ダンガン純正(H20系)ステアリングをレストアしてみる その2
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
初級 |
作業時間 |
12時間以上 |
1
ボススペーサー作成にあたって、まずは現状使っている社外品とダンガン純正品のオフセット寸法を確認します。
現状はナルディのラリー350㎜でオフセットは81㎜弱。
現車上ではこれに50㎜のスペーサーが組み合わされている為、ステアリングボスの取り付け面からは合計130㎜オフセットになります。
ステアリングのオフセット量については、確かに概ねFETで公表されている通りの値ではありましたが…これって、グリップ側は中心軸基準でなく、端面を基準に測った値だったんですね。
2
つまりこの測り方だけでは、細めのナルディに太めのダンガン純正という、グリップの太さが違うステアリング同士のグリップ中心軸の位置の違いを比較する事はできないのですが、こまけぇこたぁいいんだよ!という事で無視します。
…で、ダンガン純正は42㎜。
3
という事で、純正品の特殊形状を躱せるスペーサーが出来ました。(左)
材質はA5056、厚さは後述の事情で26㎜ですが、取り付け穴以外の肉抜きをしなかった為意外と重量級になってしまいました。
市販の50㎜スペーサー(右)と大差無いかも…
また、表面処理が無い状態では非常に傷つきやすく扱いづらいため、アルマイト処理を業者に依頼します。
4
スペーサー製作が大方終わり、ステアリングのスポーク修正も済みました。
溶接フレームを引っぺがした痕跡も消えて、外観的にはもうこの時点で普通に使える状態にはなってはいるのですが…
折角ここまで手を掛けましたので、毒を食らわば皿まで。
今度はこのステアリング本体も業者に出します。
5
そうこうする内にスペーサーのアルマイトが完成。
施工頂いたのは神奈川県のアイワークスさん。
ステアリング交換に合わせてクイックリリースアダプターを装着するつもりでいた為、スペーサーの厚さが先述の26㎜になっています。
組み合わせるクイックリリースはNRGのGen2.8。
これは厚さが62㎜になります。
6
そして加工されたステアリングの帰還をもって、ようやく全てのアッセンブリー化が完了。
ここに130㎜オフセットでリリース機能付きの純正ステアリングが誕生しました。
しかし同じオフセット量とはいえ、奥のナルディ+通常のスペーサーと比べると、手前のダンガン純正+クイックリリースのシルエットのまあゴツイ事、オレンジアルマイト部分の塊感がハンパないです。
…そして気が付けば、加工開始からここまで来るのに実に5カ月近くも掛かってしまいました。
7
さてステアリングの加工内容ですが、これはやはり本革巻きでしょう。
元々程度はさほど悪くなかったとはいえ、それなりのくたびれ具合だったブヨブヨのウレタン巻きが全く見違えます。
施工頂いたのは北海道のCAR WASH SERVICE 888さん。
ベラブラウンのスムース革一本巻きにオレンジ糸の一目飛びかがりステッチでの新規革巻きです。
革巻きもさることながらとにかくステッチが見事で、ナルディの物と比べて糸が太い為、非常に存在感があって目立ちます。
但し、基本的には元のウレタンの上への重ね巻きになる為グリップ全体が太くなり、元々太めのこのステアリングでは結果としてかなりの太巻きになる為、好みが分かれる部分であろうと思います。
恐らく技術的には、ウレタンを除去して樹脂でグリップ基部から作り直す事も出来るのではないかと思いますが…恐ろしい金額になりそうです。
8
装着
…無銘の純正ステアリングとは思えない佇まいです。
ナルディの頃と比べて重量がかなり増している為操舵の軽快さは犠牲になりますが、その分路面からの入力も大きく減衰してくれるようになる為、スムース革の肌触りと相まって車格が上がったかのように手応えがしっとりしたものになります。
またこの車の場合同じ理由で、コーナリング中にパワステのON/OFF切り替えが発生した場合に生じる不快なキックバック(と言うか、一瞬のロックと言うか…)も伝わりづらくなる為、手首に優しくなりました。
一方、本来の純正品を超える重さのステアリング一式が大きくオフセットして取り付く為、ボスの勘合部やシャフト等への弊害が無いかは少し気になりますが。
もちろんこんな改造はしなくとも、スポークの再塗装と革巻きをするだけでも、運転中は常に触れている・見えている物だけに印象は大きく変わりますので、社外品を買うつもりでレストアしてみるのもいいかも知れません。
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