RS250　スピードメーター不動の原因を探る-笑撃編-

4,488km
スピードメーターが不動になった原因は前輪のメーターギアにあると判明しましたので改めて摘出します。

手順はＦホイールを取り外す時と同じでバイクスタンドで前後を持ち上げてＦブレーキキャリパーを適当な所に吊り下げた状態にしてから取り外し、スピードメーターケーブルを外したらアクスルシャフトを抜き取り前輪を取り外し、スピードメーターギアを抜き取ります。

メーターギアの内側のカラーはタイヤのセンター位置出しに必要ですので取り外し、アクスルシャフトに戻してタイヤの仮組み付けに使用します。

摘出したメーターギアをストックのジャンクパーツと同じように分解してみます。

中のギアやワッシャーも揃っています。

が！？

取り外した部品を洗浄してみるとウォームギア（っつかヘリカルギアっすな）が明らかに磨耗して痩せているのが分かります。

これでは再利用する事はできません。

付着していたグリスも泥を噛み込んでいたのか固くなっており、なかなかきれいになりませんでしたので回転を伝える時に抵抗が大きかったと思われます。

抵抗が大きくなって歯が磨り減ったのか、歯が磨り減ってその金属粉で抵抗が大きくなったのか分かりませんがこれによってホイールの回転方向にギアを押すように力が加わり真鍮の部品が押し出されて速度検出が出来なくなってしまいました。

緩んだ事によってギアの歯が面ではなく浅く先端だけが引っかかるようになった事で磨耗が進んだものと思われます。

いずれにしても整備不良という事です。

長らく謎だった突起はグリスニップルのためのボール弁と分かりましたが、これも固着しており、全く機能しませんでした。

試しにドライバーの先端で押し込んでみるとそのまま引っかかって戻ってこなくなってしまいましたので中の状態も良くないようです。

VEGLIAはヴェスパからフェラーリまで広くイタリア車を中心にメーター関連の部品を提供していた老舗時計メーカーですが、現在は製造しておらず新品部品を入手することは困難だと思われます。

このページにたどり着いた人は既に同じ症状に見舞われているとしたら手遅れかもしれませんが、このボール弁が機能しているならやはりグリスアップ、それも出来ればギアを取り外して内部の清掃してあげる事で部品を少しでも延命する事が出来ると思われます。