BMW(純正) アダプティブMサスペンションについて (前編)
M235i、M240i には、アダプティブMサスという可変制御サスペンションが標準装備されています。 可変制御サスとは、クルマの走行状況を検知し、姿勢変化を抑え、乗り心地、ロードホールディングを両立させるために瞬時に減衰力を変化させるシステムだそうで、セミアクティブサスペンションとも呼ばれています。
BMWのアダプティブMサスは、Monroe社のCVSAeという製品のようです。
同社のホームページによると、CVSAeはBMWのみならず、アウディのDrive Select、VWのDCC、ボルボのFour-Cなど40車種に10年に渡り供給され信頼性も熟成度も高い、と謳われています。路面や走行状態に応じて、リアルタイムに4輪のダンパーの減衰力を、個別に、無段階に、1秒間に100回、再調整している、と書かれています。
このダンパーの解説をしてくれる海外のサイトによると、ダンパーの側面に電磁式のバルブがあり、流れる電流に応じてバルブを支える力を変化させることで、3重構造のダンパーの中を移動するオイル量を制御しているようです。電流が少ないと電磁バルブがより大きく開きダンパーはソフトとなり、電流を上げるとハードとなる仕組みで、電流(0.24-2.0A)に応じて、無段階に調整可能なようです。
常にダンパーが電力を消費していることから、バッテリーの負担や故障のことが気になりましたが、システムに問題が生じた場合は、Fail safeモードとなり、Fail safe valveが開くことで可変機構のない通常のダンパーとなります。一つのショックアブソーバー、2つ以上のセンサー、EDCユニットのいずれかに故障が生じた場合、このモードになるとのことです。
この可変ダンパーを制御する上で、路面状況や走行状態の把握はどのように行うのでしょうか。BMWの資料によると、前輪の上下方向加速度、車体の横方向/前後方向の加速度の瞬時値、車速、舵角、の5つのパラメーターを常時測定し、路面/走行状態に応じた制御命令を各ダンパーのバルブに送っている、とのことです。
このアダプティブMサスの作動は、体感できます。
安全な場所で試してください。アクセルを深く踏み込むと、猛然と加速する割にはフロントが上がらず、姿勢がフラットに保たれます。大トルクのFR車らしくなくて、そこにアダプティブMサスの介入が感じられます。
急ブレーキでもノーズダイブがあまりなく、フラットなまま沈んで地面に迫るような感じを受けます。 さらに、急な車線変更のような動きをしてみると、揺り戻しがなく、横揺れがピタッとすぐ収まります。COMFORTでは揺り戻しがありますが、SPORTでは姿勢が不自然なくらいにピタリと収束するので、これがセミアクティブサスなのか… と初めは感動しました。
アダプティブMサスが、逆効果な場面について。
巡行クルージング中に、後輪側でヒョコヒョコした縦揺れを感じることがあります(多くの方が指摘しています)。SPORT+は、SPORTよりもヒョコヒョコが明らかに少ないので、減衰力をソフト側にさせない方が症状が軽いようです。前輪で凹凸を判断しているために、後輪側の縦揺れを収束させたい場面で、後輪側をソフトにしてしまうことがあるのかもしれません。セミアクティブサスの負の一面かと思います。
アダプティブMサスのスプリング交換について。
私は、アダプティブMサスのスプリングをAC Schnitzerのスプリングに交換しています(スプリング交換には賛否両論があり、純正には純正の良さがあります)。
ヒョコヒョコについては、交換後に明らかに小さくなりました。重心が低くなったためか、バネレートが硬くなったためかはわかりません。メーカーの資料では、F15mm、R10mm下がる設定です。交換後1年半経過していますが、程よいローダウンのまま落ちついています。そもそもが腰高だったので、見た目の元々そうだった感、純正感は残っています。乗り心地は少し硬くなりました。
長文となったので、アダプティブMサスのDPC各モードでの体感の違い、などの続きは後編で。
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Monroe CVSAe
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