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かたむ~のブログ一覧

2017年06月28日 イイね!

全楽論

はじめに
今回の記事は,浮かんだことを忘れない内に垂れ流しで書いていきます。
したがって,とっ散らかった読みづらい内容になるかもしれませんが,ご了承ください。


突然だが,この記事を開いてくれたあなた。
あなたに訊いてみたいことがある。

自動運転をどのように考えているか。

のっけからタイトルのネタバレになるが,ストレートに訊こう。
自動運転は次のうちどちらだと思うか。
安全技術か。
安楽技術か。


この質問を,例えば自動車メーカーにしてみよう。
会社としての公式回答を求めれば,第一義は安全技術である,と答えるだろう。
人間はエラーをするものであるが,機械ならばそのエラーを防ぐことができて交通安全に繋がる。
本音か建前かは分からないが,だいたいそういう回答が返ってくるはずだ。

一方,ユーザーサイドではどうか。
安全技術だと思っている人もゼロではないかもしれないが,大多数は安楽技術と答えるだろう。
なにせ,表向きは上のようなことを答えるメーカーも,流すCMはご存知の有様だ。
そうでなくても,特に米国と日本において,多くの人が「運転は苦行だ」と感じている現実がある。
そこを機械がやってくれる。ユーザーがもっとも体感できるのは安楽だ。安全ではなく。

現在の自動運転に関する研究開発は,このギャップを放置したまま進んでいる気がしてならない。
メーカーが安全技術として提供しているものを,ユーザーは安楽技術として享受している。
事故防止の自動ブレーキを「クルマが勝手に止まってくれる♪」と言った女がいるとかいないとか。
自動ブレーキでこれなんだから,自動運転の齟齬のレベルなど推して知るべしである。

あまつさえ一部メーカーは,その認識違いを正すどころか助長しているのが現実だ。
やっちゃった人たちとか,シリコンバレーの口八丁とかね。
結果,フロリダでモデルSがスクラップになり,みんな死になセレナの揶揄が復活した。
他方でトヨタでは,技術的にはレベル2の新型LSを「自動運転」の語を使わず売り出してきた。
このあたりがメーカーごとの良心が問われる部分かもしれない。


自動運転を安全技術と定義するか,安楽技術と定義するか。
究極的にはその両者を兼ね備えた技術たり得る以上,最初の一歩は非常に重要だ。
願わくば,安全技術として一歩を踏み出してもらいたい。
一足飛びに自動運転とキャッチーに行くのではなく,正しく運転支援システムとして欲しい。
未成熟のまま安楽技術として売り出すと,民衆が群がるだけに悲劇を招きやすい。
その昔,自動車はまさに安楽技術として世に現れ,夥しい数の不安全を世に振りまいた。
この安楽を安全に御せる技術と法律が築き上げられたのはずっと後年のことだ。
表裏一体の技術において同じ轍を踏んでしまうとしたら非常に遺憾である。

無論,安全先行の普及の困難さもわかっている。
エアバッグやシートベルトがこれほど広まるまでには,これまた長い年月がかかっている。
しかし,世のため人のためと,信じてなされる継続は力である。
今日の茶飲み話でだが,あの米国でついにベルト着用率が日本並みになったそうだ。
法規になくともベルトとエアバッグを付け続けた成果かもしれない。
作動しないならしないに越したことはない。
その点では,運転支援システムも,エアバッグやシートベルトも一緒。





多分あと何回か続く。
Posted at 2017/06/28 00:10:53 | コメント(0) | トラックバック(0) | モノモウス | クルマ
2017年06月25日 イイね!

孤独のサファリ Ep.1~~~のんほいパーク 1回目~~~

GWに東山動植物園に初めて行った,その後。

「あんなに写真撮って歩き回るんだったら1人で行ってΣ(`益´#)」

怒られてしまったので,今後の動物園は基本的に単独旅になります。
まぁ確かにね。5時間写真撮りながら歩きっぱなしなら,誰かと行くべきじゃないね。


単独行の1回目は,豊橋総合動植物公園,通称のんほいパークへ。
折角なのでタイトルからそれっぽくしてみた。
ついでに勢いでタイトルロゴまで入れてみた。


土曜とはいえ朝の9時。客の姿はあまりありません。
まずは入園券を購入。入園料は,東山動植物園より100円高い600円。
値段はともかく,まるで飾りっ気のないチケットでビックリである。ラーメン屋の食券かと思った。


