ハニカム・アルミとカーボンを使用したトンプソン製ポルシェ962強化モノコックに、クレーマーがデザインしたケプラー複合素材のオープンボディを架装。水冷ヘッド付き935型3リッター空冷フラット6の出力はリストリクターにより530馬力に絞られていますが、スプリントに強い軽量オープンボディと空力の良さを武器に予選二位、セカンド・グリッドを獲得しました。


**Dauer 962 Le Mans
ドイツのダウアー・レーシングが製作した、ポルシェ962を公道リーガルに仕立て直したスーパーカー。公道仕様とはいえ、心臓部には730馬力の935型レーシングエンジンがほぼそのまま搭載される反則スレスレのモデル (苦笑)。ポルシェは、ホモロゲーションに必要な最低生産台数が明記されていなかったル・マンのルールブックの穴を突いて、この車両を「市販スポーツカー」としてGT1クラスに申請しました。962ベースという点ではクレーマーK8と兄弟車のようなものですが、GT1クラスはリストリクター径が大きいためエンジンのパワーロスが少なくて済み、燃料タンクも大きなものを使用できる (=給油回数が少なくて済む) 点で、格上のLMP1クラスに対するアドバンテージがありました。


***Gulf Racing Middle East
2010年に結成されたプライベートチーム、Gulf Team Firstが母体。Gulf AMR Middle Eastを経て2012年、UAEに本拠地を置くガルフレーシング・ミドルイーストと、イギリスに本拠地を置くガルフレーシングUKに分離。ガルフレーシングUKの方は現在、ガルフブルーのマクラーレンMP4-12Cで耐久レースに参戦しています。
Posted at 2013/08/17 19:30:19 | コメント(3) | トラックバック(0) | カラースキーム考察 | クルマ

プロフィール

「オレは根っからのポルシェファン。そしてまた、それは最高のモノでなければならない。それでこのポルシェの究極的モデルともいえる、3リッターのターボをしとめたのさ」...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2013/8 >>

    123
45678910
111213141516 17
18192021222324
25262728293031

愛車一覧

ポルシェ 911 ポルシェ 911
'76年式 Turbo 3.0 “Prototype Clone” エメラルドグリーン・ ...
スバル インプレッサスポーツワゴン スバル インプレッサスポーツワゴン
'02年式 Type Euro Turbo プレミアムシルバー・メタリック('23 Ap ...
ポルシェ 911 ポルシェ 911
'89年式 911Carrera CS グランプリホワイト('09 Jan.~'09 O ...
ポルシェ 911 ポルシェ 911
'88年式 911Carrera サテンブラック('03 Aug.~'09 Jan.) ...

過去のブログ

2024年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2021年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2020年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2019年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2018年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2017年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2016年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2015年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2014年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2013年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2012年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2011年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2010年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2009年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation