純正スマートキーによるセキュリティの操作 Ver.1(VIPER)
目的 |
チューニング・カスタム |
作業 |
DIY |
難易度 |
 初級 |
作業時間 |
12時間以上 |
1
VIPERなど市販のセキュリティは、付属のリモコンで操作するものや、クルマの純正リモコンキーで操作するものがあり、ドアのロック、アンロック連動ができます。ところが、純正キーで操作できるタイプでも、プジョーのスマートキーには対応していません。セキュリティをかけた状態でスマートキー(ハンドルに触れる)でドアロックを解除してもセキュリティが解除されず警報が鳴ってしまいます。
そこで、純正スマートキーでもセキュリティのオンオフができる回路を作りました。もちろん純正リモコンのボタン操作にも連動します。概念図は写真の通りで、ドアのロック、アンロックによりセキュリティのリモコンを操作するという強引な方法です。この方法はリモコンを車内に置くためセキュリティ性が低いと言えますが、相手がプロならどんなセキュリティでも破られると割り切って作りました(セキュリティ性を求めていれば整備手帳に載せませんが、、、)。
使ったセキュリティは手持ちの古いVIPERです。この回路は他の車種にも応用できると思いますが、自己責任でお願いします。
<2018/4/22追記>
その後、回路が簡素化出来る事がわかり、Ver.2をアップしました。「純正スマートキーによるセキュリティの操作 Ver.2 (VIPER)」を参照ください。
<
https://minkara.carview.co.jp/userid/249939/car/2344519/4747243/note.aspx>
2
ドアロックモーターにかかる電圧を検出して、VIPERのリモコンを操作します。モーターは、ロック用とアンロック用があり、動作時に一瞬だけ電圧がかかります。これをトランジスタで検出し、ICで1秒間の信号に変換してVIPERリモコンのスイッチをたたくリレーを動かします。モーターの動きに影響がないよう微弱な電流だけをもらいます(500μA程度)。VIPERのリモコンは1つのスイッチでオン、オフを操作するので、ロック信号は、①VIPERがオフの時、②ACCがオフの時、のアンド条件でしか動作しないようにします。 ②を入れる理由は、時速11kmでかかるオートドアロックでのセキュリティ動作を防ぐ為です。アンロック信号は、VIPERがオンの時にしか動作しないようにします。走行後にエンジンを止めてからドアを開ける時のアンロックでの動作を防ぎます。VIPERのオンオフは、VIPER本体のWHEN ARMED(オレンジ色)の配線で検知します。オンするとアースに落ちる信号なので、1秒間のドアロック信号も、VIPERがオンした時点で遮断します。(リモコンスイッチを1秒間も押し続けると、VIPERがパニックモードに入ってしまいます)
この配線の色は、最近のVIPERでも変わっていないようです。
ロック、アンロックの時に、動かない側のモーターにも低めの電圧がかかります。その電圧による誤動作を防ぐため、入力側にもWHEN ARMED連動のリレーなどを入れました。入力電圧に対する制限抵抗には可変抵抗を入れて調整式にしました(抵抗値最大の位置でも動作しています)。長時間駐車場した後と、走った直後では微妙に電圧が異なり、色々な状況での動作テストが必要です。
3
ユニバーサル基板に回路を組んだ写真です。100均で買った容器の中に入れて車内に隠しました。容器は通気性を良くする為の穴をあけておくと、結露防止になって良いでしょう。(ケースの中が結露するとサビて故障の原因となります)
回路図で一点鎖線で囲った部分が基板毎の単位で、この写真は回路図の配置に合わせてあります。
VIPERの2ボタンリモコンをバラして配線を基板に直接ハンダ付けします(基板の裏側)。チャンネル1(オン、オフ操作)のスイッチ両端にリレー接点を配線します。電源は12V電池の代わりにクルマから電源をとります。リモコンの電源は検出回路の側近から取ると反応しない事があったので、離れたところに置きました。
