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シケイカ★わらしべマダムキラーのブログ一覧

2024年03月13日 イイね!

レースゲー世界はモブ車に厳しい世界です

かつての栄光は何処へやら。
今や斜陽となった感のあるレースゲームの潮流は、自身を含む40歳前後の車オタクのオッサンの成長と共にあったようなものでしょう・・・葉っぱとか鍵のエロゲもな。

スーファミのマリオカートに始まり、実車のNAロードスターを使用したリッジレーサーの筐体、セガラリーなどのアーケードゲーム(今の若者はコインゲームと言うそうな)、そして据え置き機の名作たち。

そんな中でも、特にプレイステーション用ソフトとして発売された初代グランツーリスモは、まさにシンギュラリティな存在でした。
それまでのゲームとは一線を画す、美麗なグラフィックで現実に街中を走っている車を操る衝撃と喜びは、免許取得前の多感な14歳には筆舌に尽くし難い感動体験でありました。

それから雨後の筍のごとく現れる、実車再現型レースゲームたち。
激化するシェア争いは差別化を促し、マニアックな街中の背景に映ってそうなモブ車を再現するキテレツなゲームがあらわれるようになります。

グランツーリスモに対抗意識バリバリなドリキャス用ソフト、SEGA・GTに収録されたJT150ジェミニの3ドアハッチC/C、なぜイルムシャーじゃないの?

SEGA・GTには、U41ミニキャブトラックもいたりします(意外とレースゲーは軽トラの収録が多い)

期待の新作グランツーリスモ2は収録車種が激増、B15サニーVZ-Rを筆頭に新規格軽自動車の一斉収録など、国内外メーカーのモブ車が一杯でハッピー!!

内容的にも、ゲームにかける製作陣の熱い思いが透けて見えるようで、今でもグランツーリスモシリーズで一番の神作だと思うのです。

製作陣の熱い思いと言えば、Genkiソフトの首都高バトルシリーズや街道バトルシリーズも凄いものでした。
アンダーグラウンドな題材もさることながら、サーキットではない実在の公道を好きに走り回れる、今で言うところのオープンワールド的な縛りのない世界観にド嵌まりしたものです。やっぱり自動車が題材なら、自分でドライブして好きな所に行きたいじゃないですか。

そんなGenkiソフトも車種設定がヤバかった・・・AE82のカローラFX、AE92のレビン/トレノや初代アルシオーネなんて序の口。

まさかの、カルタスクレセントハッチバック!!


よもやの、RZ-1!!


だから思ったんです、思っちゃったんです。きっといつかはモブ中のモブ、シャレードで色んな道をドライブできるゲームが出来るだろうって。
でもそんな願いは叶う事無く、免許を取って実車に乗れるようになると同時に、すっかりゲームもしなくなってしまいました。

さぁ、長い前置きはここまで。ここからが本題です。
つい先日、発熱して出勤停止になり、感染対策で家族とも別室で隔離生活を送っていて、本当に暇だったんです。

暇を持て余していると人間、ろくな事を考えないもの。なるべく手を出さないようにしていたというか、嫌悪感すら抱いていたスマホゲームをやってみようと、突然思ったのです。
そこでいくつかレースゲームをダウンロード。最初は面白がってやっていたのですが、資本主義の当たり前か課金前提のゲームバランスの影響で、なんか薄っぺらというか、ちっとも面白くないのです。

諦めずに色々ダウンロードするも時間の無駄にしかならずに辟易。
そうした無為な気持ちで、何も考えずにダウンロードしたのが、オーストラリアのゲーム製作会社Timbo Jimboの配信している「static shift racing」(スタティック・シフト・レーシング)でした。

ローディング画面の時点で他のスマホゲーとは一線を画す、オーラというか熱量を感じるのです。
この手前から3台目の車種は大改造されているけど、ピラーの感じからA175ランサーEX?まさか奥のセダンはワンダーシビック?

ワクワクしながら始まったチュートリアル。

あれ?なんか既視感のあるテールやトランクの造型だな~と思いつつも、黄色でオーバーフェンダーが付いている事から、えらくデフォルメされたランチアデルタだな~としか思ってなかったんです。

そしてチュートリアル終了・・・

アイエエエ!?シャレード!?シャレードナンデ!?

きっとこれは妖精さんのしわざ。20年近く満たされない欲求が熱のせいで暴走し、脳ミソがエラー吐いているのに違いありません。おお、ナムアミダブツ!なんたる禍々しい光景か!



G11シャレード前期CXやん!!
「MATUDOKI・RUSE」(マツドキ・ルース)なんて架空の初期車ですが、凄いビートが聞こえてきそうだぜ!!

サイドマーカーの位置や微妙にフロントが間延びしたスラントノーズな事から、おそらくモデリングデータが後期だったのかと思われます(後期はノーズが長い)

でも前期ノンターボ車ならではの六角形ペンタゴン穴のグリルまでキッチリ再現されているのなら、そんなのは些事と許せてしまえます。

しかもちゃんとCBエンジンが再現され、走行中は本物からサンプリングされたであろう独特の3気筒サウンドが堪能できるのです。(他の車でもエンジン音がシャレードなのがご愛嬌)

TJスペックって、普通に考えたらTimbo Jimboの略なんでしょうけど、まさか中華の天津夏利の型式のTJじゃあるまいな〜

それだけでも発狂モノなのに、オープンワールドの街中や峠を走り回ってバトルやトライアルをクリアすると開放される、カスタムパーツの数々に怯えろ!竦め!
これは、シャレード原理主義者による陰謀なんだ、わたしは詳しいんだ!

