アムロの歯医者さん「運命の日」

今日は、朝から雨が降っていた。

目覚めたアムロは、

「天が僕の代わりに、泣いているのか？」

と思った。

今日は歯医者さんに行く日だった。

「もう一回来てくださいね」

そう言われていた。

あの歯科衛生士の美人と会うのも、今日が最後になるかも知れない。

もう会えないのだろうか？

会えないことはないだろうが、しばらくは会えないかも知れない。

アムロは、ガンダムTシャツを取り出した。

今日はこれを着て行こう！

雨は午前中に止んでくれた。

アムロは予約時間の午後3時に歯科医院へ入った。

受付にいたのは、どこか見覚えある美人だった。

あれ？ こんな女性いたかな？

待てよ？ あの胸は？

アムロは胸元を確認して、彼女だとわかった。

あの歯科衛生士の美人だった！

今日は、眼鏡をかけていない。

だから、一瞬わからなかったのだ。

まさか、

「そろそろアムロが来るから、受付を代わるわ」

なんてことが？

あるわけないか。

今日は受付の美女は、いないのか？

アムロが診察券を渡すと、受け取った彼女は、しばらくして別の女性と交代した。

この女性も、なかなかの美人だった。

だが、アムロの趣味ではない。

アムロが待合室で待っていると、

「アムロさん、どうぞ」

あの歯科衛生士の美人が呼びに来た。

アムロは胸元を見ながら、椅子から立ち上がる。

「真ん中に」と最初言われたが、真ん中の椅子には先客がいた。

「じゃ、こちらに」

その隣の一番奥の椅子に案内された。

椅子は３つある。アムロは真ん中の椅子で治療を受けてきた。

一番奥の椅子には初めて座る。

「今日は奥の方から、一通り診ますので、苦しくなったりしたら、手を挙げて知らせてくださいね」

「はい」

「うがいをしてください」

「はい」

アムロのうがいが終わると、

「椅子を倒します」

「はい」

ウィーンと電動音がして椅子が倒れる。

頭が水平より下になって後、やや水平に戻される。

「口を大きく開けてください。そうです。ありがとうございます」

治療が始まった。アムロは、美人の目を見ながら、こう思った。

コンタクトをしているのかな？

それにしても、きれいな目をしているな。

「きれいな目をしているのね」

そんなセリフが頭に浮かんだ。

アムロの目線は美人の胸元を捉える。

やっぱり、良い！

間違いない。あれはDかEだ！

その時、美人の手の指が、アムロの歯に触れた。

手袋越しだが、アムロは嬉しく思った。

「はい、それではクリーニングは終了です」

美人はニコッと笑顔を見せた。

「次回は虫歯の治療をしますね」

え？

今日で終わりじゃないんだね！

アムロは、涙を拭った。

「は、はい！」

アムロは椅子から立って、鞄を持つと診察室を出ていく。

「お大事に」

そう言ったのは、姿の見えなかった受付の美女だった。

なんだ、ここにいたのね。

彼女は真ん中の椅子の患者のそばに立っていた。助手なのか、歯科衛生士なのかは、わからない。

「歯磨き、きちんとされてるようですね」

そう言ったのは、歯科衛生士の美人だ。

「この調子でお願いします」

「はい。今日はありがとうございました」

次回の予約は、なかなかの美人が担当してくれた。

「次回はいつが良いですか？」

アムロはその美人の胸元を見ながら、

「来週で良いです」

「一番早い時間が2時半です」

「じゃあ、それで」

78のBと見たが、どうだろう？

たとえ、好みの美人じゃなくても、胸元を気にするアムロだった。