かめい堂のブログ一覧

ミニフェチはなぜ、MINI を手洗いするのか
MINI オーナーではあるけれど。
MINI というより尻フェチなる僕でも洗車はする。
ワタシの MINI だと主張するけれど。
MINI というより貯蓄フェチの鬼嫁は洗車をしたことがない。
汗水垂らし、自らの手を汚し、MINI を洗う者がより
オーナーに相応しく、愛情も濃いのだ、と考えるが。
例え愛情があっても ...
資金がなくては MINI を維持することはできぬのだ、と。
あたりまえのことを当たり前に言う鬼嫁の説は、誠に正しい。
ではなぜ、僕は。
炎天下であろうと、台風の中であろうと、妻に罵倒されようと、MINI を洗うのだろう。

なによりも通帳を愛す鬼嫁の価値観からすれば、
外で使うものを綺麗に洗うという行為は無駄以外のなにものでもないのだ。
仰せの通り。
丹誠込めて拭き上げたボディも、一日経てば、うっすらと埃が被る。
雨が降れば、ボンネットやルーフを飾るのは、ウォータースポットの醜いシミである。
自分の作品は、自然という環境の中で、時と共に汚されゆくのである。
だから、そんなことに時間と体力を費やすのであれば。
キッチンの、レンジフードに溜まる油でも落としてくれ、と。
そう言いたい、鬼嫁の気持ちもわかる。
それでも僕は暇があれば、MINI を洗う。

振り返れば先代 mini も、手洗いであった。
ナルホド自分は、無償の労働に歓びを見つける、ワーキングフェチなのかもしれない。
でも、キッチンの油落としはやらない。
であれば、単なる洗車フェチなのか。
しかし、世の中は広い。
みんカラで知る限り、早朝洗車隊や、仕事中洗車隊や、ズル休み洗車隊がいる、
というではないか。
そんな達人を前にすれば、マンション脇の敷地で人目を気にしつつ細々とバケツ洗車している
自分など、洗車という行為にフェティシズムなど持っていない、のではないか。
ではなぜ。
僕は、MINI を洗うのだろう？

柔肌の熱き血潮に触れもみでさびしからずや道を説く君
バウハウスの流れに従いながら、そのモダニズムデザインを部分的に否定する
ポストモダンなボディを。
朱里エイコの、一億円の美脚のように、起伏に富んだあのフェンダーを。
白山陶器の如く、きめ細かく美しい塗装面を。
シャンプーの泡だったスポンジでなぞる、その刹那。
それは、無機質な金属がやわ肌へと変貌する瞬間だ。
明治の時代、与謝野晶子は既に、フェティシズムのなんたるかを、
みだれ髪にて謳っているではないか。
そうなのだ。
MINI を手洗いするには、わけがあったのだ。

僕は単に、MINI フェチだったのだ