G11シャレードならではの、ドルフィントップ。


ノー・ノー・ボーイな後期化も自由自在。




ターボグリルにホワイトパック化。


前期デ・トマソターボ専用グリル。


後期デ・トマソターボバンパー。


デ・トマソターボ風リアスポイラー。


5ドアなのにデ・トマソターボ風サイドステップ


デ・トマソターボ用リアバンパー

海外マニアが作ってる、5ドアのデ・トマソターボが出来ちゃいます。

これも海外マニアがやってるのを見たことがある、G100シャレードGT-tiバンパー流用。(インタークーラー導風口がRH側にもあるのが惜しい)


モデラー氏が歴代シャレードへの造詣が深い事を感じさせる、初代シャレード後期風の斜めスリットグリル。


極め付きの純正フェンダーミラー!!

まさかド初期のカタログモデルの5ドアCXドルフィントップまで再現可能とは!!

そして課金アイテムとしてお出しされる、幻のグループBカーシャレード926R!!(ランサーEXだと思った車の正体)


ソシャゲで課金なんか絶対にしないと誓っていたのに〜マニア様”拷問“の時間です~くっ殺せ。

これぞ、「シャレードマニアの、シャレードマニアによる、シャレードマニアの為のゲーム」

ところがギッチョン!!
初期車にはシャレード以外に、ワンダーシビックのセダンまでもが選択可能なのです。ナニソレ、コワイ!


微妙に語感や意味がシビックっぽいパブリックとは素晴らしいネーミングセンス。当ゲームでも課金アイテムとして用意される3ドアハッチだと他ゲームでも見かけるのですが、セダンとなるとシャレードに匹敵するチョイスでナイスだね。

こちらもカスタムでセダンSi化したり、後期化やUS仕様を作れちゃうのでメチャクチャ遊べそう。



モチロン、この手のゲームでお約束の、AE86、S13、FD、インプにランエボあたりの定番車も収録されており、マニアック過ぎないようにバランス調整されてるんですが、それ以外にも他ゲームでは見かけない顔ぶれがチラホラ。

81チェイサーは、前期化できなかったりサイドウィンドワイパーが無かったりで、拘りという点では少し残念な仕様。


六本木カローラなBMW3シリーズは、ワゴンボディのツーリング化も出来るんで、広報車の赤ボディ・白メッシュホイールが作りたいな~



グラフィックが使い回せるのに中々見かけない、北米仕様の240SX、いわゆるワンビア。


14台しか収録してないのに濃すぎ、ヤメロー!ヤメロー!こんなのってないぞ…Timbo Jimbo=サン、いい加減にしろよ・・・イイゾ、モットヤレ!!


Posted at 2024/03/13 18:51:46 | コメント(1) | トラックバック(0) | シャレードがいっぱい | 日記
2023年07月06日 イイね!

中華のミニバン型シャレード② チャイニーズ・バレット(中华子弹头)CHB6401TAのすべて

「竜頭蛇尾(りゅうとうだび)」
初めは勢いがよいが、終わりのほうになると振るわなくなること。頭は竜のように立派なのに、尾は蛇のようにか細くて、前と後とのつりあいがとれない意から。

・・・かつて名実ともに、そんな中国の故事を思い起こさずにはいられない、中華シャレードのミニバン型コピー車が存在していました。


●チャイニーズ・バレット(中华子弹头)CHB6401TA

天皇陛下のインテグラ(DA型)のフロントフェイス。


スプリンター・カリブ(E90型)のリアスタイル。


そしてシャレードの経済性と耐久性(汚ねーエンジン)





かくして、その実態は!?




北京中華汽車のチャイニーズ・バレット!!


「北京中華汽車」は、アメリカで複合材料を専門とする科学者として成功した、唐金生という人物が1994年に設立した会社です。

唐氏は、それ以前の1980年代にも「深圳中国汽車公司」というメーカーを立ち上げていました。

「深圳中国汽車公司」が1987年~1988年に生産した中華BS111Vは、1986年に販売された天津ダイハツの初代夏利をFRPでコピーした、最も旧い中華シャレードコピー車の1台と思われます。


ただコピーするだけではなく、ソシアル風セダンやピックアップなども生産されていました。


う〜ん、何たる尊厳破壊!!

天津ダイハツが1989年にG100シャレードベースの2代目夏利の生産に着手する以前、1988年には既に欧州仕様(ヘッドレスト形状より)をコピーしたピックアップボディを試作。

パワートレーンを輸入したと思われる木箱にダイハツの刻印がある辺り、おそらく何らかの形でダイハツが関与してるんじゃないでしょうか?

しかし「深圳中国汽車公司」は、政府から安全性に問題ありとされ全国に自動車を販売する許可を得ることが出来ず、失意の唐氏は自動車への複合材料の「焼き入れ」理論に興味を持ったゼネラル・モーターズの招致でアメリカに渡る事になります。

そしてアメリカで有名な科学者になった唐氏は、1992年に中国自動車業界にカムバック!!
アメリカ帰りというネームバリューを活かし、あっさり政府から自動車生産許可をもぎ取るのです。

「チャイニーズ・バレット」は、中国にとって革命的な自動車となることを目標に中央政府から各種の政治的支援や資金援助を受け開発され、唐氏の専門分野を活かした一体成型のFRP製ボディに、ダイハツとのコネクションを活かして入手した夏利のパワートレーンや各種パーツを組み合わせて、1996年より販売が開始されました。

【外装】
厳密にはミニバンじゃなくてステーションワゴン?
でも日産プレーリーにインスパイアされてハイルーフ化してるらしいんで、やっぱりミニバンという事にしておきます(笑)



こうも様々な要素が露骨にパクられるなんて、逆説的に言えば当時の日本の自動車産業が世界に与えた影響が偉大過ぎるのでは・・・しかし、あのトヨタですら最終ヴィッツで払拭面積を確保するのに難儀したと言われている1本ワイパーは、まともに使いモンになったんだろうか?

