自験の「実録」を「どぶろっく」バージョンでご紹介します。
薔薇愛好家であれば、誰もが保有している品種ですが、咲かせる人はまずいません。園芸の教科書に、「咲かせてはいけない」と明記されているからです。
このうえなくナチュラルで、こぼれるような愛らしさが印象的なこの花は、日本原産のノバラです。学名は、「ロサ・ムルティフローラ」といいます。房咲き性でたくさんの花をつける形質から、ラテン語のMulti-Floraという学名が付けられました。
世界中に房咲きの品種が存在しますが、交配に日本のノバラを組み入れたことで発現したものです。欧州の育種家達からの憧憬の的になっていた重要な品種で、そこは日本の園芸愛好家として鼻高々です。
現在の薔薇苗は、接木苗が主流です。ノバラの成木の根元へ新苗の枝を挿入するように接着させ、のちにノバラの枝を切り落として生産します。接木だと、遅くとも1年後には出荷できますので、生産農家にとっては一択です。種子から育てていたら5年以上を要してしまいます。
この結果、台木となったノバラから吸い上げられた栄養が接木側に上がっていくハイブリッドな株になります。「地上の星を誰も覚えていない。人は空ばかり見ている」ということです。
上述の教科書の記述は、科学的に正しく、台木の新枝が出てきたら摘むことになっています。ところが、毎年あまりにも勢いのある枝が出てくるので、その意思を尊重したのが、私の薔薇です。
薔薇愛好家は、最後にSpeciesと呼ばれる原種を育てたくなるといいます。自分もそうなりました。
アイドル狂に関しては、原種ともいえる菊池桃子さん一筋です。ノバラを見ていると、40年前にデビューした彼女のことを思い出します。素の美しさが放散し、まばゆさ満点のリアルフレッシュ1000%の状態でした。
実録は、以上です。
ここで、「どぶろっく」師匠の登場です。
――もしかしてだけど、「ツバメよ、高い空から、教えてよ」と言いつつ、桃子の偵察をさせたいんじゃないの~。
右端の2本が台木の枝です。
君は、
ノバラより美しい。
Posted at 2024/05/14 07:09:20 | |
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