点火プラグ（ボッシュ・フュージョン）の寿命

ボッシュ・フュージョン

使用前（新品）の電極。中心電極はプラチナ・イリジウム。

中心電極を包む白いセラミック（？）部と中心電極の先端はきれいな平面となっている。

約2.8万km走行（約1年使用）後の状態。

アイドリングがやや不安定になるとともに，ついにはある気筒の失火が生るようになったため，他のプラグやプラグコートと付け替えて原因を探ってみた。

あるプラグ内およびプラグ間で，中心電極と接触電極（4極）の距離や位置関係に若干の相違が発生していた。

さらに，中心電極とそれを包む白いセラミックが損耗していた。それらの損耗の仕方にもプラグごとに相違が見られた。

左の画像では，画像内の左のプラグは中心電極の先端がセラミック部より突き出しており（セラミック部分が損耗している？），右のプラグは中心電極が損耗して先端がセラミック内にやや埋もれている。

なお，計4本のプラグのうち，ある2本（あるペア）が類似した損耗の仕方を示す一方で，残りの2本（別のペア）とはとは異なる損耗の仕方を示すのは，他のプラグを使用したときにも見られる傾向であり，コイルの特性に基づいたフィエスタ1.6に共通した傾向である。

なお，プラグの損耗と失火はプラグコードが最も短い4番で生じやすい。

上と同じプラグを向きを変えて撮影。

中心電極が埋もれたり（左），突き出ている（右）のが分かる。

左画像内の左側はフュージョン（右）と同じように接触電極を4極持つが，中心電極は非イリジウムのSUPER ４（日本未発売，ドイツより仕入れを行っているプロショップから購入）。接触電極の形状もフュージョンとはやや異なる。

なお，SUPER ４は数千km（数週間）のみ仕様した状態（フュージョン装着前に装着していたもの）。

中低速トルクは　純正 ＜ SUPER ４ ≒ フュージョン
高回転域の伸びは　純正 ＜ SUPER ４ ＜ フュージョン

の印象。プラグコードが純正よりも強化タイプ（マグネコア）の時の方が，その傾向は強く感じられる。マグネコアのコードはイリジウムプラグと相性が良いとメーカーの説明にあるが，賛同できた。

一方で，フュージョンがへたってきたときの不具合（アイドリングの不安定化や失火）は純正コードよりもマグネコアのコードで生じやすかった。すなわち，マグネコアのコードはごつくて組み付けにくいということもあるが，コードの特性上プラグの状態をシビアに反映し，敏感に反応するのかもしれない。また，

プラグの寿命は　純正 ＞＞ SUPER ４ ＞＞ フュージョン

の可能性が高い（高効率のプラグほど損耗が早い）。


※ 左画像は純正プラグコードを装着してプラグとの相性をチェックしているところ