ドアパネルだけは夏利のプレス品をそのまま使用。横から見るとシャレードのバリエーションなのが、よく分かります。

FRPのボディは錆びないけど、ドアだけグサグサ。

いくら草ヒロでもシャレードは、こんなに錆びないので製造品質は中華クオリティ。なんでもベースの夏利もホワイトボディが雨ざらしだったんだとか。

一体成型ボディの弊害で、まさかのリアゲート無し!?

剛性は高そうですが、トランクの荷物を出し入れするのに一々リアシートを倒さなくゃいけないのは使い勝手最悪かと。

テールレンズは上海GMで生産されていたシボレー・ルミナAPVの物を流用しているようです。


【内装】


内装は、汎用品と思われる4本スポークのステアリングを除いて、シートやドアトリムなども夏利と完全に共通です。

【マイナーチェンジ】
発売翌年の1997年、流石にインテグラをパクったデザインにクレームが入ったのか、ヘッドライトが一般的なものに差し替えられ、それに伴いバンパー形状も変更されています。


1998年には、新たに始まった環境規制に対応する為、EFI化がマストとなった結果、エンジンを日産製GA16DE(パルサーX1Rと一緒のエンジン)に換装、同時にフロントマスクが近代化されています。

FRP製軽量ボディ(800kg)にテンロクツインカムとか、絶対速いヤツですやん。

【輸出仕様車】
正式に輸出された訳ではありませんが、1997年にGMが研究用として購入した個体が、アメリカ大陸の土を踏んだ最初の中国車になったそうです。



【試作車】
インテグラ顔のソシアル、こっちはハイルーフじゃないので車体骨格自体も夏利のコピーかと(もちろんFRPボディ)

それより、後ろに写ってる「力のキャリィ」(ST20?)っぽい箱バンのフロントドアノブが国内仕様と違うのが気になります。(日本仕様・縦型 中華仕様・横型)

1997年に北京タクシー管理局は、チャイニーズ・バレット5台購入につき、ちょっとやそっとでは認められない新たなタクシー運行の認可を1台分割り当てると規定する方針を発表しました。その為、北京のタクシー向けだけでも約2000台が発注されたと言われています。

そうやって官民一体となり鳴り物入りで登場したものの、ボディにクラックが入る、自然とガラスが割れる、ドアが閉まらなくなるなど、あまりにも品質が悪過ぎて多くのタクシー運転手や乗客からブーイングが続発。
しかも殆ど手作業で樹脂の積層をしていた為、生産効率も上がらず500台程度が生産されただけで、敢え無くチャイニーズ・バレットの生産は1999年に終了、翌2000年に北京中華汽車の工場は閉鎖されてしまいます。

ですが、そこはコピー大国な中華大陸のこと。
シャレードをコピーしたチャイニーズバレットのさらにコピー車が爆誕!!止まるんじゃねぇぞ。


●ボーラ・シードゥン(宝来喜登)EQ6400PL

2002年3月28日に開幕した順徳国際自動車展示会の外ホールにて、シトロエンや日産を現地生産していた「東風汽車集団」の小型商用車部門と、謎の新興企業「珠海雄牛高機能複合材料有限公司」が共同開発した新型MPVが、事前告知なしで突然発表されました。

あれ? 

見てのとおり、生産中止となったチャニーズバレットの生産設備や基本構成をまるっと流用して、いっちょ上がりしたんでは?


当時最新トレンドだった、プジョー206のチャイニーズアイを逆輸入した中華車という高度なギャグ?


リアスタイルのモチーフがスプリンターカリブなのは同じながら、デザインがE90型からE110型っぽく進化、今度はちゃんとリアゲートを備えるように改善されました。


価格は夏利の半額程度でしたが、高級モデルにはABS、パワーウィンド、パワードアロック、革シート、パワーステアリング、CDも装備し、2002年5月1日に販売を開始、年産2000台を予定します。

さらに同社のゼネラルマネジャー尚忠旭氏は、2002年下半期に5万~8万元相当のセダンの生産プロジェクトを始動、その後に約20万元相当のオープンスポーツカー(中身はシャレード)や50万元以上の超ロング(6、8メートル)リムジンなどを順次投入し、3年以内に自動車生産を1万台以上に拡大する計画をブチ上げます!!

まさに絵に書いた餅、お可愛いこと。
因果応報と言うか、やっぱり必然だったのか、元ネタが厄ネタであるだけに品質の重大な欠陥は相変わらず、僅か2546台のボーラ・シードゥンを生産しただけで、あっという間に合併会社は解散してしまうのでした。

そんな両車も、品質問題や大都市圏での公害防止条例による強制廃車処理により現在では殆ど残存せず、歴史の闇に消えていったかと思いきや、世の中には奇特な方がいらっしるものです。

アセットコルサというレースゲームに有志がモデリングした「チャイニーズ・バレット」が参戦!!