園内地図を確認。
動物の絵が大きすぎて道が見えない……。


入り口すぐの場所にどーん。
吉崎先生ありがとう。





で。
ここから,辿った道程に従って写真を貼ってコメントしていこうと思っていましたが。
……うわぁ,なんだか凄いことになっちゃったぞ。
なんせ滞在時間が6時間,撮影枚数が約200枚。それと動画もあるよ!
極地動物館を見終えた辺りで「こんな長ったらしい記事,読む体力続かない」ことに気づく。
道半ばどころ1/3でこれである。


というわけで,とりあえず撮ってきた写真全集はフォトアルバム行き。
今回は思い入れのある動物が多かっただけに苦肉の策だが,仕方あるまい。
…………枚数制限,そういうのもあるのか。
まさかの前後編。
[前編][後編]




そしてこの記事本文は方針変更。
各エリアごとに特に語りたい動物だけ語る。

①郷土の動物園
皆さん,ニホンザルの鳴き声をご存知だろうか。
ウキーとか鳴いているイメージがあるかもしれないが,正解はこんな感じ。

……私は生理的にダメだこの声。
実は霊長類全般があまり好きではないが,これでさらに苦手になった。

あとは,キツネとかタヌキとかいたけど,特にかわいかったのがこれ。

撮ってたら振り向いた。かわいい。ハクビシンかわいい。


②極地動物館
今までペンギンにはあまり興味がなく,違いを気にしたことがありませんでした。
が,某フレンズの影響もあって,よく見てみると色々なことに気づく。

例えばこちら,二次元に恋することもあるといわれるフンボルトペンギン。

このフンボルトペンギン,ペンギンのイメージにそぐわず,温帯地域の出身。
極地に住む他のペンギンと一緒の水槽に入れると寒くて死んでしまいます。
なので,この子たちだけ屋外展示というわけ。日本の環境がジャストフィットのようです。

続いてこちらのジェンツーペンギン。

なんかビックリするぐらいカメラに寄ってくると思ったら,そういう性格らしい。
ペンギンの写真を間近で撮りたかったら,ジェンツーがいるところに行くといいんじゃないかな。

それから,ピンぼけしてて申し訳ないが,キングペンギン。

身体やわらけ~。あとバランス感覚いいじゃないの。
ぼたぼた歩いてばたばた倒れているイメージなのに。

ペンギンって,意外と面白い。

③コツメカワウソ
かわいい。見ていて飽きない。


とはいえ,ヌメヌメした見た目とか,甲高い鳴き声とか,好き嫌いは分かれるかもしれません。
ニホンカワウソが妖怪扱いされたのも分からないではない。

なお,例の「たーのしーー!!」というセリフ。
アニメのパブリックイメージともいえるこのセリフだが,実は中の人のアドリブ。
ついでに,監督いわく「最初はそもそもカワウソがいなかった」そうな。
……これらを欠いたら,あそこまで人気が出ていただろうか。

④オランウータン舎
オランウータンと飼育員さんがコミュニケーション中。
やっぱりオランウータンって賢いんだねぇ。


⑤バードエリア
シロクジャクは初めて見た。驚きの白さ。

まるで新郎新婦のような後ろ姿。……まぁイメージとは男女逆ですけどね。


「どうも,助手のワシミミズクです」
噂には聞いていたけど,でっかいなお前。

なんか謎の動きをしていました(頭にハンガーはめるアレ)。

ご近所にオオコノハズクもいましたが,予想以上のスケール差。
オオコノハズクだけ写真がないのは,小さすぎて金網越しでは撮れなかったからです。
(なおオオコノハズクは,厳密には博士ではなくその近縁種です)

あと,この一番手前のケージにはハヤブサがいたのですが。

右の翼にボウガンの矢みたいなものが刺さって見えたけど,見間違いだよね?
スタッフの人に知らせて聞いてみたけど「羽が抜けかかってるだけだと思います」。
安心して立ち去ろうとしたら,後ろの女子組が「なんか刺さってないアレ?」って…。
……本当に大丈夫なんだろうな?
あの子,朝と夕で同じ棚の上にいたけど,飛べないわけじゃないよな?

