モータロイじゃありません、ただのスズです。
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
初級 |
作業時間 |
1時間以内 |
1
こういう製品がありました。
ギヤやクラッチがエンジンオイルと共用のオートバイには、手軽に使える添加剤があまりなく、シリンダ内に直接使うことができるので重宝していたのですが、残念なことに生産中止。
手持ちのモリアップスプレーも、スッカラカン。
アイの走行距離も伸びたので、バルブ周りの潤滑補助に使おうと思ってたのですが。。
で、思い出したのがモータロイ。
大昔から販売されている、燃料タンクに投入するスズ合金の製品。
残念ながら、これも生産されていないようで。
物置のどこかに一箱眠ってるハズなのですが、腐海に沈み出てきません。(^^;
一般には即効性がウケるので、「投入から2000キロで効果が分かります」なんて商品は
生き残れなかったのかも知れません。
意外なことに根強いファンがおられて、復刻版まであるようです。
「公害問題でなくなった」と思っている人もいるようですが、鉛じゃないので単に商売できなくなっただけでしょう。
猛毒で販売できなくなった製品が行き場をなくして日本で売られている、なんて話を聞くと寂しいですねぇ。
モータロイの効果については、ネット上に山とあるのでそちらを。
酷評はあまり見ませんね。
2
モータロイはスズ「合金」だそうですが、9割以上がスズらしいので βスズの線材を切ってタンクに放り込むことにします。
節操のない すごく乱暴な行為です。w
切断した端面のシャープエッジはバーナであぶり丸めておきます。
3
はい投入。
サイズφ6の20mmを、何の根拠もなく4本。
長さ10ミリがちょうど2gなので、16gです。
タンクのシャットバルブを通過させるために棒状で投入。
形状は…
わずかな揺れでジャラジャラ転がる小さな粒
もしくは…
多少の波では浮き上がらずにタンクの底をゴシゴシする大きめの塊
がいいんでしょうか?
それ以前にタンクまでの経路が長いアイは、タンク内に届かないかも知れないですね。
いつかポンプユニットを外して、そこから放り込みましょうか。
4
即効性はないので、強制的に削ったものを投入します。
最初は#1500のペーパーでやってたのですが一向に進まず。
シビレを切らしてダイヤモンドヤスリでショリショリと。
スズは曲げる時に、ギュギュっと独特な音を発します。
結晶構造がずれる時の音だとか。
削っている時は細かくてイイ感じ、、と思っていましたが、こうしてみるとコロイドとはほど遠く、ただのコンタミです。
噛み込んだらバルブシートなどを傷つけるでしょう。
インジェクタが詰まっちゃうって可能性も。
5
そのままでは使えそうにないので、贅沢にもビッグトルクXに混ぜて、乳鉢でスリスリしました。
すぐに沈殿するものもありますが、しばらく灰色のままの部分もあります。
6
それでも大半が沈殿して使えそうにありませんでした。(^^;
実際にはもっと時間を掛けて微粒化するんでしょうねぇ。
数分置いた後に、上澄み部分を分けます。
これを補助剤として燃料タンクに入れます。
7
ところで、あれこれ疑問はあります。
想像の域を出ませんが、一応考えたことのメモ。
【メッキされるのか】
最近の自動車のピストンは、カジリ防止やオイル保持のため、スカートに二硫化モリブデンやグラファイトをプリントするのが常識になっています。
昔はスカートがスズメッキで、トップ部がアルマイトだったと思います。
このためモータロイを入れるとスズでメッキされると言うのもそれらしく聞こえます。
ただし燃焼室の中と外という、大きな違いがあります。
スズは230℃ぐらいの温度で溶けてしまいます。
スカートの「メッキ」が長期間生きているのは、ピストンと壁面の部分がそれ以下の温度であると言えます。
一方、燃料と共に吸い込まれシリンダ内で熱に曝された場合は、おそらく大半が気化して排気され、壁面に残るのは微々たるものでしょう。
全部壁面に残ったら、次の始動時にピストンやリングの隙間で固体化したスズで膠着して大変なことになるでしょうし。
と言うことで、色が変わって見えるような現象はあるでしょうけど、メッキと呼ぶようなものではないと思います。
8
【混入する濃度について】
タンクの中でどうなってるか分からないのは不安。
量を決めて混入したいというのも人情。
検証している人はいると思いますが、自分で確かめる気にはなりません。(^^;
カタログに大昔の「どういう条件か分かっているようで分からない」実車試験の記載があります。
トヨタにジープってありましたっけ?(謎)
「2000kmで0.0115g減耗」
⇒距離で見ると10000キロで0.0575g…
⇒燃料で考えると、10km/Lとして 100リットルで0.0575g…
管理のし易さからすれば、後者ですね。
市販されていたタブレットの質量は分かりませんが、仮に10gとして、これをすべて使い切るには、この試験車では17万キロぐらいの走行に相当します。
何となくイイ感じかなと。
じゃあ、この量を目安に入れなきゃダメ?という疑問。
ただただ振動で摩耗するだけもの。
タンク形状、容量、振動のしかた(共振・路面の荒れ)によって、この試験車の例に対して、数分の1から5倍10倍の量になることは充分考えられます。
50の原付と3.5、4Lの乗用車じゃ濃度を変えなくちゃいけないのでは?という疑問。
100倍の排気量だからって、燃費が0.2km/L ですか?って考えれば
燃料の消費で必要な量が供給されると思えばいいんじゃないでしょうか。
と言うわけで、混入する量はかなりルーズで良いと『個人的』には思います。
もちろん投入量によっては危険性がありますから、壊れてもあきらめが付く人しかやらないお約束ですね。
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