オリジナルのノンターボ1リッターでは勝負にならないことから、エンジンは後期の日産GA16DEの他、何とシャレードGT系に搭載されていたCB70型1リッターツインカムターボも選択可能なのだとか。


シャレードと一緒の内装まで再現され、ファンタジーと割り切っても胸熱過ぎる


シャレードの登場するゲームというとPCエンジンのゼロヨンチャンプがありましたが、まさかこんな形で遊べようとは、良い時代になったモンです。
Posted at 2023/07/06 22:00:46 | コメント(1) | トラックバック(0) | シャレードがいっぱい | 日記
2023年06月18日 イイね!

中華のミニバン型シャレード① アンダー(安達爾)AAQ6370のすべて

アグネス・ラムのCMが印象深い、G200系シャレードベースのミニバンこと、最後のシャレード直系「G」シリーズとなる、G300系パイザー。


コンパクトサイズのミニバンの先駆けとして、1996年のデビュー直後こそスマッシュヒットを飛ばしますが、その後はライバル車に埋没。
いつものダイハツ白ナンバー登録車のお約束コース、ドマイナー街道に1台さまご案内〜になったのでお馴染みかと思います。

わたしも、かつて前期1.5CX・シャンパンゴールド・4駆・MT・サイドウッドパネル仕様を譲っていただき乗っていました。今でも手元に置いておけばと悔やんでいる、パッケージングと走りのバランスに優れた良い車だったんですがねぇ。

しかし、そんなシャレードベースのミニバンが、大好物のG100系にも存在していようとは、このイカ男の目をもってしても読めなんだわ!!

とは言っても日本国内や欧米での話ではなく、毎度お馴染みの魔改造車の坩堝(るつぼ)、中華の地での話なのですが・・・

かの地で、国民車として愛された天津ダイハツ製シャレード「夏利」(シャーリー)。


惜しくも2016年に製造が終了し、2020年には製造メーカーの「天津一汽夏利」自体も、親分の「FAW」(中国第一汽車集団)から1元(約20円)で身売りされ「夏利」ブランド自体が消滅してしまった訳ですが、往時の「天津ダイハツ汽車」は提携元のダイハツに内緒でこっそり夏利の生産ライセンスを小規模メーカーに供与する事業で儲けていたようなんです。

今やベンツやボルボの筆頭株主となった「吉利」(ジーリー)、最初の量産車となった「豪情」や、それをベースとした一連のシリーズも、まさにそのケースだったようで。

ベンツ顔のシャレードとかいう真夏の夜の悪夢。こんなコンプレックス丸出しのデザインをしていた会社がベンツの親分になろうとは、なんと因果な。(吉利のシャレードシリーズもオモロイので特集したいな~)

もちろん、ライセンス供与を受けていたのは一社だけではなく、中華のお約束でもある非公式なコピー車も合わせれば、名状しがたいシャレードのようなナニかが無数に。

粗悪なコピー車の一例、作画崩壊したキャベツのようなシャレード(笑)

人民解放軍・第5408工場に源流を持つメーカーである小規模メーカー「リンコン」(陵港)が90年代初頭に生産していたKJ6380型ハッチバックなんて、もうナニが何やら?

おまけにソシアルとは似ても似つかない、6ライトのセダンボディ(ショートボディとロングボディの2種類)の存在も確認されています。

おそらく中身は長安アルトのコピーと思われ、ヘッドライトユニットやテールランプだけはサプライヤーから購入した夏利の本物っぽいところが、実にチャイナクオリティ。

主にタクシー用途に用いられ、一部は公安局のパトカーとして採用されていたようです。


━ そんな、イカがわしい魔改造車の中に、ミニバン型シャレードも存在していました!! ━


■アンダー(安達爾)AAQ6370

安徽省の大都市、安慶市に本拠を置く、小規模自動車メーカー「安徽安慶汽車工業」は、現地生産された日本の軽バン(特に天津ダイハツ製まゆげハイゼット)をベースに、都市圏で主流となっていたミニバス型タクシー「面的」で問題視されていた安全性の低さを是正すべく、1991年に次世代型タクシー車両を目指した5人乗りミニMPVの開発に乗り出します。

それに伴い、安慶市は1993年に「全市の力を利用し、全市の知恵を結集し、安慶市の自動車産業を発展させる」との目標を掲げましたが、小規模メーカーの宿命から、全てを自社開発する事は難しく、プラットフォーム、パワートレーン、各種パーツを夏利TJ7100から流用する形で開発が進められました。

車名も安慶市民から公募された「無事到着すれば安慶は繁栄する」という意味の語呂合わせの「安達」(アンダ)に一旦は決まったものの、商工局から黒竜江省に安達市がある為、行政区と同じ名前は使えないとダメ出しを食らいます。
そこで、苦し紛れに「安達」(アンダ)に「爾」(エー)を加えた安達爾(アンダー)が誕生します。


1995年にアンダーは正式に発表、奇しくも本家パイザーと同じ、翌1996年に生産が開始されました。


【外装】
う〜ん、フロントのブリスターフェンダーからリアまで続くサーフィンラインが、実にシャレード風味。



ちゃんとシャレードとしての要素が残されている辺り、雑なカーコラにしか見えなくて、とってもキモい(褒め言葉)

リア周りはもっと顕著にシャレードまんまで、テールゲートやテールランプは夏利の部品を流用。ルーフがどれだけ高くなっているか、よく分かります。(クリアテールは非オリジナル)