⑥夜行性動物館
メインディッシュともいう。


また会ったね。
ご覧のように入り口からして真っ暗なせいか,この場でガチ泣きしちゃうちびっこ多数。


入るとまずフェネックがお出迎え。
結構テレビにも出てるイメージですが,未だに認知度はそんなでもない様子。

常同行動していたオスも合流して寄り添ってます。

なんだその顔,かわいすぎるし。


そしてそして,本館の人気ナンバーワンはやっぱりこの子。

黒山の人だかり……とまでは行きませんが,観客は引きも切らず。

ほねっこ食ってます。

ステルちゃんはまだ生後半年程度なので,元気いっぱいで非常に活発。
この動画の通り,暗いし,動くし,まぁきれいに映らない。

たまに疲れて休む時がチャンスですが,それでも頭が動かないことを祈ることが必要。

粘ってると時間も電池もなくなります。ISO上げると消耗がすげぇ。
たまには程々に休みましょう。

そして,暗所撮影のたびに言っている気がしますが,以下説教。

なぜフラッシュを焚いた,言え!
やっべぇ点いちゃった,みたいのならともかく,平然と悪びれもせず点けるのなんなん?
字も読めないの? ピクトグラムも理解できない?
流石に思わず「フラッシュ切れや!」って声が出ました。
ああいうのを見ると,何も考えなくてもあの歳までは生きられるんだなと思います。

あと,存在自体を知らないのか,AF補助光を切らないやつ。
見てこれ。ステルちゃんがかわいそうだわ。ふざけんなデブ。
(この後にAF補助光は切ったものの,リングライトは最後まで付けっぱ……クソが)

注意書きもあるけど,それ以前に自分で気づかないもんかね?
自分が暗所であの光向けられたらどう思う? てか他のやつが光らせてんの見て何か思わん?
本当に,想像以上にな~んにも考えてない知能縛り勢が多くて困る。

⑦植物園
動物園エリアと比較すると衝撃の過疎りっぷりですが,見ごたえは十分でした。
写真貼ってくと長くなるんで,詳しくはフォトアルバムの方を見てもらいたいと思いますが。

随所に客を楽しませるギミックが仕込まれた温室,和洋が肩を並べる屋外庭園。
植物しかないのに,歩くうちに風景がころころ変わって,見ていて飽きません。
ぜひこちらにも足を運ぶといいと思います。


以上,駆け足ですが,のんほいパークのレポートでした。
地味に珍しい動物がいたり,繁殖にも力を入れていたりと,隠れた名園じゃないでしょうか。
あと,大抵の子にちゃんと名前がついていたような……そこも珍しいかも。

今回すっ飛ばした一部エリアはまた今度。
セグウェイを使ったパークツアーもあるみたいなんで,また行ってみようと思います。
……後は,次は園内で飯食いたい。現地着いてから金がないことに気づいて何も食ってないorz



Posted at 2017/06/25 20:34:12 | コメント(0) | トラックバック(0) | アニマル | 日記
2017年06月21日 イイね!

Take A Shot ~~~テンポラリファイル?編~~~



タイトルの通り,一時保管です。
ちょいと写真が必要なので,そのデータトランスファー用に……。
まぁテンポラリっつっても,別に用が済んだからといって消しませんけども。








「DKKK?」と思われた方は小針1号古墳で検索。
愛知は戦国だけじゃないんですよぉ。
都市伝説か民話レベルではありますが,ちょっとした歴史秘話でございます。
(そういや金曜に移転してからヒストリア見てないな~)


愛知って,意外と隠れた口伝の類が多いことに最近気づいた。
時間見つけてオカルトツアーでもしてみようかしら。


Posted at 2017/06/21 22:41:42 | コメント(0) | トラックバック(0) | ドライブ | 日記
2017年06月17日 イイね!

Take A Shot ~~~夜は短し踊れ翠星編~~~



はい,1年ぶりのホタル狩りです。

去年は思いつきと付け焼き刃の装備で乗り込んだ結果,ひどい仕上がりになったからな。
今年は飛翔状況を毎日確認し,一脚と,WiFiリモート撮影用のiPodを準備。
現像ソフトも新しくなっているし,極めつけは去年時点ではなかった比較明合成ソフト。
もう盤石です。


唯一ミスったのは服装だけだな。


会社を定時で引けて,全速力でチャリこいで,家でポテチ食ってから即出発。
「夜は冷えるから着替えよう」なんて発想は欠片もなく,半袖ポロシャツで出かける暴挙に。
ちなみに,気温だけでなく風速もなかなかのもんでした。


