リコール点検が4~5時間かかるので代車を出しますとのことで出してもらったのが何と電気自動車のEQA250でした。電気自動車、決して環境に優しいわけではなく、高い、重い、急加速で危険、車種によっては燃える、寒さに弱い、充電が大変…問題点山積なのですが、私はまだ乗ったことがなかったので、話のタネになるしラッキーと喜んで運転しました。
運転してみた感想ですが、一言で言えば、危険です。初心者は運転すべきではありません。
私のような走行百万キロを超えるベテランですら、最初は何じゃこれと思いました。
何故なら、普通にアクセル踏んだら凄い勢いでぶっ飛んでいくし、アクセルを放すと、強力な回生ブレーキが働いて、ブレーキ踏んだのと同じぐらい強烈に減速するのです。
ですから、極端に言えば昔のエンジンのノッキング状態のように、ギクシャクしたのです。
ユーチューブで、韓国のアイオニック5を借りて乗った人が、「急発進急減速の繰り返しで酔ってしまう。」と表現していたのがよくわかりました。
私は直ぐに慣れましたが、エンジン車にはない強烈なトルクがいきなり出ますから、アクセルは本当にそーっと踏む程度で足りるのです。
いや、ペダルに軽く足を乗せるだけで十分で、深く踏んではいけないのです。
試しに普通に踏んでみたら、あっという間に80キロまで急加速しましたし、そこでパッとペダルを放すと、急ブレーキに近いぐらいに回生ブレーキが働いたのです。
でも、決して悪い車ではありません。
流石にメルセデスで、シャシーの性能は一級ですから、曲がる、止まるには全く不安がないのです。
ただ、普通のメルセデスは、動力性能よりもシャシー性能が上回っていて安全なのですが、電気自動車に限っては、かなり危険なレベルだというだけです。
お値段は、メルセデスの電気自動車の中で一番安いこのEQA250ですら、補助金分差し引いても640万円と可愛くない額です。
それから、問題の1回の充電での走行可能距離ですが、422キロですから、普通の使用条件なら恐らく困ることはない距離です。充電についても、家庭の100ボルトでは無理ですが、街中に設置されている高速充電器だと、90キロワットのものだと45分で、50キロワットのものだと72分で8割まで充電できるそうです。
でも、ふと我に返って思いました。充電器が空いていたとしても、その前で45分も待っていられるだろうかと。
宇都宮から自宅まで約50キロあるのですが、運転していると、エンジン車でいう燃料ゲージが、見る見るうちに減っていくのがわかりました。
確かに、満タン422キロと考えるとリーゾナブルな減りなのですが、私のC220dだと、満タンで1200キロは楽に走りますから、50キロ走った程度ではほとんどわからないぐらいの減りなのです。
ですから、電気自動車は、まだまだ長距離を平気で走れる車ではありません。
パワーですが、トルクの数値で言えば、私のC220dは、エンジンは440n/mを1800~2800回転で発生させる上にハイブリッドモジュールで、208n/mを補助的に100回転で発生させます。
それに対してEQA250は、370n/mの出力を常に発生させることができますから、単なる最大数値だけでは圧倒的に上回るC220dですが、エンジン車は基本的には回転に応じてマイルドに数値が上がっていく特性がありますから、いきなり最高出力がガツンと来る電気自動車とは比較ができないのです。
また、加減速が急激で、タイヤの負担も大きな電気自動車は、タイヤがエンジン車の3倍減るそうです。
EQA250、車両重量が1990キロもあり、C220dよりも200キロも重いから余計ですが、今日運転してみて、確かにタイヤへの負担の大きさを感じました。
加速はともかく、減速は、エンジン車はディスクブレーキで間接的に減速するのに対し、電気自動車は、エンジン車と同じブレーキもありますが、回生ブレーキはもろにタイヤの逆回転の負担がかかりますから余計です。
タイヤの粉塵公害も問題で、海外では海や池に流れ込んで、魚の鰓に詰まって死ぬケースも発生しているそうです。ブレーキダストにしても、ガソリン車の1000倍以上粉塵が出るとのしてきもあります。
また、回生ブレーキはブレーキランプが点灯しませんから、急減速して追突されるおそれもあるのではないかと危惧しました。
ですから、メルセデスらしさもある大変いい車でしたが、高価だし、絶対買う気にはならないと思いました。
Posted at 2024/03/24 22:53:26 | |
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