【内装】
ダッシュボードもエクステンション噛ませたシャレード。

デフロスターが仕事してない気が・・・

リアシート空間は、流石にミニバンだけあって広くて快適そう。

でも着座位置自体はシャレードと同じで、無駄に頭上空間が広いだけかも?初代ムーヴの試乗記で必ず指摘されていたポイントなので、妙なシンパシーを感じずにはいられません。

【パワートレーン】
エンジンも 、シャレードのCB型由来の993cc 3 気筒、47馬力に4速マニュアルが組み合わされ、車重はシャレードより150kg程度重い950kgだった為、動力性能はお察しの通り(最高速度110km)

【マイナーチェンジモデル】
2001年頃、マイナーチェンジを実施しています

コーナーレンズが夏利と同じ物に変更された他、ダッシュボードが新造されました。

近代化を図ったんでしょうがクオリティ低過ぎなプラスチックのお化け、これならシャレードのダッシュボードの方が良かった気が?

こんなんでも発売直後は当初の想定通り、7つの都市が一度に100台以上をタクシー用に発注。1996年の安慶汽車工場の年間生産台数は 1,136 台に達し、生産額は 8,000 万元を超え、わずか 3 年間で生産額は 100 倍近くに増加する好調なスタートを切ります。

しかし好調だったのは最初だけ。
大手メーカーが小型MPVの販売に乗り出すと、あっと言う間に販売不振による赤字に転落。2003年6月に「安徽安慶汽車工業」は倒産し、アンダーの総生産台数は僅か5000台程度に終わってしまうのでした。


ククク・・・だがな奴は四天王の中でも最弱。
まだまだ夏利ベースの中華魔改造車の世界は奥深いのです。

次回は、天皇陛下のインテグラ(DA)のフロントフェイス、スプリンターカリブ(AE95)のリア廻り、2代目プレーリーのユーティリティを持つ、ミニバン型シャレードをお送りしたいと思います。

それでは皆さん、See you nextバイバイ。
Posted at 2023/06/18 23:37:37 | コメント(1) | トラックバック(0) | シャレードがいっぱい | 日記
2023年02月04日 イイね!

回春イカ野郎は市原悦子の黒夢を見ない

市原悦子=デュエットのCMキャラ
黒夢=初代ムーヴカスタムのCM曲アーティスト


日本人男性の平均寿命81.47歳。(厚生労働省『令和3年簡易生命表』より)

大変です。子育てに明け暮れる内に気がつけば、わたしも四十路。
いつの間にか、人生とやらが半分終了しているではありませんか。

─思えば、恥の多い生涯を送ってきました─

恥多いことは数あれど、思い返されるのは厨二病まっ盛りだった時のことばかり。
年を重ねると子供の頃が懐かしくなるなんてのは、ふざけた幻想です(断言)

こんなにも黯然銷魂(あんぜんしょうこん)とした気持ちになる記憶なんて、思い出なんて暗黒に帰ってしまえ!!

時に西暦1997年。

リアルに14歳の私は、既に独立不撓(どくりつふとう)のシャレードマニアとして手遅れなのでした、マジキモい。

そんな微妙なお年頃の東京モーターショーに出品されたコンセプトカー「ダイハツNCX」こそ、かねてよりスクープ誌でシャレードの再来と報じられていた新型リッターカーでした。

しかし、高まる期待とは裏腹に、初見の感想はボディカラーの影響もあって「黄金虫」・・・その翌年、NCXはストーリアと名を変え市販されるのですが、「こんなんシャレードじゃねー」と、イマイチ心がピョンピョンしません。

愚かな。恋は盲目といいますが、シャレードをNTRされたような激情に駆られ、視野が狭くなっておったな小僧。

━━━その秋の事でした。

Tipoあたりを愛読し、イタフラ車に憧れる意識高い系エンスーを自称していた私の前に、かのジウジアーロ御大がデザインされた新規格表ムーヴが現れたのは。

神です、和製イタ車です。特にすっぴんのCGグレードが美しい。この年齢で廉価グレードスキーとか、おかわいそうに。


そんな素晴らしいデザインを改悪し、世俗に媚びて堕落した裏ムーヴなんて悪魔の手先にしか思えませんでしたが、まぁ世間様では、コレがバカ受けした訳で。

世間とは、いったい、何の事でしょう。人間の複数でしょうか。どこに、その世間というものの実体があるのでしょう。

それから20余年あまり。
社会の荒波に揉まれ、少しは世間というものを理解したような気でいました・・・

どうしてこうなった?

深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ。

今更ながら釈明と弁解をすると、布石自体は前々からあったのです。
2019年の秋に岡山で丸1日、九州の伝道師様の後期デュエット1.3を乗り回させてもらい、あまりの素晴らしさに感動。

かつてノブ氏に乗せて頂いたマスタードイエローの前期ツーリングも素晴らしく良かったなぁ。

影響されやすいと言うなかれ。ストーリアはダイハツ小型車の至高、一つの到達点ではないかと思うのです。
1リッターも1.3リッターもトルク感を伴いながら気持ちよくビュンビュン回るエンジン、ラリーカー並の補強によりガチッと堅牢な車体、絶妙のロールセンター設定から来る軽快なハンドリングとバランスの良さ、正にこーゆーので良いんだよ、こーゆーので系。(その辺りは是非ともノイマイヤー氏の試乗記を拝見されたし)

私が一番好きな自動車評論家、森慶太氏はベースになったL700ミラをして、軽自動車のW124Eクラスであると表現されましたが、さしずめストーリアは軽自動車のW201Sクラス(笑)