VIPERリモコンのチャンネル2のスイッチにも配線をつないで、車内の押しやすい所にスイッチを置きました。チャンネル2を押した後にドアロックでセキュリティをかけるとサイレントモードが使えます。アンサーバックを一度だけ無音に出来るので、夜中などに便利です。解除時のサイレントモード用にも、車外にもチャンネル2につながるスイッチを防水スイッチで隠れた場所につけました(チャンネル2だけではセキュリティの解除はできません)。
4
クルマのドアロックモーターの配線は、右後ろのドアからとるのが簡単です。最初にBピラー上のカバーと前後席の足元のカバーをはずします。ツメでとまっていだけです。次にBピラー内装カバーのトルクスねじ4本をはずすとカバーが外れます。
スマートキーで「選択解除モード」を使用している場合は、運転席ドアのロック、アンロック配線を探して接続してください。選択解除モードでは、1度目のアンロック操作で運転席のロックのみが解除、2度目で全てのロックが解除されます。
(運転席ドアの線色、線番は未確認です)
5
右後ろのドアへつながるコネクタを外します。黄色いコネクタにある青いレバーを下に引くとコネクタが外れます。上側に見えている青い部分をマイナスドライバーで押し込むと簡単です。
コネクタの配線にタップで電線をつなぎます。ロックモーターの配線はコネクタピン15番の茶色の線、アンロックモーターの配線はコネクタピン14番の緑色の線です。
フランス車は電線の色などが製造時期によって変わることがあるようです。テスターを各配線とアース間にあてて、ドアロック、アンロックの時に一瞬だけ電圧が出る事を確認しておきます。(この308SWは2016年5月製造です)
6
回路電源は常時電源から取りますが、ドアロックで必ずセキュリティがかかると不便な事もあるので、電源スイッチをつけました(状態が分かりやすいミサイルスイッチを使いました)。インパネのドアロックボタンでもセキュリティがかかってしまうので、エンジンを切っている時に車内でドアロックボタンを押す時は、このスイッチを切ってから操作します。
尚、このスイッチはセキュリティの電源では無いので、オフの状態でもVIPERのリモコン(この回路に繋げていないリモコン)を使えばドアロックと連動せずにセキュリティがかけられます。
7
クルマのデフォルト設定では、ドアロック状態でリアゲートを開けると、リアゲートだけが解除されて他のドアロックは解除されません。セキュリティがオンの状態でリアゲートを開けるとセキュリティが解除されず警報が鳴ります。それを回避する為に、クルマの設定画面でUnlock boot onlyのチェックを外しておきます。そうする、ドアロック状態でリアゲートを開けても各ドアのロックが解除されてセキュリティもオフになります。
8
この方法でセキュリティのオン、オフ操作を行う場合、ドアをこじ開けられてインナーハンドルを引かれるとセキュリティが解除できます。そのリスクを回避したい場合は、純正の機能であるスーパーロックで防げます。プジョーにはロック操作を2回すると、車内からはロックを解除できなくなるスーパーロックという機能があります。ただし、人が乗っていると閉じ込めてしまう事になる機能なので、使用には注意が必要です。
その他の注意として、後席やリアゲートが半ドアの状態でドアロック操作をすると、ドアがロックされずにセキュリティがオンした状態になります。その場合は半ドアのままでもう一度ドアロック操作をするとセキュリティが解除されます。半ドアだと、ドアロックモーターが動いた直後にアンロックモーターが動くので、それを感知して解除できます。
強引ですが、これで純正キーレス&純正スマートキーでセキュリティの操作ができるようになりました。回路を組んでテストをする過程で見つけた誤動作の条件は色々と対策をして回路に反映しています。他に誤動作等が見つかれば、後日追記します。
<2018/4/22追記>
アンロック時の誤動作が良くありました。Ver.2で改善しています。
[PR]Yahoo!ショッピング
関連整備ピックアップ
関連リンク