2013年01月16日
たまにはクルマの話以外のことも書いてみましょうかね。
今年最初の三連休は、新潟の山におりました。
2泊3日の冬山縦走です。
初日
朝6時に電車にのり、上越新幹線を乗り継いでJR六日町の駅についたのが8時40分。タクシーに乗って除雪された集落の最深部まで入り、そこから入山。
尾根道を上って八海山を目指しました。
初日は目が痛いほどの快晴。今回導入したルディプロジェクトの偏光調光サングラスが大活躍。超快適です。
冬山というと普通の人は遭難死亡事故(今年も同時期に多発して目立ちましたね)でおっかないというイメージがあると思います。ひとつは寒さ。まあ当然なんですが、雪山って寒いのは立ち止まっている時だけなんです。
動いている間はむしろ暑くて汗をかきます。
でもって冬山で怖いのがこの汗の処理。顔の表面の汗が気化するときに猛烈に熱を奪われるので、あっさり凍傷になっちゃったりするんですね。
汗かいてたのに気づいたら凍傷になって鼻が取れちゃったなんてゴメンです。
ロシア軍など厳冬を行軍する軍隊は、幕営時に人海戦術で細かく交代して作業するんだそうです。理由はひとつ、汗をかかないため! マイナス数十度のシベリア内陸なんて冗談じゃないくらいの寒さ。
当然休憩したりして停まっているとあっというまに寒くなります。ほんとに体温調節との戦い。
初日はこうして体がやっと慣れたころに終了。16時にラジオで天気図を書いて、明日明後日の天候を考える。
夜は満点の星空。雪山でみる夜空は天然のプラネタリウムです。天の川が煙のようです。でもたぶん明日は雪。
飯を食ってお茶を飲むとあっという間に眠りに落ちました。19時までもたなかった。
2日目
4時に起きて準備。さっさと朝飯を食って6時に出発。昨日とは打って変わって朝から雪。
ヘッドランプの光を頼りに先発隊がルート工作してくれたトレースを歩き続けます。縦走路は吹きさらしで氷点下の強風が吹き付けるので
素肌を出してるとあっという間に凍傷です。目出し帽忘れたりオーバー手袋落としたらアウト。
冬山では絶対に下にモノを置いちゃいけません。外す時は全部ジャケットの胸の中にたくし込む。
先輩でもちょっとした作業で手袋を外した途端風で飛ばされ、凍傷を負っています。
その他、ピッケルを握り続けることでも血流が滞って凍傷。
靴紐を締めすぎて血行不良で凍傷。
なんでもかんでも凍傷。
強風が吹き付けるとピッケルを思い切り地面(雪)に突き刺してやり過ごします。
そんなこんなで明るくなり、あたりは真っ青な世界に。
一瞬ガスが切れたときに見える辺りの景色は絶景。モノトーンの世界ですけどね。
日が昇ると今度は真っ白の世界に。細かい雪はもうどっちかというと氷の粒みたいなもんで
ジャケットやザックにバラバラバラバラと当たります。おっと素肌はNGです。
9時頃、だだっ広い雪原に大きな雪庇があり、その壁で雪洞を掘って待避しました。
雪洞はつまりかまくらです。自然の雪の壁にスコップで部屋を掘るんですが、けっこう快適です。
中にいると外のブリザードなんて全くわかりません。静かで常に気温0度の世界。
そこで各々ボリボリせんべいを食ったり、チョコを食ったりして談笑。けっこう楽しいんですよね。
このまま嵐が止まなかったらここに何時間とどまることになるかわからないので神経張り詰めてますけど。
小一時間、カラダも冷え切り奥歯がガチガチ言い始めるころ撤退決定。残念だったねまたこんど!と来た道を引き返しますが
当然もう歩いた後は見えません。所々赤布をつけた目印を辿って帰ります。
14時幕営地に戻りました。
もうこの日は何の予定もありません。テントごとにお茶を飲んだり、ポップコーンを作ってのんびり過ごしました。
16時、またラジオで天気図を作る。うーん、もしかして東京(太平洋側)のほうが天気崩れてるんじゃないかと予想。オレ雨具もってきてね〜とか、ワカンもアイゼンもあるから大雪でも大丈夫!とか冗談言っているうちに就寝。19時前w
3日目
5時起床。飯を食ってテントをたたんで下山開始したのが7時前。
もうあとは下るだけだからと意気揚々。一歩歩くごとに、「ビール、ビール」と呟きます。
標高が低くなると段々雪も重くなってきて、こりゃ下界は雨かとテンションが下がる。
3時間予定していた下山時間も結局ビールパワーで2時間かからなかった。人間て現金なもんです。
麓からタクシーを呼び、乗り込みましたがエアコンの熱に疲れがどっと出て、わずかな時間で熟睡。駅近くの温泉で汗と雨でずくずくになった衣服を着替えてリフレッシュ。
反省会と称して駅近くの居酒屋(11時開店!!)で昼から宴会。ビールって本当にうまい飲み物でございます。
13時の電車に乗って帰京するも、それぞれ家族に下山報告をすると東京は大雪だときいて、帰れるのか、電車動いてるのかと大騒ぎに。
結果、クルマでいかなくて本当によかったと胸をなで下ろし、18時頃自宅に到着しました。
3日ぶりに会った息子をさんざんいじり倒してチュパチュパして、奥さんに御礼を言って連休を終えました。
Posted at 2013/01/16 19:23:15 | |
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