とはいえ、その直前に事故歴・水没歴・メーター巻き巻き疑惑のトリプル役満で相場より50万円近く安い2015年式インプレッサスポーツを契約していた為、ひたすら我慢、我慢。

当時僅か4年落ちなのに、あまりにもシケモカーだった為、躊躇なくフェンダーミラー化したのも良い思い出です。

今まで50台以上とっかえひっかえしてきましたが、1時間乗っただけで全身に倦怠感を覚え、長距離走行後は翌日必ず体調不良になる、リアル心霊的瑕疵事故物件カーなんて、実に貴重な経験をさせていただきました。(車検1年残の年式の筈なのに抹消されてた時点で気がつかないあたり、契約時も正気でなかった気が)

なんとか2年間、生気を吸われながらも乗り続けたものの、本物の火の玉を目撃した事から流石に限界を感じた事もあり、車検満了と同時に放出と思っていたら、ストーリア星人にキャトルミューティレーションされてしまいました。


トヨタ版にしか設定のない、最廉価グレード「リトルパッケージ」の4駆・MTの超レア仕様!!


おまけに岐阜のお花屋さんの社長がベンツのセカンドカーとして大切にされていた来歴を持つ箱入り娘という、この機会を逃せば2度と出会う事のないであろう個体!!

これまたノイマイヤー氏の解説が実に的確でオモロいので勝手に引用させていただきます。
【試乗車は装備が厳選された営業車グレードなのだが、これもオーナーのめがねを通してみれば「わお!日本ストーリアには無い欧州シリオン相当の素グレードやん!ほぼシャレードやん!」と映るのだ。】(引用終わり)

ちなみに普通のマニアが見ると「わお!リア手巻き窓で4WDやからストーリアX4のデュエット化けやん!メーターまで時計付き仕様のスリーパーやん!」と映ってニヤニヤ。(実話)

そうして乗り出してみれば、運転していて脳味噌が覚醒するような、この時期のダイハツ特有の乗り味の虜に。コレだよ、コレ。

こりゃ、末期は殆ど乗ってなかった事故物件インプレッサに替わり、実質的なファミリーカーとなっていた、2015年式HA36アルトの完全上位互換ではありませんか。
そうなれば、子供2人が大きくなってきたのもあり、アルトの手狭さが気になって仕方ありません。

プライドを持って乗れる個性的なデザイン、軽量な車体による550ターボ車並の走りとリッター30キロを軽く超える低燃費、セミオートMTのAGSも乗りこなし甲斐があって、あんなに気に入ってたのに、この尻軽男ときたら、もう。はい、いつものことですね。

家族会議の結果、軽ハイトワゴンへの代替えが遡上に上がり、NボックスやらLA150ムーヴやらを検討しますが、やっぱりピンと来ず興は冷める一方です。

やむなく登録車も候補に入れ、走行1万キロの初代パッソレーシーに決めようとした前日の夜、某中古車サイトにダイハツ認定中古車のL900ムーヴ・エアロダウンRSが降臨!!


天啓です、神の声が聴こえるのです。(たぶん幻聴)


えっ、裏ムーヴは認めないって話?
私も大人になったのです・・・だってエアロダウンカスタムって格好いいじゃん。

ダブスタクソオヤジ!!というなかれ。物事は良いか悪いかじゃなくて難しいこと考えずにシンプルに好きか嫌いかで判断すれば良いんですよ、私がそう決めた。(フェンダーのラインがL70ミラを彷彿とさせてタマラン)

何よりL900系裏ムーヴは、今回でお替り2杯目となるのです。
愛車紹介に登録こそしてませんでしたが、ダイハツオタクとして必修科目の4気筒JBエンジンを履修すべく、2016年~2020年までの間、前期エアロダウンカスタム(L902)を所有しておりました。

旧規格時代のJB-JLのような暴力的な加速を想像していたら、前期JB-DETは小径(VQ37)タービンで4気筒の薄いトルクと増えた車重を補うダウンサイジングターボ的な味付けで、スポーツ性よりも精密機械のごとき緻密な回転フィールとスムーズさを味わう高級・高付加価値エンジンといった趣きの強いものでした。

でもJBに乗りたかったとゆうのは半分建前、スギレンさんに乗せていただいた後期4駆カスタムターボ(EFターボ)が素晴らしかったので衝動買いしたってのがホントのところ。

えっ?また影響されてる。他人のふんどしで相撲をとってる?
ええ、分かってますとも。それって他人のふんどしを借りてでも相撲をとりたいという涙ぐましいまでの精神性を表すことわざなんですよね。

それならウチの嫁サマーも負けてはおりませんぞ。
私が乗りたくて買ったL902なのに、取り回しがよくて乗りやすいからと、半ば強制的にパッソと交換させられてしまったんですから。げに恐ろしきジャイアニズム ああ美しき夫婦愛。

この前期エアロダウンカスタムは2人目の子供が生まれた時点で、古い車に赤ちゃん乗せるのはな~というオタクにあるまじき気の迷いが生じ、アルトと代替しちゃったんです。
後悔先に立たず。結局は夫婦二人ともムーヴの方が良かったんじゃねとなったのが今回の乗り換えの発端だったり。やったね!!振り出しに戻る。

