松前藩戸切地陣屋（北斗市・旧上磯町）

安政元（1854）年神奈川条約締結後、幕府は外国船渡来により不測の変に備えて翌２年、津軽・南部・仙台・秋田・松前の5藩に分担警備させ蝦夷地防衛の強化を図りました。松前藩は七重浜から木古内までを分担し、その陣屋としてこの松前藩戸切地陣屋を構築しました。
基本は蘭学の築城書による四稜堡で、大砲6門を据え宿舎22棟を建て、備頭竹田作郎忠憲以下１隊の兵を駐屯させましたが、士卒の家族を移して守備のかたわら付近の開拓に従事させ屯田のかたちをとりました。
明治元（1868）年、箱館戦争の際、駐屯の松前軍は陣屋を自焼して退きました。この陣屋は保存状態が良く、幕末における北辺の国際情勢を窺うによく且つ西欧風の影響を知る資料として築城史上価値ある史跡であるため、昭和40（1965）年3月18日、国の史跡に指定されました。陣屋跡へ続く桜並木のトンネルは、桜の名所として知られています。
（現地説明板などより）

Photo Canon EOS 5D MarkⅢ
H27.7.17
住所: 北海道北斗市野崎66-10