現地到着はこのぐらいの時間帯。日没前です。


そのまま去年と同じポイントまで移動。行ってみたら私が一番乗りでした。
他の人たちはだいたい駐車エリア周辺でダラダラ待機。
……多分あの辺ではそんなに見れなかったんじゃないかな。

そして,撮影ポイントで待機。
カメラの方向と角度を調整し,ホタルが飛び始めるまで状態を維持します。
先に,比較明合成の背景用の写真を撮影。この景色が気に入ったもので。



駄菓子菓子。

残念ながら,周りが飛び始める時間になっても,こっち方向はほとんど飛んでくれませんでした。
強風が減速なしで侵入してくるゾーンだったためか,飛翔に適さなかったものと思われます。
橋の上に三脚構えてた人たちは何か撮れたのだろうか。


で,背後では元気に飛んでいたので,慌てて180°方向転換。
もはや暗すぎてピント合わせもできませんが,そのあたりはもう勘で。
とりあえず,30秒露光の1枚撮りでこんな感じになるくらいは飛んでました。


悪くないですが,ちょっと寂しいのであと2枚重ねてみる。


そのままポイントは動かず,角度や露出だけを少しずつ変えて撮影続行。
10枚重ね。風のせいか1箇所に固まりがちですね。


と思ったらこんなのが撮れるくらいドバっと飛ぶことも。これ合成なしなんだぜ。


かと思うとひたすら草むらにじっとしているだけの写真が取れたり,当たりハズレですね。


上の2枚を含めた約20枚の連続撮影の中から厳選して重ねてみる。

もうちょいかな?

過ぎたるは猶及ばざるが如し。全部重ねりゃいいってもんじゃあない。


ところで,今回はどういうわけかホタルがこちらに寄ってくることが多く。
1回すごかったのは私のカメラに止まったこと。シャッターの微振動で逃げましたが。
その時のかは分かりませんが,距離感的にはこんなレベル。
気づかないうちにISOが80にリセットされていたものの,かえって現像しやすかった。


右上隅に星の軌跡が偶然映り込んでてラッキー。



こんな感じで,だいたい川面に2時間ぐらい居座ってました。
9時頃にはホタルたちが草むらで落ち着き始めたので,終わったと判断し撤収。
クルマまで戻る道中でも飛んでいる姿を見かけなかったし,本当に店じまいだったようです。

帰り際の駐車エリアのアナウンスでも,強風のため飛翔はまばらだったと言っておりました。
その中ではまぁまぁいいのが撮れたんじゃないでしょうか。
とっとと現地に行って待ち構える。孫子の兵法が役に立ちましたね。

多分見頃は今週末~来週末(運良くて)ぐらいだと思います。
行かれる際は寒くない格好で,風の強くない日を選ぶといいと思います。


あ,合成前のも含めて,写真はフォトアルバムに置いときますね。
適当に比較明合成の練習にでもご利用ください。
え,比較明合成に練習が要るのかって?
選別の練習ですよ。どれとどれを重ねたらいいかの見極めの。




最後に。

本当は,冒頭の写真を背景にしてこんな画が撮りたかった。


「こんなの比較明合成じゃないわ。ただのコラよ!」

思ったよりはナチュラルな仕上がりだけど,どうもそこかしこに違和感がありますね。
ホタル溜まりの薄明かりの色が合ってなかったり,お空にホタルが止まってたり。
さすがに「これ地形に引っかかってるだろ」なのは重ねなかったのは良心。

また来年,撮れたらいいなぁ。


Posted at 2017/06/17 13:44:55 | コメント(0) | トラックバック(0) | ドライブ | 日記
2017年06月16日 イイね!

たまに専門家でも間違えてるから困る…



自動車会社のプレスリリース,自動車雑誌,あるいは数々のネット記事でも。
未だにしょっちゅう見かける表現がこれである。


「高張力鋼板を多用することで軽量高剛性なボディを実現」


……う~む。

実のところ,開発ストーリーをかいつまんだのであれば,この表現は間違いではない。
制約あふれる市販車で,軽量高剛性なボディを作るのに高張力鋼板が欠かせないのは事実だ。
が,そういった行間読み一切抜きでこの表現を見た時,貴方ならどう思うだろう?