それでも個体の程度の良さはモチロン、所有欲が満たされる豪華な装備(純正HIDや3発RSのみのモケット内装、LEDメーターなど)、排ガス規制記号がGF-世代の最強スペックEF-DET(トルク10.9kgm仕様)の刺激的な走り、ロックアップが付くようになったMTモード付きATの秀逸さだけでも乗り換えて良かったなと、思わずにはいられません。

とはいえ、なんだかんだと御託を並べてみたところで、この辺りの年式がボーダーになってしまうのは、いくら認めたくなくとも、幻想ではないノスタルジーに相違ないのでしょう。

人に夢と書いて儚いとはよく言ったもの。人の生き死にに密接に関わる仕事柄、人の一生なんて儚いものだと思わずにはいられませんし、健康体で車趣味を楽しめるのだってせいぜいあと30年が良いところ。楽しめるだけ楽しんどかなきゃですよ。

これまでの20年は乗りたい車に片っ端から乗っていくのが目標でした。
これからの20年は、この相手にされない年式の2台を、本当の旧車になるまで、深く・長く愛でるのを目標にしようじゃありませんか。(そして残りの10年で熟成中のJターボをフルレストアするんだモン)
Posted at 2023/02/04 18:53:27 | コメント(3) | トラックバック(0) | シャレードがいっぱい | 日記
2022年09月03日 イイね!

ウクライナの自動車メーカー・ZAZ③/タヴリア派生車のすべて


                       
〈タヴリアのバリエーションモデル〉
1973年にインデックス"1102" が発令された時より、基本ボディの3ドア以外に、セダン、ワゴン、バン、ピックアップ等の各種バリエーションの展開が念頭に置かれていました。

●1105型ダーナ(1994年〜1997年)
1986年、数多の苦難を乗り越え、ようやく1102型タヴリア量産の目処が立ちました。
しかし基本設計から時間が経ちすぎてしまい、既にトレンドからは周回遅れであるのは必定。そこで、次期型タヴリアの開発が始まるのです。

「ダーナ」は、その計画の副産物ともいえるステーションワゴンです。ただ1102型タヴリアを、ステーションワゴンのボディに改造したものではなく、1102型の後継車として、技術的および経済的な指標が改善された車として再設計されました。

その為、ワゴンだけではなく、3ドア、5ドアも同時に開発されていました。


1987年にはモックアップが完成、1988年のモーターショーで走行可能なプロトタイプを展示し、1992年からの生産開始を予定します。プロトタイプはリアゲートがブラックアウトされており、インパネがタヴリア・ノヴァと同形状でした。





フロントフェイスの異なる試作車も検討され、後年に別の形で復活する事になります。



しかし、そのタイミングでソ連が崩壊してしまいます。
何とか予算の都合を付け、ザポロジェッツの替わりに1994年6月から生産しますが、本格的に量産される事なく小ロット生産のみに終わりました。



●1103型スラヴタ(1999年〜2011年)
4ドアセダンもダーナのコンポーネントを流用した兄弟車として同時に開発されており、1992 年〜1993 年までの間に量産開始が検討されていました。


しかし、ソ連崩壊からの一連のドタバタの中で4ドアセダンの開発は凍結されてしまいます。

そのままお蔵入りするかと思いきや、1998年に大宇が支援に乗り出した際、この4ドアセダンを見出し、生産終了していたダーナと悪魔合体!!
一見セダンのように見えてリアゲートを持つ、所謂ダイハツアプローズ方式のスーパーハッチを持った5ドアセダン「スラヴタ」が考案されました。




5ドアセダンというだけに、トランク容量は車体サイズからすれば広大で、通常モードで300リッター、後席のカーゴポジションで740リッターを誇り、実用的なトランクが必要なセダン愛好家や、5ドアのタヴリアを待っているがステーションワゴンは欲しくないユーザーにアピールするモデルという位置付けでした。



フロント廻りはダーナの試作車と同じデザインとされ、ボンネットフード、バンパー、ラジエーターグリルなどがタヴリアとは異なります。


町工場レベルでスラヴタをワゴン化したスラヴタ・ユニバースなんていう変わり種も。


1999年から生産を開始し、使い勝手の良さと価格の安さから、一躍スラヴタは新車販売のリーダーの座を手にしました。

その人気の高さを反映して、2007年にタヴリア・ノヴァがカタログ落ちした後も、2011年1月まで生産が継続されるのでした。(1ヶ月だけ生産の2011年ですら、年間新車販売台数11位!!)

生産期間全体で 141,898台が生産され、そのうち130,000 台がウクライナで販売されました。


●1103-28型ラゴダ(コンセプトカー)
2001年にモスクワで開催されたMIMSオートショーに出品された、次期型スラヴタと目されていたモデルです。




ロシア企業「Avtoselhozmashholding」と共同開発を行い、ロシア連邦のサンクトペテルブルク市にある企業の1つで製造、両国の市場への供給が計画されていました。

ロシアとの共同計画という点から、かつてタヴリア開発時にラーダから提供された試作車「ラゴダ」の名を冠しているのだと思われます。(だとしたら、えらいロマンティック)

ラーダ110から流用したヘッドライト、新造形の前後大型バンパー、インパネなど部品の約30%がロシア製に置き換えられ、2002年からの生産を予定していましたが、資金不足から実現しませんでした。

地味にボンネットの開閉が、衝突時に危険な前ヒンジ式から後ろヒンジ式に変わっていてコストが掛かっています。

●1305/1306型ピックアップ(1993年〜1995年)
1990年にZAZの特装車工場 「STC」(ZAZavtotekhnika)で試作され、1993年から1995年まで、ウクライナとギリシャの合弁会社で少数が生産されました。



