OS GIKEN ストリートマスター TWIN-METAL  

ストリートマスターのツインメタルソフト（GTS2CD）です。VAB用はラインナップにありませんが、同じTY85ミッションを採用しているGRB用を選べば問題なく装着可能です。
https://osgiken.co.jp/pro_clutch/clutch/gts2cd.php

クラッチ交換をする上での要求事項としては以下を求めていました。

① 8割街乗りなので、半クラは必須
② 住宅街なので、シャラシャラ音は最小限に留めたい
③ 変えるからにはある程度のレスポンスアップが欲しい
④ 純正＋αのペダル踏力に留めたい

②の性能を考えた時、マルチプレートクラッチの多くは検討外になってしまうので、その時点で各社のシングルプレートクラッチか、ストラップドライブ方式を採用しているクスコのカッパーツインが有力となりました。ただ色々調べていくと、ストリートマスターはマルチプレートでもそこまでシャラシャラ鳴らないという噂もあったため、検討の1つに入れました。

そして③の性能を満たすには慣性マスを減らす必要があるので、少なくとも純正（φ240）より小径であることを要件としました。とはいえ、極端に小径にしすぎるとアイドリングが不安定になったりミッションとの共振が生じたりするリスクがあるため、そこそこ程度にとどめたいと考えました。

検討した各社のクラッチ径を挙げると以下の通りです。

HKS LAクラッチ：φ230
クスコ カッパーシングル：φ225
クスコ カッパーツイン：φ200
エクセディ ハイパーシングルEVO：φ230
STI オルガニックディスク：φ240
OS ストリートマスター：φ215

ツインプレートの方がペダル踏力を軽くしやすい傾向もあることから、クスコ カッパーツインとOS ストリートマスターの2択に絞ったのですが、先般入れた同じOS技研製のスーパーロックLSDがめちゃめちゃツボにハマっていたこともあり、ストリートマスターに最終決定しました。

メタルのツインプレートクラッチと聞くととてもストリートユースには向かない仕様に思われるかもしれませんが、実際は大変乗りやすいです。よかった点と気になる点は以下の通りです。

【よかった点】
① ペダル踏力はVAB後期純正の新品状態と比較して、同等か少し軽いかな？程度
② 半クラ領域は10〜20%ほど狭くなった気がするが、全く気にならない（むしろノーマルが広すぎて、相当ペダルを戻さないと繋がらない印象が強かった）
③ アクセルレスポンスが軽く、ノーマル車との明確な違いを感じる
④ 低速トルクの不足感を感じないどころか、伝達力が上がったためか、より前に進む感が強くなった
⑤ シャラシャラ音はだいぶ控えめで、窓を閉めて乗っている分には僅かに聞こえるな〜程度（一般的な音量でオーディオをかけたら紛れるレベル）

【気になる点】
① 特定の回転域でのジャダー発生（低回転で出やすい傾向）
② 回転落ちは早くなったが、シフトスピードが大幅に上げられる程ではない

あえて気になる点も挙げましたが、高い街乗り性能と、スポーティーさやハイパワーに耐える堅牢性を両立させようとすると、この辺がいい落とし所かなと感じるレベルなので、さほど気にはしていません。とても良いバランスの商品だと思いました。

また気になるシャラシャラ音ですが、事前に比較していたORCのマルチプレートクラッチと比較すると相当音量は小さめです。ORCは信号待ちでクラッチを切って待っていると歩行者を威嚇できそうなくらいの音量のイメージですが、その心配はなさそうです(笑)

なおストリートマスターにはツインメタルソフトとツインメタルハード（GT2CD）がありますが、その差はクラッチカバーのダイヤフラムスプリングの違い（＝踏力が重いか軽いか）のみらしいので、ブーストアップ程度の仕様であれば、ソフトで充分間に合うと思われます。