「鉄板を高張力鋼板ってのにすると軽くなって剛性上がるんだ!」

文系の諸兄は多分こうなるだろう。
無理もない。
時々理系の技術者でもこう思っている人がいるくらいだ。
私も「剛性足らんから板厚盛って」と言ったら「ハイテン化じゃダメ?」と言われたことがある。
……まぁ,塑性はしてないんすよ,って絵の説明を若干端折った私も悪いのだが。




さて,一部愚痴を交えつつ問題提起をしてみたが,今回の話題は高張力鋼についてである。
早速だが,高張力鋼とは何か,皆さんは正しく理解できているだろうか。

高張力鋼は,開発職の間ではハイテンという呼び方をされることの方が多い気がする。
私としては,高張力鋼という誤解を招きやすい呼称より,原義に近いハイテンの方が好きである。
ハイテン……High Tensile Strength Steelの略だ。
本当はHigh Tensile Strength(高引張強度)であって,High Tension(高張力)ではないのだ。
重箱の隅つつきのようだが,ここは意外と大事だと私は思っている。

悲しいかな「高張力鋼にすると剛性が上がる」と思っている人が多い。
強度と剛性の区別がついていない人が,技術屋の中にもいるのは事実だ。
剛性とは,ある重さをぶら下げた時にバネがどれだけ伸びるかの話。
強度とは,バネにどれだけ力をかけたらビヨビヨになって戻らなくなるか,または切れるかの話。
ざっくりした表現だが概ねこんな感じだ。全然別物であることが分かるだろう。
そして高張力鋼は,一般鋼(レトロニム)に対して,強度は高いが剛性は基本変わらない。
重いものをぶら下げてもダメにならないだけで,伸びにくくなるわけではないのだ。
よって,高張力鋼に変えただけでポンと剛性が上がるなんてことはない。勘違いである。

あるのだが,昔の誰かさんが「高張力」と訳してしまったせいで勘違いは絶えない。
高張力と言われたら,なんとなく伸びにくいのかな?と思ってしまうのも無理はないと思う。
そもそも張力と引張強度は,文字が似ているだけでさっぱり別物だ。
張力をWikipediaで調べるとこんな感じだ。ただの力である。強度要素は皆無だ。
いっそ高強度鋼って書いてくれりゃいいのにねぇ。
(と思ったら高強度鋼って表記もちゃんと存在する……統一しろよややこしいな~もお~)


とまぁ,こんな感じでハイテン(以下ハイテンで統一)とは何ぞやというのは分かったと思う。
次に,何ゆえ自動車にハイテンが使われ,使用範囲が拡大されているか見てみよう。
といっても,高強度と言っている時点で分かるだろう。強度を上げたいからだ。
なぜ強度を上げたいか。理由の多くは衝突安全性能向上のためだ。
どういうわけか分からないが,自動車に求められる衝突安全性能のレベルは年々高まっていく。
人間って年々強度低下していってるんだろうか?と最近真剣に疑っている。

ともかく。
衝突時に乗員を守るためには,運動エネルギーを吸収してやる必要がある。
金属に限らず物体は変形することで内部にエネルギーを吸収できるが,限度がある。
上で,バネを引っ張りすぎるとビヨビヨになって戻らなくなると言った。これを塑性という。
金属は,この塑性状態になるとエネルギー吸収能力がガクンと低下するのだ。
形状その他が同じでも,塑性しにくい材料を使ってやればエネルギー吸収量は増える。
というわけでハイテンのお出ましとなる。

逆に,材料をハイテン化することで,エネルギー吸収能力をそのままに板を薄くすることができる。
板を薄く出来るということはすなわち軽量化につながる。
昨今の自動車は装備が雪だるまのように膨らむ一方,排ガス他の規制で重量は制限される。
その上で衝突安全性能を維持したいなら,ハイテン化して薄板にするしかない。
引張強度を更に上げれば,もっと薄板に出来る(単純計算上は)。
そんなわけで今では超ハイテンに超々ハイテンにウルトラハイテンと絶賛インフレ中である。

じゃあどんどんハイテンにしてどんどん薄くすればいいのか,というとそんなわけはない。
というより,薄くすることで悲鳴を上げ始める機能はゴマンとある。
基本的に,鋼板の薄板化は剛性の低下にストレートにつながる。
断面積は減るし断面モーメントは下がる,メンバーがグニャグニャして操縦性はがたがたになる。
屋根が薄けりゃ雨音は煩いし,床が薄けりゃ路面振動で地震のごとく揺れる。
挙げればキリがないくらい弊害だらけだ。

