トルクグライド

コスモＡＰの13Ｂロータリー5ＭＴ車にはトルクグライドという物が付いています。

トルクグライドというのはマツダの呼び方ですが正確にはフルードカップリング（流体継手）という物で、エンジンからの出力をオイルでクラッチに伝達しています。
エンジン→フルードカップリング→クラッチ→ミッション→プロペラシャフト→アクスルと動力が伝達されます。

オイルで動力を伝達する点はＡＴ車のトルクコンバーターと同じですがトルクコンバーターには内部にステータという羽があり、これでオイルの飛ぶ方向を調節してトルクの増大作用をしますがフルードカップリングにはステータがなくトルクの増大作用がないのがトルクコンバーターとの違いです。

ロータリーエンジンは減速時等の低回転時にエンジンの不整燃焼によるトルク変動が駆動系と共振してカーバッキングという車体の振動が起こるのでそれを吸収する為にフルードカップリングが付けられています（12ＡはＬ側の点火と失火を繰り返す交番点火でトルク変動のリズムを崩して駆動系との共振を防いでいます）ＡＴ車ではトルクコンバーターがトルク変動を吸収します。

トルクグライドは流体継手である以上、駆動系とエンジンが機械的に接続されていないのでＭＴ車でもＡＴ車同様にＰポジションがありミッションのメーンシャフトを固定出来るようになっています。

コスモのトルクグライドはカーバッキング対策と同時にクラッチ操作を楽にするメリットもあり運転がとても楽です(^o^)

ところで画像の写真ですが・・コスモのオーナーさんはこれがコスモの物ではないことが分かると思います。

では、この画像は・・これはＦＲ最終型ギャランΣ（1980年頃）のものです。
実はギャランΣにもフルードカップリングが採用されていてガソリン車の最上級グレードとディーゼル車の全車に搭載されています。
ギャランΣはクラッチの良好な操作性を目的に採用されたようです。

勿論、これを採用したのはマツダの方が早くてビッグルーチェ13Ｂグランツーリスモの登場と同時にトルクグライドが搭載されています。
当時としては非常に斬新で素晴らしい装備だと思います(^^)