ダブルウィッシュボーン。！！！

　前回の記事で、「ダブルウィッシュボーンを有り難がるのは、素人。」と書きましたが、その理由を書こうと思います。

ウィッシュボーンと言うのは、鳥の胸骨のことです。

鳥の胸には、橋桁型の骨があります。

この形のサスペンションアームを上下に配置したのがダブルウィッシュボーンです。



レーシングカーのダブルウィッシュボーンは、上下等長の長いアームで出来てます。

ストローク時に、フリクションが少なくて、キャンパー変化がなく、安定した接地が得られます。

フォーミラーの場合は、ハブナックルに直接プッシュロットが付き、トーションバーに付いたカムで入力方向を変換してダンパーに接続されます。
ダンパーなしで、トーションバーのみの場合もあるます、最近のF1では、エアロパーツによるダウンフォースで減衰するので、フロントサスがトーションバーも無しのリジットのものもあります。

対して、市販車のダブルウィッシュボーンは、アッパーアームが短く出来てます。

写真は、NDロードスター。



なぜ、市販車がこうなるかと言うと、旋回時にローリングした時にタイヤの接地面が傾くので、それに合わせてキャンパーコントロールを行うのですが、これが曲者。
　摺動抵抗が増えて、異音の原因になるので、大きめのゴムブッシュやピロブッシュを使うことになります。普通にドライブなら問題ありませんが、スポーツ走行で負荷を大きく掛けると、サスペンションのジオメタリーの移相が大きくなり、ストロークがスティックする原因になります。
　
なので、ダブルウィッシュボーンのスポーツチューニングは、ストロークを規制して、ダンパー、スプリングを固める。または、車高をサスペンションが動かなくなるまで下げるです。
　なので、ラリー車には、向きません。
なんで、こんなことになったかと言うと現在多用されるタイヤの扁平率が高いからです。

レーシングカーは、扁平率の高いタイヤを履きません、F1なんかは、１３インチホイールです。



サスペンションの構造は、シンプルであるべきだと思います。

リヤにダブルウィッシュボーンを採用なんて聞くと、馬鹿野郎と思ってしまいます。