メンバーの剛性なんて,断面形状で工夫すりゃいいんじゃないの?
構造力学を知っていればそう思うかもしれないが,ここでハイテンの特性が邪魔をする。
ハイテンは強度が高い分,延性が低い。要するに成形が難しいのだ。
生半可なプレス機では,狙った形状にならずうにょ~んと戻ってしまう。
何度かプレスを繰り返せば狙いのカタチになるかもしれないが,下手すると今度は割れる。
複雑なプレスラインなどもってのほかで,プレス機上げてみたら裂きイカになっていたりする。
最近は,特に国内サプライヤはこの辺の対策に熱心で,かなり解決はされてきている。
が,外国,とりわけ技術途上のASEAN他の工場には関係のない話だ。

つまるところ,ハイテンの多用は高剛性ボディになるどころか,間違えると剛性低下を招くのだ。
それでも技術屋は,適材適所にハイテンを使って軽くしつつ,肝は押さえて剛性を出している。
強度と剛性,コストと重量,複数の要目をバランスさせて最適化する地道な作業だ。
「高張力鋼板を多用することで軽量高剛性なボディを実現」なんて1文では済まない。
この文章を見て「高い材料使って良くしたんでしょ」と安易に思わないで欲しい。


最後に,ハイテンを使った軽量高剛性ボディの作り方を紹介しておこう。

一番の正攻法は「剛性は要らないけど強度は要る部品を薄板ハイテン化する」ことだ。
そして,薄板にして浮いた分の重量を振り分けて,必要な箇所の剛性を出していく。
発想としてはオーソドックスだと思うが,効果も微妙でやや時代遅れ感がある。
「剛性は要らないけど強度は要る」なんて妙ちくりんな部品はそんなにはない。
せいぜい270MPa~440MPa級の部品を590MPa級にするくらいのレベルの話だ。
ミラージュの作り方なんかまさにそんな感じである。
上記の文章もこの作り方を前提にして書いてある。

そうした地道なプラスマイナス法に代えて,最近にわかに流行っている手法がある。
ダイハツのDモノコックというのがまさにそれである。
なんと,通常270MPa級で作られるサイドアウターパネル(最外板)をまるっとハイテンにしたのだ。
そしてさらに,ハイテンにして板厚を下げたのかと思ったら,逆に厚くしてある(1.5倍)。
従来ただの板だったサイドアウターパネルを,剛性部材かつ強度部材にしてしまったわけだ。
結果,サイドストラクチャーの内部から補強部品を排除することに成功。
おかげで,アウターが厚板化で重くなったにも関わらず,トータルでは見事軽くなったそうだ。
自動車設計の常識からすると突飛だが,構造力学的には極めて理にかなった方法だ。
これを思いついた設計サイドもすごいが,実現しカタチにしてみせた生産技術サイドも大概だ。

ちなみにマツダの場合,似たようなことをフロアあたりでやっている。
フロアの場合,材料強度上げても振動問題で薄くできないから無駄,と思われていた。
そこをマツダは「板厚そのまま強度上げて衝突時に頑張らせよう」と考えたらしい。
そうしたら乗員区画の骨格はそんなに頑張らなくても良くなったそうだ。
当然,ボディ剛性に関わる部分は部分でマツダらしくちゃんと配慮されている。

どちらの例も,やっていることは本当の意味でのモノコック化だ。
無理に骨を通して継ぎ接ぎするより,高強度の外殻でぐるっと包んでしまう。
あるいは,これこそがハイテンの正しい使い方なのかもしれない。


こんな感じで,どこの自動車メーカーの技術者もとにかく頑張って頭を捻っている。
もはやハイテンなくしてクルマは作れない時代に突入しているのだ。
そのハイテンも決して万能ではなく,付き合うには高い知見と発想力が求められる。
強度と剛性を混同している場合ではない。

Posted at 2017/06/16 00:10:46 | コメント(0) | トラックバック(0) | クルマの基本 | クルマ

プロフィール

「全楽論 http://cvw.jp/b/1230127/40004806/
何シテル?   06/28 00:10
人生うまく行かないことばかり。 ストレス発散にエコカーで非エコ運動中。
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