実は私、間もなく2022年1月早々、MG-ZTを降りることになりました。お世話になったMG-Roverの愛好家の皆さんの中には修理不能の状態となり、泣く泣く乗り換える方も少しずつ増えております。そんな中最も新しい英国製MG-Rover車である2004年製造の2005年初年度登録である我がZTが未だ充分に動いているのに、降りる意気地の無さがお恥ずかしい限りです。
思えばMG-Rover破綻に乗じてRover600から在庫新車のZTに乗り換えたのが2005年の8月でした。それから実に16年と5カ月の長期所有でした。
当初、メーカー破綻のマイナー外車ゆえ、部品や整備のリスクに不安を抱きつつ、この機会を逃しては2度と手に入らないのだから10年持てば御の字と購入に踏み切りました。ジェントルな英国車の中において、BMWとの混血ともいえるZTは速度とハンドリングのドライブを楽しむ私の運転に充分に答えてくれる相棒でした。
父の友人から頂いた12AロータリーのカペラGSⅡから始まっった私の40年の車歴のうち、ほとんどが3年で乗り換え(なんとバブリーな)でしたが、16年と5カ月は断トツの
最長不倒(次点はRover600の5年)です。16年の間にはナビのフェイスパネル自作、スタッドレス用ホーイル選定、デジタルTV導入によるナビ載せ替え、輸入フェイスパネル交換、輸入ステアリングリモコンリレー導入、ブレーキでディスク個人輸入、屋根&ドア内貼り張替など本当に沢山の苦闘(楽しみ)を与えてくれました。
16年間で同じZTと一緒になったのはオフ会含め5回に満たない希少車ゆえ飽きないのはもちろん、前後30度からのフォルム(私は特に後ろが好き)は今でも自分で惚れ惚れします。1.5tの車重と決してトルクが太いとはいえず発進時のパワー不足はありますが、ワインディングをクルーズした時のFFらしからぬ素直なハンドリングは、未だに健在で人馬一体となり走ってくれます。
そこまで、褒めておいて不動でもないのに何故降りる?
ここから言い訳です。
実は昨年の秋に車検通過後1カ月程で冷却ファンの低速側不動で走行中オーバーヒートでレッカーされファン交換となりました。これを機に家人から買い替えを勧められることが多くなり、何度かディーラー巡りなど物色したふりをしつつ、予算の範囲(かなり無理しても)でZTに変わる欲しい車もないと逃げておりました。
しかし現実的には夏タイヤは来春にも交換必須、次回車検時にはブレーキローター&パッド交換も確実で、不動では無いとは言いつつ、やはり高齢車、外装クリア塗装の劣化は進み、2度の張替をした天井内貼りも残念な感じ、走行中のドアの小さな軋み、固めのサスペンションにも少しへたりの兆候があり、挙句の果てに家人が車庫入れで右後部を擦るなど、ざっと見積もって150万~200万かけてレストアして乗り続けるか乗り換えるかの2択が現実味を帯びてきました。
200万かけて惚れ込んだZTをレストアすべしという自分と、仮にそうしても何時か不動になるリスクを回避できるわけでは無いという正論の自分の葛藤が続きました。
そんな中で、昨年からの物色中に唯一心が揺れた車の進化した新型車が今月発売を迎え、これも運命的に出会えた販売店の販売員と、世の中の流れ(高額な補助金)に身を任せようと乗り換えを決意しました。
長い車遍歴の中でZTは、一番自分らしい行きついたクルマという認識ですから、そのまま運転歴を閉じるのが本望ですが、実情そうもいかないという苦渋の決断です。
年齢的に来年還暦・定年を迎えるとはいえ、私の運転歴はあと10年から15年はあるでしょうから、このタイミングで乗り換えておかないと、万一ZTが不動となれば、定年後の収入で乗り換えられるかというのも決断を促す材料になりました。
名古屋からの船便が(陸送でなく)とてつもなく混んでいるとの情報で、納車が新年11日の予定です。それまでZTとの別れを惜しみたいと思っています。
突然の別れでないのは幸せなんでしょうが・・・・・
契約しした次期車輛の納車が年始早々になりそうだとか、家の充電設備の工事が終わったとか、来年還暦の身としては運転支援の安全装備がABSとトラクションコントロールだけのZTはこの先不安だとか考えてみれば、普通はワクワク心躍らせる時期なんでしょうが、それよりもZTとの最後の日々を大事にしたい自分がいます。
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Posted at
2021/12/30 23:05:01