写真は、リアに装着されていたスピーカーです。
前から見るとそんなに違和感が無いですが・・・
裏側から見ると、コストダウンのためとはいえ、
本当に寂しくなりますね。
まず、第一にフレームがプラスチックの樹脂製で
どう見ても硬性が不足する感じがします。
次に音の源であるスピーカーのマグネットがあまり
にも、ちぃさいと言うか、貧弱な気がします。
大きさで音が決まるわけでは無いですが、どう見て
も安っぽく感じます。
わたしの場合は、納車後、約一週間で外して社外品の別のスピーカーに交換して
しまいました。ですから・・・このスピーカーについては余り印象が良くないのですが、
小音量で聴くときはそこそこ成っていたと思いますが、音量を上げてくると、
マグネットがちぃさいためか、振動板の制動力が追いついていない感じで、
ボワンボワンした低音がしていました。
ココで言う制動力というのは、音を生み出す振動板を、動かしたいときに動かして
止めたいときに寸分の狂いもなく止めるための力です。
小音量の時の振動板の振幅はちぃさいので動き出して、直ぐ止めるのは容易ですが、
低音用のウファーなどの場合は、振動板の口径も大きく重くなってくるので、
大振幅になってくると慣性力が働いて動いているモノを急停止するのが難しくなって
きます。純正と同じ口径のスピーカーであっても社外品のスピーカーが軒並み大きな
口径の重いマグネットを使って振動板を駆動するのはこの辺の、駆動力に余裕を持って
対応するためだと思われます。また、フレームも明らかに頑丈に作られていますよね・・・
純正では低音はそこそこ鳴っているのですが、全く締まりのない音というのは、
この辺の構造的なところが原因の気がします・・・(^^;)
ところで、この純正スピーカーに拘って音を良くして聞いている方を時々見かけますが、
先のデッドニングを行っていくと、純正スピーカーでもある程度のレベルまでクオリティ
を引き上げることが出来るみたいですね。
オーディオのことを知り抜いた玄人の方とお見受けします。
オーディオは、タダ単にお金をかけさえすればいい音が得られるわけでは、
無いという事で、本当に拘れば奥が深いと思いますね。
デッドニングで、サービスホールを塞ぎ、ドアの内部に吸音材を仕込むことで、
スピーカーの振動板に適度な負荷をかけて駆動することで、性能を引き出すわけです。
この適度な負荷というのが、今回のキーワードです。
先ほど純正のスピーカーは、マグネットがちぃさく制動力が不足すると書きましたが、
これは、スカスカの穴の開いた箱の中で鳴らした場合は、振動板を動かして・止めて
と言うことをするのは、純粋にスピーカーの駆動装置だけの仕事になってしまいます。
その際に、振動板の動きを正に、動かしたいときに動かして、止めたいときにピタッと
止めることが出来るのかという事です・・・。
純正の場合は、大音量を入力すると、途端に破綻した感じになりますよね・・・
でも、デッドニングをするとドア内の空間が適度な密閉状態に近くなって、スピーカー
の振動板の動きを適度に押さえる働きをしてくれます。
ココで、またまた、たとえ話ですが、前回の注射器のたとえで、完全に内部の空気を
密閉してしまうと、振動板の動きを妨げるのですが、細い穴を通じて空気が自在に出入り
出来るようにしておくと、早く大きな振幅で強く振動板が動いたときは空気がバネとして
働き足りない制動力を補い、また止まる時も適度な空気バネとして働きます。
つまりは、エアーダンパーの機能ですね。
純粋に入力として正しい動きをしているかというと、少し微妙ですが、動きすぎ、
また動きなさ過ぎを補って、歪むことが減るとも考えられるので、良い方に考えると、
音質は元より向上と言えると思います。
と言うわけで、純正スピーカーの弱点を補うことが出来れば、デッドニングだけでも
音質アップも十分可能という事だと思います。
また逆に、高いスピーカーを取りつけただけで、ドアにデッドニングがされていない
場合はスピーカーが本来持って居るポテンシャルの全てを発揮できていないことにも
なります。スピーカーの質も大事ですが、音を鳴らすには入れ物で有るエンクロージャ
の出来も音質に大きく関わって来ることを知って欲しいと思います。
私も、まだまだオーディオ関係はこれから徐々に弄っていきたいと思っていますが、
ローコストで質の高い音を目指してみたいと思います。