450Kgの貨物の積載に耐えうるよう、リアセクションを再設計してセミフレーム構造化、ホイールベースを127 mm延長、リーフスプリング化しています。


荷台部分が別体化されている為、後の量産モデルより架装ベースとしては優秀でした。




●NYSA2477型(2009年)
2009年に突如としてポーランドの商用車メーカーNYSA社が、ZAZから協力を得て、1306型ピックアップをタヴリア・ノヴァ準拠にアップデートして再生産を行いました。



ポーランド以外にイタリアにも輸出されていたようですが、人気が得られなかったため、少数しか生産されませんでした。

●1701型フルゴネット
1305型ピックアップ トラックをベースにフルゴネットタイプのボディを架装したステーションワゴン。



テールライトは1105型ダーナと共通部品になる予定でしたが 、当時はまだ開発段階だったので半分にカットされたタブリアのテールライトが装着されました。


●11055型ピックアップ/フルゴネット(1999年〜2011年)
大宇資本が入った際、生産終了したダーナをベース(型式が同じ1105型の理由)として、ピックアップをラインで大量生産が出来るよう再設計を行い、1999年から生産されました。




パッと見は以前と同じように見えるものの、荷台部分はボディ一体のプレス部品とされ、ホイールベースも3ドアハッチバックと共通、リアサスもトーションビームのまま強化するも、やはり耐荷重はトラック260Kg、バン390kgに減少しています。


フルゴネットボディはFRP製のカバーを荷台に背負う形に改められ、新たにキャブの屋根上のスペースに小さな荷物を置くための棚が設けられています。



下級グレードはタヴリアのフェイス、上級グレードはダーナ後継という役割を持たされ、スラヴタのフェイスになるという作り分けがされています。


国内市場だけでなく、近隣諸国でも売れ行きが好調だった為、こちらも2011年1月まで生産が継続されました。

●110240/110260型3ドアワゴン
3ドアをベースにリアゲートを大型化する事で貨物乗用車に改造したもので、試作車が1988年のモーターショーでダーナと同時に非公開展示されました。




車体重量はベースのハッチバックに比べて33kg増加し、その重量増加の大半を占めるであろう大型リアゲートを支える為、車体側壁後部の両側にゴムで覆われた金属製のストッパーが取り付けられ、走行時の振動のレベルを減らしました


リアウィンド付きの110240型、金属パネルに覆われる110260型の2種類があり、金属パネル仕様にのみ前席と荷室を隔壁で隔てた2人乗り仕様が設定されました。


1992年から生産が始まり、こちらもタブリア・ノヴァに準じた改良を加えながら、2007年まで生産が続きました。

●1109型エレクトロ・タヴリア
1980年代後半から1990 年代前半にかけて開発された電動バージョンが1994年に公開されました。


定格出力17馬力、最高出力34馬力のモーターを搭載し、最高時速90キロ、最大走行距離140 km、高速域でエネルギーを節約するために3 速ギアボックスを備え、郵便車として都市で働くことが期待されました。



その後、スイスやドイツなどの排ガス規制が厳しく触媒の追加だけで規制をクリアできない地域を中心に実際に販売されますが、非常に高価な為に殆ど売れませんでした。


●110250型タルガトップ/カブリオレ(1988年〜1989年)
1988年〜1989年にかけて、特装車工場 「STC」(ZAZavtotekhnika)で、輸出を目的としたカブリオレの試作車3台が製造されました。


ボディの剛性を維持するために、フロントをタルガトップ化したもの、リア側をボタン止めのポリエチレン製の幌としたものの2種類があるようです。

3台の内1台はクラッシュテストで破壊、残った2台はテストの為にウクライナからギリシャに送られた後、現地ディーラーが最近まで保存していました。

現在は1台がウクライナに戻り、もう 1 台はマケドニアのコレクターが所有されているとの事です。(ウクライナの個体はキエフにあるらしいので無事だと良いのですが)



●4ドアハッチバック
元々は3ドアにリアドアを付け足す形で5ドアが開発されましたが、同時に運転席側に1枚、助手席側に2枚のドアを持つ「1+2ドア」の4ドアも試作されました。

5ドアバージョンと比較してボディ剛性が向上し、コストも削減されると評価されますが、より新しい可能性を模索する必要があるとして市販には至りませんでした。

●ZAZ Taxi
もはやタヴリアの面影は何処へやら?

タヴリア開発中に提案された次世代の都市型タクシーのあり方に対する試作車で、プラットフォームはタヴリアのものが使われているようです。、
パワーユニットを右側に配置し、前輪の上に運転席、客室は完全に別体のレイアウトを摂ることで全長を 3.5 m に短縮することが可能になりました。
しかし、いくらなんでも前衛的に過ぎ、運転席をより小型化した2号車が製造されたところでプロジェクトが終了しました。



このように、1車種で多様なニーズに応える必要から、公式/非公式を問わず、メーカーが開発したバリエーションだけも膨大な数になりました。

しかし共産圏の車らしいというか、これだけバリエーションがありながら、市販された物の殆どが実用一辺倒の物ばかり。

ですが、スポーティな仕様が開発されていなかった訳ではありません。次回は、そんなタヴリアのスポーツモデルについての調査結果を報告できればと思います。

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「隠し撮り浅野忠信氏。職場が殺人事件の舞台になっちゃったんです~ 自分のメンテしてる入浴装置も銀幕デビューで、ちょっと嬉しかったり。」
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